基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題20 解説
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解説
方針・初手
変曲点の有無は $f''(x)$ の符号変化で判定するのが基本である。
この問題では積分の上端が $\sqrt{x}$ であるから、まず微分の基本公式を用いて $f'(x),f''(x)$ を求める。
解法1
与えられた関数は
$$ f(x)=\int_0^{\sqrt{x}} e^{t^2}t^n,dt \qquad (0<x<10)
$$
である。
積分の上端が $x$ の関数であるから、微分積分学の基本定理より
$$ f'(x)=e^{(\sqrt{x})^2}(\sqrt{x})^n\cdot \frac{d}{dx}(\sqrt{x})
$$
となる。したがって
$$ f'(x)=e^x x^{n/2}\cdot \frac{1}{2\sqrt{x}} =\frac12 e^x x^{\frac{n-1}{2}}
$$
である。
さらに微分すると
$$ f''(x)=\frac12\frac{d}{dx}\left(e^x x^{\frac{n-1}{2}}\right)
$$
であるから、積の微分法により
$$ \begin{aligned} f''(x) &=\frac12\left(e^x x^{\frac{n-1}{2}}+e^x\cdot \frac{n-1}{2}x^{\frac{n-3}{2}}\right) \\ &=\frac12 e^x x^{\frac{n-3}{2}}\left(x+\frac{n-1}{2}\right) \\ &=\frac14 e^x x^{\frac{n-3}{2}}(2x+n-1) \end{aligned}
$$
となる。
ここで $0<x<10$ では
$$ e^x>0,\qquad x^{\frac{n-3}{2}}>0
$$
であるから、$f''(x)$ の符号は $2x+n-1$ の符号だけで決まる。
変曲点が存在するためには、$2x+n-1=0$ を満たす $x$ が区間 $0<x<10$ にあり、その前後で符号が変わればよい。 $2x+n-1=0$ の解は
$$ x=\frac{1-n}{2}
$$
である。
これが $0<x<10$ を満たす条件は
$$ 0<\frac{1-n}{2}<10
$$
であるが、左側の不等式から
$$ n<1
$$
を得る。$n$ は負でない整数なので
$$ n=0
$$
しかない。
このとき
$$ x=\frac{1-0}{2}=\frac12
$$
であり、実際
$$ f''(x)=\frac14 e^x x^{-3/2}(2x-1)
$$
となるから、$x=\frac12$ の前後で $2x-1$ の符号が変わり、変曲点となる。
よって、変曲点が存在するのは $n=0$ の場合のみであり、その $x$ 座標は $\dfrac12$ である。
解説
この問題の本質は、積分そのものを計算することではなく、上端が $\sqrt{x}$ である積分を微分して $f''(x)$ の符号を調べることである。
$e^x$ や $x^{(n-3)/2}$ は $x>0$ で常に正なので、符号判定は一次式 $2x+n-1$ だけを見ればよい。したがって、変曲点の有無はその零点
$$ x=\frac{1-n}{2}
$$
が区間内に入るかどうかに帰着する。
答え
変曲点が存在するような $n$ は
$$ n=0
$$
のみである。
そのときの変曲点の $x$ 座標は
$$ x=\frac12
$$
である。