基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題128 解説
数学3の積分法「体積」にある問題128の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
$xy$平面上で線分 $P_\theta Q_\theta$ は、極座標で半径 $1$ から $2$、偏角 $\theta$ の線分である。したがって、$D$ は上半平面内の半円環
$$ 1 \le r \le 2,\quad 0 \le \theta \le \pi
$$
に一致する。
また、$K$ は偏角 $\theta$ の位置では高さが一定で $\dfrac{2}{\pi}\theta$ であるから、平面 $z=t$ で切ったときの断面を考えると処理しやすい。 さらに、半球 $B$ の同じ高さでの断面も円になるので、各高さでの共通部分の面積を積分すればよい。
解法1
まず、極座標で $K$ を表すと
$$ 1 \le r \le 2,\quad 0 \le \theta \le \pi,\quad 0 \le z \le \frac{2}{\pi}\theta
$$
である。
(1) 半球 $B$ の断面の半径
半球 $B$ は
$$ x^2+y^2+z^2 \le 4,\quad z\ge 0
$$
で表される。
これを平面 $z=t\ (0\le t<2)$ で切ると、断面は
$$ x^2+y^2+t^2 \le 4
$$
すなわち
$$ x^2+y^2 \le 4-t^2
$$
を満たす円である。よって、その半径は
$$ \sqrt{4-t^2}
$$
である。
(2) $L$ の体積
高さ $z=t$ における $K$ の断面を考える。
点 $(r,\theta)$ の高さは $\dfrac{2}{\pi}\theta$ であるから、$z=t$ で立体 $K$ に含まれるための条件は
$$ \frac{2}{\pi}\theta \ge t
$$
すなわち
$$ \theta \ge \frac{\pi t}{2}
$$
である。したがって、$z=t$ における $K$ の断面は
$$ 1 \le r \le 2,\quad \frac{\pi t}{2}\le \theta \le \pi
$$
で表される半円環の扇形である。
一方、半球 $B$ の $z=t$ における断面は、(1) より半径 $\sqrt{4-t^2}$ の円である。 したがって、共通部分 $L$ の $z=t$ における断面は、
- 外側の半径が $\sqrt{4-t^2}$、
- 内側の半径が $1$、
- 中心角が $\pi-\dfrac{\pi t}{2}=\pi\left(1-\dfrac{t}{2}\right)$
である扇形になる。
ただし、$\sqrt{4-t^2}\ge 1$ でなければ断面は存在しない。これは
$$ 4-t^2\ge 1
$$
すなわち
$$ 0\le t\le \sqrt{3}
$$
のときである。
よって、$0\le t\le \sqrt{3}$ における断面積 $S(t)$ は
$$ S(t) =\frac12\left(\pi\left(1-\frac{t}{2}\right)\right)\left((4-t^2)-1\right) =\frac{\pi}{2}\left(1-\frac{t}{2}\right)(3-t^2)
$$
であり、$\sqrt{3}<t\le 2$ では $S(t)=0$ である。
したがって体積 $V$ は
$$ V=\int_0^{\sqrt{3}} \frac{\pi}{2}\left(1-\frac{t}{2}\right)(3-t^2),dt
$$
となる。
これを計算すると
$$ \begin{aligned} V &=\frac{\pi}{2}\int_0^{\sqrt{3}}\left(3-t^2-\frac{3}{2}t+\frac12 t^3\right),dt \\ &=\frac{\pi}{2}\left[3t-\frac{t^3}{3}-\frac{3}{4}t^2+\frac18 t^4\right]_0^{\sqrt{3}} \\ &=\frac{\pi}{2}\left(3\sqrt{3}-\sqrt{3}-\frac{9}{4}+\frac{9}{8}\right) \\ &=\frac{\pi}{2}\left(2\sqrt{3}-\frac{9}{8}\right) \\ &=\pi\left(\sqrt{3}-\frac{9}{16}\right) \end{aligned}
$$
となる。
解説
この問題の要点は、立体を直接三重積分で扱うのではなく、平面 $z=t$ で切った断面を考えることである。
$K$ は偏角 $\theta$ に応じて高さが決まる立体なので、固定した高さ $t$ で見ると「$\theta \ge \dfrac{\pi t}{2}$ を満たす部分だけが残る」と読める。これにより、断面が半円環の扇形になることが分かる。
さらに半球の断面は円であるから、各高さでの共通部分の面積を求めて積分すればよい。 断面が消える高さ $\sqrt{3}$ を見落とさないことが重要である。
答え
**(1)**
半径は
$$ \sqrt{4-t^2}
$$
である。
**(2)**
$L$ の体積は
$$ \pi\left(\sqrt{3}-\frac{9}{16}\right)
$$
である。