基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題122 解説
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解説
方針・初手
三角形の辺をベクトルや媒介変数で表し,平面 $x=h$ との交点を求める。
そのうえで,平面 $x=h$ における三角形の断面は線分 $PQ$ になるので,(3) は点 $(h,0,0)$ からその線分までの最短距離を考える。さらに (4) では,この断面を $x$ 軸の周りに回転したときの断面積を積分すれば体積が求まる。
解法1
**(1)**
$\angle BAC$ はベクトル $\overrightarrow{AB},\overrightarrow{AC}$ のなす角である。
$$ \overrightarrow{AB}=(-2,2,-2),\qquad \overrightarrow{AC}=(-2,-4,-2)
$$
内積を計算すると,
$$ \overrightarrow{AB}\cdot \overrightarrow{AC} =(-2)(-2)+2(-4)+(-2)(-2) =4-8+4 =0
$$
よって $\overrightarrow{AB}$ と $\overrightarrow{AC}$ は直交するから,
$$ \angle BAC=\frac{\pi}{2}
$$
である。
**(2)**
線分 $AB$ を
$$ ( x,y,z )=(2,1,2)+t{(-2,2,-2)}\qquad (0\leqq t\leqq 1)
$$
と表す。すなわち
$$ ( x,y,z )=(2-2t,\ 1+2t,\ 2-2t)
$$
である。これが平面 $x=h$ と交わるとき,
$$ 2-2t=h
$$
より
$$ t=1-\frac{h}{2}
$$
したがって
$$ P=(h,\ 3-h,\ h)
$$
である。
同様に,線分 $AC$ は
$$ ( x,y,z )=(2,1,2)+t{(-2,-4,-2)}\qquad (0\leqq t\leqq 1)
$$
すなわち
$$ ( x,y,z )=(2-2t,\ 1-4t,\ 2-2t)
$$
と表せる。これが平面 $x=h$ と交わるときも
$$ t=1-\frac{h}{2}
$$
であるから,
$$ Q=(h,\ 2h-3,\ h)
$$
となる。
**(3)**
平面 $x=h$ 上で見ると,線分 $PQ$ 上の点は
$$ (h,\ y,\ h)\qquad (2h-3\leqq y\leqq 3-h)
$$
と表せる。
点 $(h,0,0)$ からこの点までの距離の二乗は
$$ {(h-h)}^2+(y-0)^2+(h-0)^2=y^2+h^2
$$
である。したがって,距離の最小値は $|y|$ が最小になるときに得られる。
ここで区間 $[,2h-3,\ 3-h,]$ を考える。
$$ 2h-3\leqq 0 \iff h\leqq \frac{3}{2}
$$
であるから,場合分けすると次のようになる。
**(i)**
$0\leqq h\leqq \dfrac{3}{2}$ のとき
このとき $0\in [,2h-3,\ 3-h,]$ であるから,$y=0$ がとれる。よって最短距離は
$$ \sqrt{0^2+h^2}=h
$$
である。
**(ii)**
$\dfrac{3}{2}\leqq h\leqq 2$ のとき
このとき区間 $[,2h-3,\ 3-h,]$ はすべて非負であるから,$|y|$ が最小になるのは $y=2h-3$ のときである。したがって最短距離は
$$ \sqrt{(2h-3)^2+h^2} =\sqrt{5h^2-12h+9}
$$
である。
以上より,求める距離 $d(h)$ は
$$ d(h)= \begin{cases} h & \left(0\leqq h\leqq \dfrac{3}{2}\right)\\ \sqrt{5h^2-12h+9} & \left(\dfrac{3}{2}\leqq h\leqq 2\right) \end{cases}
$$
である。
**(4)**
三角形 $ABC$ を $x$ 軸の周りに回転するとき,平面 $x=h$ による断面は,線分 $PQ$ を $x$ 軸の周りに回転してできる円環になる。
まず,外側の半径は点 $P$ の $x$ 軸からの距離である。点 $P=(h,3-h,h)$ より,
$$ R(h)^2=(3-h)^2+h^2=2h^2-6h+9
$$
一方,内側の半径は (3) で求めた最短距離 $d(h)$ である。
したがって断面積 $S(h)$ は
$$ S(h)=\pi{R(h)^2-d(h)^2}
$$
となる。
**(i)**
$0\leqq h\leqq \dfrac{3}{2}$ のとき
$$ S(h)=\pi{(2h^2-6h+9)-h^2} =\pi(h^2-6h+9)
$$
**(ii)**
$\dfrac{3}{2}\leqq h\leqq 2$ のとき
$$ S(h)=\pi{(2h^2-6h+9)-(5h^2-12h+9)} =\pi(-3h^2+6h)
$$
よって体積 $V$ は
$$ V=\int_0^{3/2}\pi(h^2-6h+9),dh+\int_{3/2}^2\pi(-3h^2+6h),dh
$$
である。
それぞれ計算すると,
$$ \begin{aligned} \int_0^{3/2}(h^2-6h+9),dh &= \left[\frac{h^3}{3}-3h^2+9h\right]_0^{3/2} \\ \frac{63}{8} \end{aligned} $$
$$ \begin{aligned} \int_{3/2}^2(-3h^2+6h),dh &= \left[-h^3+3h^2\right]_{3/2}^2 \\ \frac{5}{8} \end{aligned} $$
したがって
$$ V=\pi\left(\frac{63}{8}+\frac{5}{8}\right) =\pi\cdot \frac{68}{8} =\frac{17\pi}{2}
$$
である。
解説
この問題の要点は,三角形全体を直接回転させて考えるのではなく,まず平面 $x=h$ による断面を調べることである。
断面は常に線分 $PQ$ であり,その線分の $x$ 軸からの最短距離と最長距離が分かれば,回転後の断面積が円環の面積として処理できる。特に (3) で,区間 $[,2h-3,\ 3-h,]$ の中に $0$ が含まれるかどうかで場合分けが必要になる点が重要である。
答え
**(1)**
$$ \angle BAC=\frac{\pi}{2}
$$
**(2)**
$$ P=(h,\ 3-h,\ h),\qquad Q=(h,\ 2h-3,\ h)
$$
**(3)**
$$ d(h)= \begin{cases} h & \left(0\leqq h\leqq \dfrac{3}{2}\right)\\ \sqrt{5h^2-12h+9} & \left(\dfrac{3}{2}\leqq h\leqq 2\right) \end{cases}
$$
**(4)**
$$ \frac{17\pi}{2}
$$