基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題35 解説
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解説
方針・初手
関数 $f(x)=4e^{-(x-3)^2}$ は $x=3$ を軸とする左右対称な山型の関数である。
まず微分して曲線の概形を調べる。面積 $S(t)$ については
$$ S(t)=\int_t^{t+1}4e^{-(x-3)^2},dx
$$
と表し、積分区間の両端が動く関数として微分する。
解法1
$f(x)=4e^{-(x-3)^2}$ とおく。
まず導関数は
$$ f'(x)=-8(x-3)e^{-(x-3)^2}
$$
である。指数部分 $e^{-(x-3)^2}$ は常に正であるから、$f'(x)$ の符号は $-(x-3)$ の符号で決まる。
したがって
$$ \begin{cases} f'(x)>0 & (x<3),\\ f'(x)=0 & (x=3),\\ f'(x)<0 & (x>3) \end{cases}
$$
となる。よって $x=3$ で極大となり、その値は
$$ f(3)=4
$$
である。極小値は存在しない。
次に変曲点を調べる。第2次導関数は
$$ f''(x)=8{2(x-3)^2-1}e^{-(x-3)^2}
$$
である。これが $0$ となるのは
$$ 2(x-3)^2-1=0
$$
より
$$ x=3\pm\frac{1}{\sqrt2}
$$
である。
また、$e^{-(x-3)^2}>0$ なので、$f''(x)$ の符号は $2(x-3)^2-1$ の符号で決まる。したがって
$$ \begin{cases} f''(x)>0 & \left(x<3-\frac{1}{\sqrt2},\ x>3+\frac{1}{\sqrt2}\right),\\ f''(x)<0 & \left(3-\frac{1}{\sqrt2}<x<3+\frac{1}{\sqrt2}\right) \end{cases}
$$
となり、$x=3\pm\frac{1}{\sqrt2}$ で凹凸が変わる。
よって変曲点は
$$ \left(3-\frac{1}{\sqrt2},4e^{-1/2}\right),\quad \left(3+\frac{1}{\sqrt2},4e^{-1/2}\right)
$$
である。
したがって、曲線は $x=3$ に関して対称で、点 $(3,4)$ で最大となり、左右に進むにつれて $x$ 軸に近づく。さらに、上に凸から下に凸へ、また下に凸から上に凸へ変わる点が上の2点である。
次に $S(t)$ を調べる。
$$ S(t)=\int_t^{t+1}4e^{-(x-3)^2},dx
$$
であるから、積分区間の端点に注意して微分すると
$$ S'(t)=f(t+1)-f(t)
$$
である。
ここで
$$ f(t+1)=4e^{-(t-2)^2},\quad f(t)=4e^{-(t-3)^2}
$$
だから、
$$ S'(t)=0
$$
は
$$ 4e^{-(t-2)^2}=4e^{-(t-3)^2}
$$
すなわち
$$ (t-2)^2=(t-3)^2
$$
と同値である。これを解くと
$$ t=\frac52
$$
である。
さらに、$S'(t)$ の符号を調べる。
$$ S'(t)>0
$$
は
$$ e^{-(t-2)^2}>e^{-(t-3)^2}
$$
と同値であり、指数関数の単調性より
$$ (t-2)^2<(t-3)^2
$$
と同値である。これを整理すると
$$ t<\frac52
$$
となる。
したがって
$$ \begin{cases} S'(t)>0 & \left(t<\frac52\right),\\ S'(t)=0 & \left(t=\frac52\right),\\ S'(t)<0 & \left(t>\frac52\right) \end{cases}
$$
である。よって $S(t)$ は $t=\frac52$ で最大となる。
このとき
$$ S_0=S\left(\frac52\right)=\int_{5/2}^{7/2}4e^{-(x-3)^2},dx
$$
である。
まず、すべての $x$ に対して
$$ 0<e^{-(x-3)^2}\leqq 1
$$
であり、等号は $x=3$ のときだけ成り立つ。したがって
$$ 4e^{-(x-3)^2}\leqq 4
$$
である。区間の長さは $1$ であり、$f(x)=4$ となるのは一点だけなので、
$$ S_0<\int_{5/2}^{7/2}4,dx=4
$$
である。
次に下から評価する。$5/2\leqq x\leqq 7/2$ では
$$ -\frac12\leqq x-3\leqq \frac12
$$
であるから、
$$ (x-3)^2\leqq \frac14
$$
である。よって
$$ e^{-(x-3)^2}\geqq e^{-1/4}
$$
となる。したがって
$$ S_0>\int_{5/2}^{7/2}4e^{-1/4},dx=4e^{-1/4}
$$
である。
ここで、指数関数の基本不等式 $e^u>1+u\ (u\ne 0)$ に $u=-\frac14$ を代入すると
$$ e^{-1/4}>1-\frac14=\frac34
$$
である。したがって
$$ 4e^{-1/4}>3
$$
となる。
以上より
$$ 3<S_0<4
$$
が示された。
解説
この問題の中心は、$f(x)$ が $x=3$ を中心に左右対称な山型の関数であることに気づく点である。
$S(t)$ は幅 $1$ の縦長の帯で曲線下の面積を切り取る量である。山の頂点 $x=3$ を中心にして区間を置くと面積が最大になるので、直感的には区間 $[t,t+1]$ の中心が $3$ になる場合、すなわち $t=\frac52$ が最大である。
ただし、解答では直感だけでなく
$$ S'(t)=f(t+1)-f(t)
$$
を用いて、増減を正確に調べるのが安全である。
また、$S_0$ の評価では、積分を正確に計算する必要はない。最大値 $4$ と区間の長さ $1$ から上限を出し、区間内での最小値 $4e^{-1/4}$ から下限を出すのが要点である。
答え
**(1)**
極大点は
$$ (3,4)
$$
であり、極小点は存在しない。
変曲点は
$$ \left(3-\frac{1}{\sqrt2},4e^{-1/2}\right),\quad \left(3+\frac{1}{\sqrt2},4e^{-1/2}\right)
$$
である。
**(2)**
$S(t)$ を最大にするのは
$$ t=\frac52
$$
である。したがって、対応する2直線は
$$ x=\frac52,\quad x=\frac72
$$
である。
**(3)**
最大値 $S_0$ は
$$ 3<S_0<4
$$
を満たす。