基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題121 解説
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解説
方針・初手
$S$ を $x$ 軸のまわりに回転させてできる立体 $V$ は、$x$ を一定にした断面で見ると扱いやすい。
そこで平面 $x=t$ で $V$ を切ったときの断面積 $A(t)$ を求め、最後に $t$ について積分する。
解法1
$z$ 軸まわりに回転させる前の曲線を
$$ z=\sqrt{\log(1+u)} \qquad (0\le u\le 1)
$$
とおくと、$S$ 上の点は
$$ (x,y,z)=\left(u\cos\theta,\ u\sin\theta,\ \sqrt{\log(1+u)}\right) \qquad (0\le u\le 1,\ 0\le \theta<2\pi)
$$
と表せる。
ここで $x=t$ を固定する。ただし対称性より $0\le t\le 1$ としてよい。
このとき $x=t$ を満たすには
$$ u\cos\theta=t
$$
であるから、$u\ge t$ であり、
$$ y^2=u^2-t^2,\qquad z^2=\log(1+u)
$$
を満たす。
この点をさらに $x$ 軸のまわりに回転させると、平面 $x=t$ 内では、原点 $(y,z)=(0,0)$ を中心とする円を描く。その半径を $\rho$ とすると
$$ \rho^2=y^2+z^2=u^2-t^2+\log(1+u)
$$
である。
したがって、$u$ を $t$ から $1$ まで動かしたときに現れる半径の範囲を調べればよい。
関数
$$ \phi(u)=u^2+\log(1+u)
$$
を考えると、
$$ \phi'(u)=2u+\frac{1}{1+u}>0 \qquad (0\le u\le 1)
$$
であるから、$\phi(u)$ は単調増加である。よって $\rho^2$ も $u$ に関して単調増加し、断面は内半径
$$ \sqrt{\log(1+t)}
$$
外半径
$$ \sqrt{1-t^2+\log 2}
$$
の円環になる。
したがって断面積 $A(t)$ は
$$ A(t)=\pi\left\{(1-t^2+\log 2)-\log(1+t)\right\}
$$
である。
よって体積は
$$ V=2\int_0^1 A(t),dt
$$
より、
$$ V =
2\pi\int_0^1 \left(1-t^2+\log 2-\log(1+t)\right),dt
$$
となる。
ここで
$$ \begin{aligned} \int_0^1 \log(1+t),dt &= \left[(1+t)\log(1+t)-t\right]_0^1 \\ 2\log 2-1 \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} V &=2\pi\left(\int_0^1(1-t^2),dt+\int_0^1\log 2,dt-\int_0^1\log(1+t),dt\right)\\ &=2\pi\left(\left[t-\frac{t^3}{3}\right]_0^1+\log 2-(2\log 2-1)\right)\\ &=2\pi\left(1-\frac13+\log 2-2\log 2+1\right)\\ &=2\pi\left(\frac53-\log 2\right). \end{aligned}
$$
解説
この問題の要点は、最初の回転でできるのが「立体」ではなく「曲面」$S$ であることである。そのため、2回目の回転後の図形を直接イメージしにくい。
そこで $x=t$ の断面で考えると、$S$ 上の点は $x$ 軸まわりの回転によって円を描き、その半径が連続的に変化するので、断面が円環として求まる。あとはその円環の面積を積分すればよい。
答え
$$ V=2\pi\left(\frac53-\log 2\right)
$$
すなわち
$$ V=\frac{10\pi}{3}-2\pi\log 2
$$
である。