基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題133 解説
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解説
方針・初手
2本の円柱の中心軸の交点を原点にとり,2本の軸を含む平面を $xy$ 平面とする。 一方の円柱の軸を $x$ 軸,もう一方の円柱の軸を,$x$ 軸となす角が $\alpha$ の直線とおく。
すると,共通部分は「各高さ $z$ での断面」を調べると見通しがよい。 実際,$z$ を固定すると断面は平面図形となり,その面積を $z$ について積分すれば体積が求まる。
解法1
一方の円柱を
$$ y^2+z^2\le a^2
$$
とおく。
他方の円柱の軸の方向ベクトルは $(\cos\alpha,\sin\alpha,0)$ であるから,点 $(x,y,z)$ からこの軸までの距離の2乗は
$$ (-x\sin\alpha+y\cos\alpha)^2+z^2
$$
である。したがって,他方の円柱は
$$ (-x\sin\alpha+y\cos\alpha)^2+z^2\le a^2
$$
で表される。
よって,共通部分は
$$ \begin{cases} y^2+z^2\le a^2,\\ (-x\sin\alpha+y\cos\alpha)^2+z^2\le a^2 \end{cases}
$$
を満たす点全体である。
(1) 共通部分の形状
$z$ を固定し,$|z|\le a$ とする。このとき
$$ r=\sqrt{a^2-z^2}
$$
とおけば,共通部分の断面は
$$ |y|\le r,\qquad |-x\sin\alpha+y\cos\alpha|\le r
$$
で与えられる。
これは平面 $z=\text{一定}$ における2つの帯の共通部分であり,断面はひし形になる。 しかも $r=\sqrt{a^2-z^2}$ に比例して大きさだけが変わるので,平面 $z=\text{一定}$ による断面はすべて相似なひし形であり,$|z|$ が大きくなるにつれて縮小し,$z=\pm a$ で1点に退化する。
したがって,共通部分は
「2本の軸を含む平面に平行な各断面がひし形となる,左右対称・上下対称の立体」
である。
(2) 共通部分の体積
断面積を求める。平面 $z=\text{一定}$ において
$$ u=y,\qquad v=-x\sin\alpha+y\cos\alpha
$$
とおくと,断面は
$$ |u|\le r,\qquad |v|\le r
$$
となるから,$uv$ 平面では一辺 $2r$ の正方形になる。
このときヤコビアンは
$$ \frac{\partial(u,v)}{\partial(x,y)} =
\begin{vmatrix} 0 & 1\\ -\sin\alpha & \cos\alpha \end{vmatrix} =\sin\alpha
$$
であるから,
$$ dx,dy=\frac{1}{\sin\alpha},du,dv
$$
となる。したがって断面積 $S(z)$ は
$$ \begin{aligned} S(z) &= \iint dx,dy \\ \frac{1}{\sin\alpha} \iint_{|u|\le r,\ |v|\le r}du,dv &= \frac{(2r)^2}{\sin\alpha} \\ \frac{4(a^2-z^2)}{\sin\alpha} \end{aligned} $$
である。
よって体積 $V$ は
$$ V=\int_{-a}^{a}S(z),dz =\frac{4}{\sin\alpha}\int_{-a}^{a}(a^2-z^2),dz
$$
であり,
$$ \begin{aligned} \int_{-a}^{a}(a^2-z^2),dz &= 2\int_0^a(a^2-z^2),dz \\ 2\left[a^2z-\frac{z^3}{3}\right]_0^a \\ \frac{4a^3}{3} \end{aligned} $$
だから,
$$ V=\frac{4}{\sin\alpha}\cdot \frac{4a^3}{3} =\frac{16a^3}{3\sin\alpha}
$$
となる。
(3) 体積が最小となる角 $\alpha$
(2) より
$$ V=\frac{16a^3}{3\sin\alpha}
$$
である。
$0<\alpha<\pi$ において $\sin\alpha$ の最大値は $1$ であり,そのとき $\alpha=\dfrac{\pi}{2}$ である。 したがって $V$ は $\alpha=\dfrac{\pi}{2}$ のとき最小となる。
解説
この問題の要点は,立体をそのまま扱わず,2本の軸を含む平面に平行な断面を考えることである。 各断面はひし形になり,その大きさが $\sqrt{a^2-z^2}$ によって変化するので,断面積を求めて積分すれば体積が直ちに出る。
また,体積の式が
$$ V=\frac{16a^3}{3\sin\alpha}
$$
と簡潔にまとまるので,最小条件も $\sin\alpha$ の最大を考えるだけで済む。 特に $\alpha=\dfrac{\pi}{2}$ の場合は,直交する2円柱の共通部分として有名な立体である。
答え
**(1)**
共通部分は,2本の軸を含む平面に平行な各断面がひし形となる立体である。
各断面は $|z|\le a$ において相似なひし形であり,$z=\pm a$ で1点に退化する。
**(2)**
共通部分の体積は
$$ \frac{16a^3}{3\sin\alpha}
$$
である。
**(3)**
体積が最小となるのは
$$ \alpha=\frac{\pi}{2}
$$
のときである。