基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題111 解説
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解説
方針・初手
曲線 $C$ は
$$ 4x^2+y^2=4
$$
で表される楕円であり,直線 $\ell$ は
$$ y=2(x-1)=2x-2
$$
である。
まず交点を求めて,どの部分が $D$ であるかを明確にする。そのうえで,面積は「直線 $-$ 楕円の下側」の積分で表し,$\sqrt{1-x^2}$ を含む積分に三角関数の置換 $x=\sin\theta$ を用いる。回転体の体積は,$x$ 軸まわりでは円環法,$y$ 軸まわりでは円筒殻法で処理するのが自然である。
解法1
(1) 曲線 $C$ と直線 $\ell$ の交点
直線 $\ell$ の式 $y=2x-2$ を $C$ に代入すると,
$$ 4x^2+(2x-2)^2=4
$$
より,
$$ 4x^2+4x^2-8x+4=4
$$
すなわち,
$$ 8x^2-8x=0
$$
となるから,
$$ 8x(x-1)=0
$$
であり,
$$ x=0,\ 1
$$
を得る。
それぞれに対して $y=2x-2$ を用いると,
$$ x=0 \Rightarrow y=-2,\qquad x=1 \Rightarrow y=0
$$
である。したがって交点は
$$ (0,-2),\ (1,0)
$$
である。
(2) 直線 $\ell$ に平行な,曲線 $C$ の接線
直線 $\ell$ の傾きは $2$ である。
曲線 $C:4x^2+y^2=4$ を暗算微分すると,
$$ 8x+2y\frac{dy}{dx}=0
$$
より,
$$ \frac{dy}{dx}=-\frac{4x}{y}
$$
である。
これが $2$ に等しいとき接線は $\ell$ に平行であるから,
$$ -\frac{4x}{y}=2
$$
すなわち,
$$ y=-2x
$$
となる。
これを $4x^2+y^2=4$ に代入すると,
$$ 4x^2+(-2x)^2=4
$$
より,
$$ 8x^2=4
$$
したがって,
$$ x^2=\frac12,\qquad x=\pm\frac{1}{\sqrt2}
$$
であり,
$$ y=-2x=\mp\sqrt2
$$
となる。
よって接点は
$$ \left(\frac{1}{\sqrt2},-\sqrt2\right),\qquad \left(-\frac{1}{\sqrt2},\sqrt2\right)
$$
である。
傾き $2$ の接線の方程式は,それぞれ
$$ y+\sqrt2=2\left(x-\frac{1}{\sqrt2}\right)
$$
$$ y-\sqrt2=2\left(x+\frac{1}{\sqrt2}\right)
$$
であるから,
$$ y=2x-2\sqrt2,\qquad y=2x+2\sqrt2
$$
を得る。
**(3)**
$D$ の面積
$D$ は,$x=0$ から $x=1$ の範囲で,直線
$$ y=2x-2
$$
と楕円の下側
$$ y=-2\sqrt{1-x^2}
$$
にはさまれた,原点を含まない部分である。
したがって面積 $S$ は
$$ S=\int_0^1\left\{(2x-2)-\left(-2\sqrt{1-x^2}\right)\right\},dx
$$
すなわち,
$$ S=\int_0^1(2x-2),dx+2\int_0^1\sqrt{1-x^2},dx
$$
となる。
前半は
$$ \int_0^1(2x-2),dx=\left[x^2-2x\right]_0^1=-1
$$
である。
後半の積分で三角関数の置換
$$ x=\sin\theta \qquad \left(0\leqq \theta\leqq \frac{\pi}{2}\right)
$$
を用いると,
$$ dx=\cos\theta,d\theta,\qquad \sqrt{1-x^2}=\cos\theta
$$
であるから,
$$ \int_0^1\sqrt{1-x^2},dx =\int_0^{\pi/2}\cos^2\theta,d\theta
$$
となる。
ここで
$$ \cos^2\theta=\frac{1+\cos2\theta}{2}
$$
