基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題78 解説
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解説
方針・初手
$(1-x^2)^n$ をそのまま積分するより、$I_n$ と $I_{n-1}$ の関係を作るのが基本方針である。
そのために
$$ I_n=\int_0^1 (1-x^2)^n,dx
$$
を
$$ I_n=\int_0^1 (1-x^2)^{n-1}(1-x^2),dx
$$
と見て、$x^2(1-x^2)^{n-1}$ を含む積分を処理する。そこでは $x(1-x^2)^n$ を微分すると $I_n$ と結びつくので、それを利用する。
解法1
まず $I_0,\ I_1$ を求める。
$$ I_0=\int_0^1 1,dx=1
$$
また、
$$ I_1=\int_0^1 (1-x^2),dx =\left[x-\frac{x^3}{3}\right]_0^1 =1-\frac13 =\frac23
$$
次に、$n\geqq 1$ のときの漸化式を求める。
$$ I_n=\int_0^1 (1-x^2)^n,dx =\int_0^1 (1-x^2)^{n-1}(1-x^2),dx
$$
より、
$$ I_n =\int_0^1 (1-x^2)^{n-1},dx-\int_0^1 x^2(1-x^2)^{n-1},dx =I_{n-1}-\int_0^1 x^2(1-x^2)^{n-1},dx
$$
ここで
$$ \frac{d}{dx}\bigl(x(1-x^2)^n\bigr) =(1-x^2)^n-2n x^2(1-x^2)^{n-1}
$$
であるから、$0$ から $1$ まで積分すると
$$ \left[x(1-x^2)^n\right]_0^1 =\int_0^1 (1-x^2)^n,dx-2n\int_0^1 x^2(1-x^2)^{n-1},dx
$$
左辺は $0$ なので、
$$ 0=I_n-2n\int_0^1 x^2(1-x^2)^{n-1},dx
$$
したがって、
$$ \int_0^1 x^2(1-x^2)^{n-1},dx=\frac{I_n}{2n}
$$
これを先ほどの式に代入すると、
$$ I_n=I_{n-1}-\frac{I_n}{2n}
$$
よって
$$ \left(1+\frac{1}{2n}\right)I_n=I_{n-1}
$$
すなわち
$$ (2n+1)I_n=2n,I_{n-1}
$$
したがって、
$$ I_n=\frac{2n}{2n+1}I_{n-1}\qquad (n\geqq 1)
$$
これを用いて $I_3,\ I_4$ を求める。
まず
$$ I_2=\frac{4}{5}I_1=\frac45\cdot\frac23=\frac{8}{15}
$$
よって
$$ I_3=\frac{6}{7}I_2=\frac67\cdot\frac{8}{15}=\frac{16}{35}
$$
さらに
$$ I_4=\frac{8}{9}I_3=\frac89\cdot\frac{16}{35}=\frac{128}{315}
$$
最後に一般項を求める。
漸化式
$$ I_n=\frac{2n}{2n+1}I_{n-1}
$$
を $I_0=1$ から順に用いると、
$$ I_n =\frac{2n}{2n+1}\cdot \frac{2n-2}{2n-1}\cdots \frac{2}{3}I_0
$$
したがって
$$ I_n=\frac{2\cdot4\cdot6\cdots 2n}{3\cdot5\cdot7\cdots(2n+1)}
$$
である。$I_0=1$ を含めて書けば、
$$ I_n=\frac{(2n)!!}{(2n+1)!!}
$$
となる。
また、階乗で表せば
$$ (2n)!!=2^n n!,\qquad (2n+1)!!=\frac{(2n+1)!}{2^n n!}
$$
より、
$$ I_n=\frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n+1)!}
$$
とも表せる。
解説
この問題の要点は、直接積分することではなく、$I_n$ と $I_{n-1}$ の関係式を作ることである。
そのために
$$ \frac{d}{dx}\bigl(x(1-x^2)^n\bigr)
$$
を考えると、$(1-x^2)^n$ と $x^2(1-x^2)^{n-1}$ が同時に現れ、漸化式が自然に得られる。この形に気づけるかどうかが中心である。
一般項は、得られた漸化式を繰り返し用いて積の形に直し、必要なら二重階乗や通常の階乗に書き換えればよい。
答え
**(1)**
$$ I_0=1,\qquad I_1=\frac23
$$
**(2)**
$$ I_n=\frac{2n}{2n+1}I_{n-1}\qquad (n\geqq 1)
$$
**(3)**
$$ I_3=\frac{16}{35},\qquad I_4=\frac{128}{315}
$$
**(4)**
$$ I_n=\frac{(2n)!!}{(2n+1)!!}
$$
すなわち
$$ I_n=\frac{2^{2n}(n!)^2}{(2n+1)!}
$$
でもある。