基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題125 解説
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解説
方針・初手
放物線を平方完成して頂点を求める。
体積は、$y$軸の周りの回転体であるから、$y$ を一定にした横切りの断面積を求めて積分するのが扱いやすい。とくに、$a>1$ のとき放物線の頂点が長方形 $D$ の下にはみ出すので、そこを見落とさないことが重要である。
解法1
「下に凸」であるから $a>0$ である。
まず
$$ y=ax(x-2)+1=a{(x-1)^2-1}+1=a(x-1)^2+1-a
$$
と変形できる。
したがって、放物線 $C$ の頂点は
$$ (1,1-a)
$$
である。
つぎに体積 $V$ を求める。
高さ $y$ で長方形 $D$ を水平に切る。すると、その高さで「放物線 $C$ の上側」となる部分は
$$ y \ge a(x-1)^2+1-a
$$
を満たす $x$ の範囲である。よって
$$ a(x-1)^2 \le y+a-1
$$
すなわち
$$ |x-1| \le \sqrt{\frac{y+a-1}{a}}
$$
となる。
ここで
$$ t=\sqrt{\frac{y+a-1}{a}}
$$
とおくと、その高さでの領域は
$$ 1-t \le x \le 1+t
$$
であり、これを $y$ 軸の周りに回転すると、内半径 $1-t$、外半径 $1+t$ の円環になる。
したがって断面積 $S(y)$ は
$$ \begin{aligned} S(y) &=\pi(1+t)^2-\pi(1-t)^2 \\ &=4\pi t \\ &=4\pi\sqrt{\frac{y+a-1}{a}} \end{aligned}
$$
である。
ただしこの断面が存在するのは $y+a-1 \ge 0$、すなわち
$$ y \ge 1-a
$$
のときである。長方形 $D$ では $0 \le y \le 1$ なので、積分区間の下端は
$$ y_0=\max(0,1-a)
$$
となる。
よって
$$ V=\int_{y_0}^{1}S(y),dy =4\pi\int_{y_0}^{1}\sqrt{\frac{y+a-1}{a}},dy
$$
である。
ここで $u=y+a-1$ とおくと
$$ V=\frac{4\pi}{\sqrt a}\int_{y_0+a-1}^{a}\sqrt{u},du
$$
となるから
$$ V=\frac{8\pi}{3\sqrt a}\left(a^{3/2}-\max(a-1,0)^{3/2}\right)
$$
を得る。
したがって、$V$ は場合分けして
$$ V= \begin{cases} \dfrac{8}{3}a\pi & \left(0<a\le 1\right),\\[6pt] \dfrac{8\pi}{3\sqrt a}\left(a^{3/2}-(a-1)^{3/2}\right)=\dfrac{8\pi}{3}\left(a-\dfrac{(a-1)^{3/2}}{\sqrt a}\right) & \left(a>1\right) \end{cases}
$$
となる。
最後に、$V=\dfrac{28}{9}\pi$ となるときの $a$ を求める。
**(i)**
$0<a\le 1$ のとき
$$ V=\frac{8}{3}a\pi \le \frac{8}{3}\pi < \frac{28}{9}\pi
$$
であるから、この場合は不適である。
したがって $a>1$ である。
**(ii)**
$a>1$ のとき
$$ \frac{8\pi}{3}\left(a-\frac{(a-1)^{3/2}}{\sqrt a}\right)=\frac{28}{9}\pi
$$
より
$$ a-\frac{(a-1)^{3/2}}{\sqrt a}=\frac{7}{6}
$$
となる。
ここで
$$ s=\sqrt{\frac{a-1}{a}} \qquad (0<s<1)
$$
とおくと
$$ a=\frac{1}{1-s^2}
$$
であり、また
$$ \frac{(a-1)^{3/2}}{\sqrt a}=as^3
$$
であるから
$$ a-\frac{(a-1)^{3/2}}{\sqrt a}=a(1-s^3) =\frac{1-s^3}{1-s^2} =\frac{1+s+s^2}{1+s}
$$
となる。
よって
$$ \frac{1+s+s^2}{1+s}=\frac{7}{6}
$$
すなわち
$$ 6(1+s+s^2)=7(1+s)
$$
であるから
$$ 6s^2-s-1=0
$$
となる。したがって
$$ (3s+1)(2s-1)=0
$$
であり、$s>0$ より
$$ s=\frac12
$$
である。
よって
$$ \frac{a-1}{a}=\frac14
$$
となるから
$$ 4a-4=a
$$
すなわち
$$ a=\frac43
$$
である。
解説
この問題の要点は、放物線の頂点の $y$ 座標が $1-a$ であることから、$a\le 1$ と $a>1$ で図形の形が変わる点にある。
$x$ について縦に切って円筒殻で考えると、$a>1$ のときに放物線が長方形の下にはみ出す部分の処理が煩雑になる。これに対して、$y$ について横に切ると、各断面が円環になり、断面積を一つの式で表しやすい。
答え
**(1)**
放物線 $C$ の頂点は
$$ (1,1-a)
$$
である。
**(2)**
体積 $V$ は
$$ V= \begin{cases} \dfrac{8}{3}a\pi & \left(0<a\le 1\right),\\[6pt] \dfrac{8\pi}{3\sqrt a}\left(a^{3/2}-(a-1)^{3/2}\right) & \left(a>1\right) \end{cases}
$$
である。
**(3)**
$$ a=\frac43
$$
である。