を用いると,
$$ \int_0^{\pi/2}\cos^2\theta,d\theta =\int_0^{\pi/2}\frac{1+\cos2\theta}{2},d\theta =\left[\frac{\theta}{2}+\frac{\sin2\theta}{4}\right]_0^{\pi/2} =\frac{\pi}{4}
$$
である。
したがって,
$$ S=-1+2\cdot\frac{\pi}{4} =\frac{\pi}{2}-1
$$
となる。
**(4)**
$D$ を $x$ 軸のまわりに1回転してできる立体の体積 $V_1$
$D$ は $x$ 軸の下側にあるので,回転すると外半径は楕円までの距離
$$ R(x)=2\sqrt{1-x^2}
$$
内半径は直線までの距離
$$ r(x)=-(2x-2)=2-2x
$$
となる。
よって円環法により,
$$ V_1=\pi\int_0^1\left(R(x)^2-r(x)^2\right),dx
$$
であるから,
$$ V_1=\pi\int_0^1\left\{(2\sqrt{1-x^2})^2-(2-2x)^2\right\},dx
$$
$$ =\pi\int_0^1\left\{4(1-x^2)-4(1-x)^2\right\},dx
$$
$$ =\pi\int_0^1(8x-8x^2),dx
$$
$$ =8\pi\left[\frac{x^2}{2}-\frac{x^3}{3}\right]_0^1 =8\pi\left(\frac12-\frac13\right) =\frac{4\pi}{3}
$$
となる。
**(5)**
$D$ を $y$ 軸のまわりに1回転してできる立体の体積 $V_2$
$y$ 軸まわりでは円筒殻法を用いると簡潔である。
半径は $x$,高さは
$$ (2x-2)-\left(-2\sqrt{1-x^2}\right)=2x-2+2\sqrt{1-x^2}
$$
であるから,
$$ V_2=2\pi\int_0^1 x\left(2x-2+2\sqrt{1-x^2}\right),dx
$$
となる。
これを分けて計算すると,
$$ V_2=2\pi\left\{\int_0^1(2x^2-2x),dx+2\int_0^1x\sqrt{1-x^2},dx\right\}
$$
まず,
$$ \int_0^1(2x^2-2x),dx =\left[\frac{2}{3}x^3-x^2\right]_0^1 =\frac23-1 =-\frac13
$$
である。
次に,
$$ \int_0^1x\sqrt{1-x^2},dx
$$
で $u=1-x^2$ とおくと,
$$ du=-2x,dx
$$
より,
$$ \int_0^1x\sqrt{1-x^2},dx =-\frac12\int_1^0 u^{1/2},du =\frac12\int_0^1u^{1/2},du
$$
$$ =\frac12\left[\frac{2}{3}u^{3/2}\right]_0^1 =\frac13
$$
したがって,
$$ V_2=2\pi\left(-\frac13+2\cdot\frac13\right) =2\pi\cdot\frac13 =\frac{2\pi}{3}
$$
となる。
解説
この問題では,まず交点を求めて領域 $D$ が「$x=0$ から $x=1$ の間で,直線が上,楕円の下側が下」であることを把握するのが重要である。
面積では $\sqrt{1-x^2}$ が現れるので,$x=\sin\theta$ の置換が典型処理となる。これは半円や楕円の面積計算で頻出である。
回転体では,どちらを外半径・内半径にするか,あるいは殻の高さを何にするかを図形的に確認しないと符号を誤りやすい。特に $x$ 軸まわりでは領域全体が $x$ 軸の下側にあるため,半径は「$y$ の値そのもの」ではなく「$x$ 軸からの距離」で考える必要がある。
答え
$$ \text{(1) }(0,-2),\ (1,0)
$$
$$ \text{(2) }y=2x-2\sqrt2,\qquad y=2x+2\sqrt2
$$
$$ \text{(3) 面積 } \frac{\pi}{2}-1
$$
$$ \text{(4) }V_1=\frac{4\pi}{3}
$$
$$ \text{(5) }V_2=\frac{2\pi}{3}
$$