基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題73 解説
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解説
方針・初手
与えられた式の右辺に現れる積分
$$ \int_1^e f(t)\log t,dt
$$
は、積分変数が $t$ であり上端・下端も定数なので、$x$ によらない定数である。したがって、まずこれを
$$ I=\int_1^e f(t)\log t,dt
$$
とおいて $f(x)=x^2\log x-I$ と表す。あとはこの式を再び $I$ の定義に代入して $I$ を決定すればよい。
解法1
$$ I=\int_1^e f(t)\log t,dt
$$
とおくと、条件より
$$ f(x)=x^2\log x-I
$$
である。
これを $I$ の式に代入すると、
$$ \begin{aligned} I &=\int_1^e (t^2\log t-I)\log t,dt \\ &=\int_1^e t^2(\log t)^2,dt-I\int_1^e \log t,dt \end{aligned}
$$
となる。
まず
$$ \int_1^e \log t,dt=[t\log t-t]_1^e=1
$$
である。
次に
$$ \int_1^e t^2(\log t)^2,dt
$$
を求める。ここで $u=\log t$ とおくと、$t=e^u,\ dt=e^u,du$ であり、$t=1$ のとき $u=0$、$t=e$ のとき $u=1$ だから、
$$ \int_1^e t^2(\log t)^2,dt =\int_0^1 u^2e^{3u},du
$$
となる。
これを積分すると、
$$ \int u^2e^{3u},du =e^{3u}\left(\frac{u^2}{3}-\frac{2u}{9}+\frac{2}{27}\right)+C
$$
より、
$$ \begin{aligned} \int_0^1 u^2e^{3u},du &=\left[e^{3u}\left(\frac{u^2}{3}-\frac{2u}{9}+\frac{2}{27}\right)\right]_0^1 \\ &=e^3\left(\frac13-\frac29+\frac{2}{27}\right)-\frac{2}{27} \\ &=\frac{5e^3-2}{27} \end{aligned}
$$
である。
したがって、
$$ I=\frac{5e^3-2}{27}-I
$$
となるから、
$$ 2I=\frac{5e^3-2}{27}
$$
すなわち
$$ I=\frac{5e^3-2}{54}
$$
を得る。
よって
$$ f(x)=x^2\log x-\frac{5e^3-2}{54}
$$
である。これで (1) が求まった。
---
次に (2) を考える。
$$ f(x)=x^2\log x-\frac{5e^3-2}{54}
$$
より、
$$ f'(x)=2x\log x+x=x(2\log x+1)
$$
である。$x>0$ だから、$f'(x)=0$ は
$$ 2\log x+1=0
$$
すなわち
$$ \log x=-\frac12
$$
より
$$ x=e^{-1/2}=\frac{1}{\sqrt e}
$$
である。
さらに
$$ f''(x)=2\log x+3
$$
なので、$x=e^{-1/2}$ では
$$ f''!\left(e^{-1/2}\right)=2\left(-\frac12\right)+3=2>0
$$
となる。したがって、$x=\dfrac1{\sqrt e}$ で極小値をとる。極値を与える $x$ の値は
$$ x=\frac1{\sqrt e}
$$
である。
---
最後に (3) を考える。
変曲点は $f''(x)=0$ となり、かつ符号が変化する点である。
$$ f''(x)=2\log x+3
$$
より、
$$ 2\log x+3=0
$$
すなわち
$$ \log x=-\frac32
$$
だから、
$$ x=e^{-3/2}
$$
である。
実際、$2\log x+3$ は $x=e^{-3/2}$ を境に負から正へ変化するので、ここは変曲点である。したがって、変曲点の $x$ 座標は
$$ x=e^{-3/2}
$$
である。
解説
この問題の本質は、積分項が $x$ に依存しない定数であることを見抜く点にある。そこに気づけば、関数方程式が実質的に
$$ f(x)=x^2\log x-\text{定数}
$$
という形になり、残りは定数の決定だけになる。
また、極値や変曲点は定数項の影響を受けない。したがって (2)、(3) は $x^2\log x$ の微分を考えるだけで処理できる。関数方程式で $f(x)$ を求めた後は、通常の微分法の問題に戻る。
答え
**(1)**
$$ f(x)=x^2\log x-\frac{5e^3-2}{54}
$$
**(2)**
極値を与える $x$ の値は
$$ x=\frac1{\sqrt e}
$$
である。
**(3)**
変曲点の $x$ 座標は
$$ x=e^{-3/2}
$$
である。