基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題124 解説
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解説
方針・初手
三角形 $ADB$ は空間内の平面図形であり、$x$ 軸に垂直な平面 $x=t$ で切って断面積を求め、これを積分するのが自然である。
このとき、各断面は回転後に単なる円板ではなく円環になる場合がある。したがって、各 $t$ における $x$ 軸からの距離の最大値と最小値を求めることが要点である。
解法1
$D$ は $AC$ の中点であるから
$$ D\left(\frac12,0,\frac12\right)
$$
である。
また、$A(1,0,0),B(0,1,0),D\left(\frac12,0,\frac12\right)$ はいずれも
$$ x+y+z=1
$$
を満たすので、三角形 $ADB$ は平面 $x+y+z=1$ 上にある。
断面の形
$x=t\ (0\le t\le 1)$ で切ると、三角形 $ADB$ との共通部分は線分になる。この線分上では
$$ y+z=1-t
$$
が成り立つ。
さらに、$xz$ 平面への射影を見ると、三角形 $ADB$ は頂点 $(1,0),(0,0),\left(\frac12,\frac12\right)$ をもつ三角形になるから、固定した $t$ に対して $z$ の動く範囲は
$$ 0\le z\le \min(t,1-t)
$$
である。
したがって断面上の点は
$$ (x,y,z)=\bigl(t,1-t-z,z\bigr) \quad \left(0\le z\le \min(t,1-t)\right)
$$
と表せる。
この点の $x$ 軸からの距離を $r$ とすると
$$ r^2=y^2+z^2=(1-t-z)^2+z^2
$$
である。これを
$$ f_t(z)=(1-t-z)^2+z^2 =2z^2-2(1-t)z+(1-t)^2
$$
とおく。
よって、平面 $x=t$ における回転後の断面は、半径の最大値を外半径、最小値を内半径とする円環である。
外半径
$f_t(z)$ は $z$ の2次関数で上に凸であるから、最大値は端点でとる。
まず $z=0$ では
$$ f_t(0)=(1-t)^2
$$
である。
他方、$z=\min(t,1-t)$ では
**(i)**
$0\le t\le \frac12$ のとき
$$ f_t(t)=(1-2t)^2+t^2
$$
であり、
$$ (1-t)^2-\bigl((1-2t)^2+t^2\bigr)=2t(1-2t)\ge 0
$$
となる。
**(ii)**
$\frac12\le t\le 1$ のとき
$$ f_t(1-t)=(1-t)^2
$$
である。
したがって外半径 $R(t)$ は常に
$$ R(t)=1-t
$$
である。
内半径
$f_t(z)$ の頂点は
$$ z=\frac{1-t}{2}
$$
である。
これが区間
$$ 0\le z\le \min(t,1-t)
$$
の中に入るかどうかで場合分けする。
**(i)**
$0\le t\le \frac13$ のとき
$$ \frac{1-t}{2}>t
$$
であるから、最小値は右端 $z=t$ でとる。したがって内半径 $r(t)$ は
$$ r(t)^2=f_t(t)=(1-2t)^2+t^2=1-4t+5t^2
$$
である。
**(ii)**
$\frac13\le t\le 1$ のとき
$$ \frac{1-t}{2}\le \min(t,1-t)
$$
であるから、最小値は頂点でとる。したがって
$$ r(t)^2=f_t\left(\frac{1-t}{2}\right)=\frac{(1-t)^2}{2}
$$
である。
断面積の積分
よって、$x=t$ における断面積 $S(t)$ は
$$ S(t)=\pi\bigl(R(t)^2-r(t)^2\bigr)
$$
であるから、
**(i)**
$0\le t\le \frac13$ では
$$ S(t)=\pi\left((1-t)^2-(1-4t+5t^2)\right) =\pi(2t-4t^2)
$$
**(ii)**
$\frac13\le t\le 1$ では
$$ S(t)=\pi\left((1-t)^2-\frac{(1-t)^2}{2}\right) =\frac{\pi}{2}(1-t)^2
$$
となる。
したがって体積 $V$ は
$$ V=\int_0^{1/3}\pi(2t-4t^2),dt+\int_{1/3}^{1}\frac{\pi}{2}(1-t)^2,dt
$$
である。
第1項は
$$ \int_0^{1/3}\pi(2t-4t^2),dt =\pi\left[t^2-\frac{4}{3}t^3\right]_0^{1/3} =\pi\left(\frac19-\frac{4}{81}\right) =\frac{5\pi}{81}
$$
第2項は
$$ \int_{1/3}^{1}\frac{\pi}{2}(1-t)^2,dt =\frac{\pi}{2}\left[-\frac{(1-t)^3}{3}\right]_{1/3}^{1} =\frac{\pi}{2}\cdot\frac{8}{81} =\frac{4\pi}{81}
$$
である。
ゆえに
$$ V=\frac{5\pi}{81}+\frac{4\pi}{81} =\frac{\pi}{9}
$$
となる。
解説
この問題の要点は、回転後の断面を「円板」と決めつけないことである。三角形 $ADB$ は $x$ 軸に垂直な平面内にないため、$x=t$ で切った線分を回転すると、半径に幅をもつ円環になる。
したがって、各断面で $x$ 軸からの距離 $r$ の最大値と最小値をきちんと調べる必要がある。距離の2乗を2次関数として扱うと、場合分けの境目が $t=\frac13$ であることも自然に出てくる。
答え
体積は
$$ \frac{\pi}{9}
$$
である。