基礎問題集
数学3 積分法「体積」の問題134 解説
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解説
方針・初手
この直方体は,底面が
$$ |x|+|y|\leqq 1
$$
で,高さ方向に
$$ 0\leqq z\leqq 1
$$
だけ広がった立体である。
したがって,回転体の体積は「回転軸に垂直な断面」を見ると求めやすい。
特に (3) では,平面 $x=t$ による切り口を調べるのが自然であり,そのために (2) の結果を用いる。
解法1
**(1)**
$X_1,\ X_2$ の体積
まず $X_1$ について考える。
直線 $AE$ は $z$ 軸方向の直線であり,点 $A(1,0,0)$ を通る。したがって,高さ $z=\text{一定}$ で切ると,毎回,底面の正方形 $ABCD$ を点 $A$ のまわりに回転した図形が現れる。
正方形 $ABCD$ の中で,点 $A$ から最も遠い点は $C$ であり,
$$ AC=2
$$
である。また,正方形は点 $A$ を含む連結な領域なので,1回転させると半径 $2$ の円板になる。
よって $X_1$ は,半径 $2$,高さ $1$ の円柱であるから,
$$ V_1=\pi\cdot 2^2\cdot 1=4\pi
$$
次に $X_2$ について考える。
直線 $AB$ に垂直な平面で直方体を切ると,どの位置でも辺の長さが $\sqrt2$ と $1$ の長方形が現れる。たとえば点 $A$ を通る切り口は長方形 $ADHE$ である。
この長方形を,辺 $AB$ との交点を中心として回転すると,その断面は円板になる。半径は,その交点から長方形内の最遠点までの距離であり,長方形 $ADHE$ の対角線の長さに等しいから,
$$ \sqrt{(\sqrt2)^2+1^2}=\sqrt3
$$
である。
したがって $X_2$ は,半径 $\sqrt3$,高さ $AB=\sqrt2$ の円柱である。よって,
$$ V_2=\pi\cdot (\sqrt3)^2\cdot \sqrt2=3\sqrt2\pi $$
(2) 平面 $x=t$ と線分 $EF$ の共有点
線分 $EF$ は
$$ E(1,0,1),\quad F(0,1,1)
$$
を結ぶ線分であるから,媒介変数 $s\ (0\leqq s\leqq 1)$ を用いて
$$ (x,y,z)=(1-s,\ s,\ 1)
$$
と表せる。
これが平面 $x=t$ 上にあるためには
$$ 1-s=t
$$
であればよいから,
$$ s=1-t
$$
となる。したがって共有点は
$$ (t,\ 1-t,\ 1)
$$
である。
**(3)**
$X_3$ の体積
$0\leqq t\leqq 1$ とする。
平面 $x=t$ で直方体を切ると,(2) より上側の頂点の1つは $(t,1-t,1)$ である。同様に,下側には $(t,t-1,1)$ があり,底面上には $(t,1-t,0)$,$(t,t-1,0)$ がある。
したがって,平面 $x=t$ による切り口は
$$ -(1-t)\leqq y\leqq 1-t,\qquad 0\leqq z\leqq 1
$$
で表される長方形である。
これを $x$ 軸のまわりに1回転すると,断面は円板になる。その半径は,原点 $(y,z)=(0,0)$ から長方形内の最遠点 $(1-t,1)$ までの距離だから,
$$ r(t)=\sqrt{(1-t)^2+1}
$$
である。よって断面積は
$$ \pi r(t)^2=\pi\left\{(1-t)^2+1\right\}
$$
となる。
また,立体は $yz$ 平面について対称であるから,
$$ V_3 =2\int_0^1 \pi\left\{(1-t)^2+1\right\},dt
$$
である。これを計算すると,
$$ \begin{aligned} V_3 &=2\pi\int_0^1 \left((1-t)^2+1\right),dt \\ &=2\pi\int_0^1 (2-2t+t^2),dt \\ &=2\pi\left[2t-t^2+\frac{t^3}{3}\right]_0^1 \\ &=2\pi\left(2-1+\frac13\right) \\ &=\frac{8\pi}{3} \end{aligned}
$$
解説
(1) は,回転軸に垂直な断面がすべて同じ円板になることを見抜けば,円柱として一気に求まる。
(2) は線分の媒介変数表示の基本問題であり,(3) の切り口の頂点を把握するための準備になっている。
(3) では,平面 $x=t$ での切り口が長方形になり,それを $x$ 軸のまわりに回すと円板になる。半径を正しく
$$ \sqrt{(1-t)^2+1}
$$
と置けるかが要点である。
答え
**(1)**
$$ V_1=4\pi,\qquad V_2=3\sqrt2\pi $$
**(2)**
共有点の座標は
$$ (t,\ 1-t,\ 1)
$$
である。
**(3)**
$$ V_3=\frac{8\pi}{3}
$$