基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題103 解説
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解説
方針・初手
まず微分して増減を調べるのが自然である。
$$ F'(x)=(x-a)\sin x
$$
であるから、$0\le x\le \dfrac{3\pi}{2}$ における $\sin x$ の符号と、$x-a$ の符号を組み合わせれば $F(x)$ の増減が分かる。 そのうえで、極値をとりうる点 $x=0,\ a,\ \pi,\ \dfrac{3\pi}{2}$ における値を比較する。
解法1
まず $F(x)$ を計算しておく。
$$ \begin{aligned} F(x) &=\int_0^x (t-a)\sin t,dt \\ &=\left[-t\cos t+\sin t+a\cos t\right]_0^x \\ &=(a-x)\cos x+\sin x-a \end{aligned}
$$
したがって
$$ F'(x)=(x-a)\sin x
$$
である。
ここで $0<a<\dfrac{\pi}{2}$ であるから、区間ごとに符号を調べると
- $0\le x<a$ では $x-a<0,\ \sin x\ge 0$ より $F'(x)<0$
- $a<x<\pi$ では $x-a>0,\ \sin x>0$ より $F'(x)>0$
- $\pi<x\le \dfrac{3\pi}{2}$ では $x-a>0,\ \sin x<0$ より $F'(x)<0$
となる。
よって $F(x)$ は
- $[0,a]$ で減少
- $[a,\pi]$ で増加
- $[\pi,\dfrac{3\pi}{2}]$ で減少
する。
したがって、最大値候補は $x=\pi$、最小値候補は $x=a,\ \dfrac{3\pi}{2}$ である。 それぞれの値を求めると
$$ F(0)=0
$$
$$ F(a)=\sin a-a
$$
$$ F(\pi)=(a-\pi)\cos\pi+\sin\pi-a=\pi-2a
$$
$$ F\left(\dfrac{3\pi}{2}\right)=\left(a-\dfrac{3\pi}{2}\right)\cos\dfrac{3\pi}{2}+\sin\dfrac{3\pi}{2}-a=-1-a
$$
である。
まず最大値について、$0<a<\dfrac{\pi}{2}$ より
$$ \pi-2a>0=F(0)
$$
であるから、最大値は
$$ \pi-2a
$$
である。
次に最小値については
$$ F(a)-F\left(\dfrac{3\pi}{2}\right) =(\sin a-a)-(-1-a) =\sin a+1>0
$$
より
$$ F\left(\dfrac{3\pi}{2}\right)<F(a)
$$
である。よって最小値は
$$ -1-a
$$
である。
次に、最大値と最小値の積を
$$ P(a)=(\pi-2a)(-1-a)
$$
とおくと
$$ \begin{aligned} P(a) &=-(\pi-2a)(1+a) \\ &=2a^2-(\pi-2)a-\pi \end{aligned}
$$
となる。
これは $a$ の2次関数で、上に凸であるから、最小値は頂点でとる。 微分すると
$$ P'(a)=4a-(\pi-2)
$$
であるから
$$ P'(a)=0 \iff a=\dfrac{\pi-2}{4}
$$
となる。さらに
$$ P''(a)=4>0
$$
であるから、このとき $P(a)$ は最小となる。
解説
この問題の本質は、積分そのものよりも
$$ F'(x)=(x-a)\sin x
$$
の符号を見ることである。
$0<a<\dfrac{\pi}{2}$ という条件により、$x=a$ が $\sin x$ の正の区間 $(0,\pi)$ の中に入る。そのため、
- $x=a$ で減少から増加に変わる
- $x=\pi$ で増加から減少に変わる
という増減が明確になる。
ただし、最小値は局所最小の $x=a$ とは限らず、区間の右端 $x=\dfrac{3\pi}{2}$ と比較する必要がある。ここを省くと誤る。
答え
**(1)**
最大値は
$$ \pi-2a
$$
最小値は
$$ -1-a
$$
である。
**(2)**
**(1)**
の最大値と最小値の積を最小にする $a$ は
$$ a=\dfrac{\pi-2}{4}
$$
である。