基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題107 解説
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解説
方針・初手
線分 $PQ$ 上の点を、$z$ 座標をそのまま媒介変数にして表すのが最も自然である。
平面 $z=t$ との交わりを求めれば、各高さでの断面が分かるので、$V_1$ は断面積の積分で求まる。さらに $V_2$ は、その断面を $z$ 軸まわりに回転させたときにできる円環の面積を積分すればよい。
解法1
線分 $PQ$ 上で、$z=t \ (0\leqq t\leqq 1)$ となる点を $R$ とする。
$P$ の $z$ 座標は $0$、$Q$ の $z$ 座標は $1$ であるから、$R$ は
$$ R=(1-t)P+tQ
$$
と表せる。したがって
$$ \begin{aligned} x&=(1-t)\cos\theta+t\cdot 2\cos\theta=(1+t)\cos\theta,\\ y&=(1-t)\cdot 2\sin\theta+t\sin\theta=(2-t)\sin\theta,\\ z&=t \end{aligned}
$$
である。
(1) 平面 $z=t$ との交わり
上式より
$$ x=(1+t)\cos\theta,\qquad y=(2-t)\sin\theta
$$
であるから、
$$ \frac{x^2}{(1+t)^2}+\frac{y^2}{(2-t)^2} =\cos^2\theta+\sin^2\theta=1
$$
となる。
よって、図形 $H$ と平面 $z=t$ が交わってできる図形は、平面 $z=t$ 上の楕円
$$ \frac{x^2}{(1+t)^2}+\frac{y^2}{(2-t)^2}=1 \qquad (0\leqq t\leqq 1)
$$
である。
(2) 立体 $V_1$ の体積
高さ $t$ における断面は、長半径 $1+t$、短半径 $2-t$ の楕円であるから、その面積 $S(t)$ は
$$ S(t)=\pi(1+t)(2-t)
$$
である。
したがって体積 $V_1$ は
$$ V_1=\int_0^1 \pi(1+t)(2-t),dt
$$
であり、
$$ \begin{aligned} V_1 &=\pi\int_0^1 (2+t-t^2),dt\\ &=\pi\left[2t+\frac{t^2}{2}-\frac{t^3}{3}\right]_0^1\\ &=\pi\left(2+\frac12-\frac13\right)\\ &=\frac{13\pi}{6} \end{aligned}
$$
となる。
(3) 立体 $V_2$ の体積
高さ $t$ における $H$ の断面は楕円
$$ x=(1+t)\cos\theta,\qquad y=(2-t)\sin\theta
$$
である。この点の $z$ 軸からの距離を $r$ とすると
$$ r^2=x^2+y^2=(1+t)^2\cos^2\theta+(2-t)^2\sin^2\theta
$$
である。
したがって $r$ は
$$ \min(1+t,2-t)\leqq r\leqq \max(1+t,2-t)
$$
の範囲を動く。よって、平面 $z=t$ での $V_2$ の断面は円環となり、その面積を $A(t)$ とすると
**(i)**
$0\leqq t\leqq \dfrac12$ のとき
$$ 2-t\geqq 1+t
$$
より、外半径は $2-t$、内半径は $1+t$ であるから
$$ A(t)=\pi\bigl((2-t)^2-(1+t)^2\bigr)=\pi(3-6t)
$$
である。
**(ii)**
$\dfrac12\leqq t\leqq 1$ のとき
$$ 1+t\geqq 2-t
$$
より、外半径は $1+t$、内半径は $2-t$ であるから
$$ A(t)=\pi\bigl((1+t)^2-(2-t)^2\bigr)=\pi(6t-3)
$$
である。
したがって
$$ V_2=\int_0^{1/2}\pi(3-6t),dt+\int_{1/2}^1\pi(6t-3),dt
$$
となる。計算すると
$$ \begin{aligned} V_2 &=\pi\left[3t-3t^2\right]_0^{1/2} +\pi\left[3t^2-3t\right]_{1/2}^1\\ &=\pi\left(\frac34\right)+\pi\left(\frac34\right)\\ &=\frac{3\pi}{2} \end{aligned} $$
である。
解説
この問題の本質は、線分 $PQ$ を「高さ $z=t$ で切る」と断面がきれいに楕円で表せる点にある。
$V_1$ では、その楕円の面積を積分すればよい。一方、$V_2$ では楕円そのものを回転させるので、断面は楕円板ではなく円環になる。この違いを取り違えると体積を誤る。
特に (3) では、各高さでの $z$ 軸からの距離 $r$ の最小値・最大値を調べることが重要であり、$t=\dfrac12$ を境に内外半径が入れ替わることがポイントである。
答え
**(1)**
$$ \frac{x^2}{(1+t)^2}+\frac{y^2}{(2-t)^2}=1 \qquad (z=t,\ 0\leqq t\leqq 1)
$$
**(2)**
$$ V_1=\frac{13\pi}{6}
$$
**(3)**
$$ V_2=\frac{3\pi}{2}
$$