基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題120 解説
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解説
方針・初手
核となるのは
$$ e^{x+t}=e^x e^t
$$
と分離できることである。
このため、積分方程式の右辺は $x$ に関して常に $e^x$ の定数倍となる。そこで
$$ A=\int_0^1 e^t f(t),dt,\qquad B=\int_0^1 e^t g(t),dt
$$
のようにおくと、与えられた式はそれぞれ $f(x)=Ae^x$ $g(x)=Be^x+x$ の形に落ちる。あとは $A,B$ に関する方程式を作って決定すればよい。
解法1
**(1)**
与式
$$ f(x)=\int_0^1 e^{x+t}f(t),dt
$$
において、$e^x$ は積分変数 $t$ に依らないので外に出せる。よって
$$ f(x)=e^x\int_0^1 e^t f(t),dt
$$
となる。
ここで
$$ A=\int_0^1 e^t f(t),dt
$$
とおけば、
$$ f(x)=Ae^x
$$
である。
この式を $A$ の定義に代入すると
$$ A=\int_0^1 e^t f(t),dt =\int_0^1 e^t \cdot Ae^t,dt =A\int_0^1 e^{2t},dt
$$
となる。さらに
$$ \int_0^1 e^{2t},dt=\left[\frac12 e^{2t}\right]_0^1=\frac{e^2-1}{2}
$$
より、
$$ A=A\cdot \frac{e^2-1}{2}
$$
すなわち
$$ \left(1-\frac{e^2-1}{2}\right)A=0
$$
である。整理して
$$ \frac{3-e^2}{2}A=0
$$
を得る。$e^2\neq 3$ であるから
$$ A=0
$$
である。したがって
$$ f(x)=Ae^x=0
$$
となり、条件を満たす $f(x)$ は定数関数 $f(x)=0$ のみである。
**(2)**
与式
$$ g(x)=\int_0^1 e^{x+t}g(t),dt+x
$$
に対して、同様に
$$ g(x)=e^x\int_0^1 e^t g(t),dt+x
$$
となる。ここで
$$ B=\int_0^1 e^t g(t),dt
$$
とおけば、
$$ g(x)=Be^x+x
$$
である。
これを $B$ の定義に代入すると
$$ B=\int_0^1 e^t g(t),dt =\int_0^1 e^t(Be^x+x)\Big|_{x=t},dt =\int_0^1 e^t(Be^t+t),dt
$$
より
$$ B=B\int_0^1 e^{2t},dt+\int_0^1 te^t,dt
$$
を得る。
すでに
$$ \int_0^1 e^{2t},dt=\frac{e^2-1}{2}
$$
である。また、部分積分により
$$ \int_0^1 te^t,dt =\left[(t-1)e^t\right]_0^1 =0-(-1)=1
$$
であるから、
$$ B=B\cdot \frac{e^2-1}{2}+1
$$
となる。したがって
$$ \left(1-\frac{e^2-1}{2}\right)B=1
$$
すなわち
$$ \frac{3-e^2}{2}B=1
$$
である。よって
$$ B=\frac{2}{3-e^2}
$$
となる。
以上より
$$ g(x)=\frac{2}{3-e^2}e^x+x
$$
を得る。
解説
この問題の本質は、積分核 $e^{x+t}$ が $e^x e^t$ と分離できることである。すると右辺は「$x$ に依る部分」と「$t$ に関する積分で決まる定数部分」に分かれ、未知関数は実質的に $e^x$ の係数を1つ決める問題になる。
(1) は同次型であり、その係数が結局 $0$ にしかならないことを示す問題である。
(2) は非同次型で、$+x$ が付くだけで考え方は同じである。まず $g(x)=Be^x+x$ と形を決め、その後で $B$ を積分から定めればよい。
答え
**(1)**
条件を満たす $f(x)$ は
$$ f(x)=0
$$
のみである。
**(2)**
求める $g(x)$ は
$$ g(x)=x+\frac{2e^x}{3-e^2}
$$
である。