基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題38 解説
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解説
方針・初手
積分の中の $x$ に関する部分を外へ出すと、右辺は
$$ 1+x e^x \int_0^1 t e^t f(t),dt
$$
の形になる。したがって
$$ \int_0^1 t e^t f(t),dt
$$
を定数 $C$ とおけば、$f(x)$ は $1+Cxe^x$ の形に限られる。まず (1) で必要な定積分を求め、そのあと $C$ を決定する。
解法1
(1) まず
$$ I=\int_0^1 t e^t,dt
$$
を求める。部分積分を用いると、
$$ \int t e^t,dt=t e^t-\int e^t,dt=(t-1)e^t
$$
であるから、
$$ I=\left[(t-1)e^t\right]_0^1=0-(-1)=1
$$
となる。
次に
$$ J=\int_0^1 t^2 e^{2t},dt
$$
を求める。これも部分積分を用いると、
$$ \int t^2 e^{2t},dt=\frac12 t^2 e^{2t}-\int t e^{2t},dt
$$
であり、さらに
$$ \int t e^{2t},dt=\frac12 t e^{2t}-\frac14 e^{2t}
$$
だから、
$$ \int t^2 e^{2t},dt=\frac12 t^2 e^{2t}-\frac12 t e^{2t}+\frac14 e^{2t}
$$
となる。よって
$$ J=\left[\left(\frac12 t^2-\frac12 t+\frac14\right)e^{2t}\right]_0^1 =\frac14 e^2-\frac14 =\frac{e^2-1}{4}
$$
である。
したがって、
$$ \int_0^1 t e^t,dt=1,\qquad \int_0^1 t^2 e^{2t},dt=\frac{e^2-1}{4}
$$
である。
**(2)**
$$ C=\int_0^1 t e^t f(t),dt
$$
とおく。与えられた式
$$ f(x)=1+\int_0^1 x t e^{x+t} f(t),dt
$$
は、
$$ f(x)=1+x e^x \int_0^1 t e^t f(t),dt =1+Cxe^x
$$
となる。
この式を $C$ の定義に代入すると、
$$ C=\int_0^1 t e^t(1+Cte^t),dt
$$
すなわち
$$ C=\int_0^1 t e^t,dt +C\int_0^1 t^2 e^{2t},dt
$$
である。(1) の結果を用いれば、
$$ C=1+\frac{e^2-1}{4}C
$$
となるから、
$$ \left(1-\frac{e^2-1}{4}\right)C=1
$$
$$ \frac{5-e^2}{4}C=1
$$
$$ C=\frac{4}{5-e^2}=-\frac{4}{e^2-5}
$$
を得る。したがって
$$ f(x)=1-\frac{4xe^x}{e^2-5}
$$
である。
(3) まず導関数を求める。
$$ f'(x)=-\frac{4}{e^2-5}(x+1)e^x
$$
ここで $e>2.7$ より $e^2-5>0$ であり、また $e^x>0$ である。したがって $f'(x)$ の符号は $-(x+1)$ の符号で決まる。
よって
- $x<-1$ で $f'(x)>0$
- $x>-1$ で $f'(x)<0$
となるから、$f(x)$ は $(-\infty,-1)$ で増加し、$(-1,\infty)$ で減少する。したがって $x=-1$ で極大値をとる。
その値は
$$ f(-1)=1-\frac{4(-1)e^{-1}}{e^2-5} =1+\frac{4}{e(e^2-5)}
$$
である。
次に第2導関数は
$$ f''(x)=-\frac{4}{e^2-5}(x+2)e^x
$$
であるから、
- $x<-2$ で $f''(x)>0$
- $x>-2$ で $f''(x)<0$
となる。よって曲線 $y=f(x)$ は $(-\infty,-2)$ で下に凸、$(-2,\infty)$ で上に凸であり、$x=-2$ で変曲点をもつ。
変曲点は
$$ \begin{aligned} \left(-2,\ 1-\frac{4(-2)e^{-2}}{e^2-5}\right) &= \left(-2,\ 1+\frac{8}{e^2(e^2-5)}\right) \end{aligned} $$
である。
さらに概形をつかむために極限を見る。$x\to -\infty$ のとき、$u=-x\to\infty$ とおけば
$$ xe^x=-u e^{-u}\to 0
$$
であるから、
$$ \lim_{x\to -\infty}f(x)=1
$$
となる。また $x\to\infty$ のときは $xe^x\to\infty$ であるから、
$$ \lim_{x\to\infty}f(x)=-\infty
$$
である。さらに $f(0)=1$ であり、$(-1,\infty)$ で単調減少するので、$x$ 軸とはただ1回交わる。
以上より、曲線は左方で $y=1$ に近づき、$x=-2$ で変曲し、$x=-1$ で極大をとったのち単調に減少して $x$ 軸を1回横切り、右下へ向かう。
解説
この問題の本質は、積分方程式の右辺が
$$ 1+x e^x \times \text{(定数)}
$$
という形に整理できることである。したがって未知関数全体を直接追うのではなく、
$$ \int_0^1 t e^t f(t),dt
$$
を1つの定数として扱うのが最も自然である。
また、(1) の定積分は (2) の定数決定にそのまま使われる。したがって設問どうしが連動していることに気づけるかが重要である。(3) は求めた明示式を微分するだけで処理できるので、まず (2) まで確実に到達することが先決である。
答え
**(1)**
$$ \int_0^1 t e^t,dt=1,\qquad \int_0^1 t^2 e^{2t},dt=\frac{e^2-1}{4}
$$
**(2)**
$$ f(x)=1-\frac{4xe^x}{e^2-5}
$$
**(3)**
増加区間は $(-\infty,-1)$
減少区間は $(-1,\infty)$
極大は $x=-1$ で生じ、極大値は
$$ 1+\frac{4}{e(e^2-5)}
$$
$(-\infty,-2)$ で下に凸、$(-2,\infty)$ で上に凸
変曲点は
$$ \left(-2,\ 1+\frac{8}{e^2(e^2-5)}\right)
$$
概形は、$x\to -\infty$ で $y=1$ に近づき、$x=-2$ で変曲、$x=-1$ で極大をとったのち単調減少し、$x$ 軸を1回横切って $x\to\infty$ で $-\infty$ に向かう。