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数学3 積分法「定積分・面積」の問題122 解説

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数学3積分法定積分・面積問題122
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数学3 積分法 定積分・面積 問題122の問題画像
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解説

方針・初手

与えられた積分の被積分関数は $(x-t)e^t$ や $(x-t)^n e^t$ であり、$e^t$ を含むので部分積分が有効である。

(1) では実際に積分を計算して等式を変形する。

(2) では (1) を出発点として、余りの積分項を部分積分して $n$ から $n+1$ へ進めることで数学的帰納法を行う。

(3) では (2) の等式の最後に現れる積分項が $x>0$ のとき正になることを用いる。

解法1

**(1)**

まず

$$ I=\int_0^x (x-t)e^t,dt

$$

とおく。これを部分積分する。$u=x-t,\ dv=e^t,dt$ とすると、

$$ du=-dt,\quad v=e^t

$$

であるから、

$$ \begin{aligned} I &=\left[(x-t)e^t\right]_0^x-\int_0^x(-1)e^t,dt \\ &=\left[(x-t)e^t\right]_0^x+\int_0^x e^t,dt \\ &=(0\cdot e^x-x)+\left[e^t\right]_0^x \\ &=-x+(e^x-1) \\ &=e^x-1-x \end{aligned}

$$

したがって、

$$ e^x=1+x+\int_0^x (x-t)e^t,dt

$$

が成り立つ。

**(2)**

すべての自然数 $n$ について

$$ e^x=1+\sum_{p=1}^{n}\frac{1}{p!}x^p+\frac{1}{n!}\int_0^x (x-t)^n e^t,dt

$$

が成り立つことを数学的帰納法で示す。

まず $n=1$ のとき、これは (1) で示した

$$ e^x=1+x+\int_0^x (x-t)e^t,dt

$$

そのものである。よって基底は成り立つ。

次に、ある自然数 $n=k$ で

$$ e^x=1+\sum_{p=1}^{k}\frac{1}{p!}x^p+\frac{1}{k!}\int_0^x (x-t)^k e^t,dt

$$

が成り立つと仮定する。

ここで

$$ J=\int_0^x (x-t)^{k+1}e^t,dt

$$

とおく。これを部分積分する。$u=(x-t)^{k+1},\ dv=e^t,dt$ とすると、

$$ du=-(k+1)(x-t)^k,dt,\quad v=e^t

$$

であるから、

$$ \begin{aligned} J &=\left[(x-t)^{k+1}e^t\right]_0^x-\int_0^x\left(-(k+1)(x-t)^k\right)e^t,dt \\ &=\left[(x-t)^{k+1}e^t\right]_0^x+(k+1)\int_0^x (x-t)^k e^t,dt \\ &=(0-x^{k+1})+(k+1)\int_0^x (x-t)^k e^t,dt \end{aligned}

$$

よって

$$ (k+1)\int_0^x (x-t)^k e^t,dt=x^{k+1}+J

$$

すなわち

$$ \begin{aligned} \frac{1}{k!}\int_0^x (x-t)^k e^t,dt &= \frac{1}{(k+1)!}x^{k+1} +\frac{1}{(k+1)!}\int_0^x (x-t)^{k+1}e^t,dt \end{aligned} $$

となる。

これを帰納法の仮定に代入すると、

$$ \begin{aligned} e^x &=1+\sum_{p=1}^{k}\frac{1}{p!}x^p +\frac{1}{(k+1)!}x^{k+1} +\frac{1}{(k+1)!}\int_0^x (x-t)^{k+1}e^t,dt \\ &=1+\sum_{p=1}^{k+1}\frac{1}{p!}x^p +\frac{1}{(k+1)!}\int_0^x (x-t)^{k+1}e^t,dt \end{aligned}

$$

を得る。したがって $n=k+1$ でも成り立つ。

以上より、すべての自然数 $n$ について

$$ e^x=1+\sum_{p=1}^{n}\frac{1}{p!}x^p+\frac{1}{n!}\int_0^x (x-t)^n e^t,dt

$$

が成り立つ。

**(3)**

(2) で得た等式より、

$$ e^x=1+\sum_{p=1}^{n}\frac{1}{p!}x^p+\frac{1}{n!}\int_0^x (x-t)^n e^t,dt

$$

である。

ここで $x>0$ とすると、$0\le t<x$ に対して

$$ (x-t)^n>0,\quad e^t>0

$$

であるから、

$$ (x-t)^n e^t>0

$$

が成り立つ。したがって

$$ \int_0^x (x-t)^n e^t,dt>0

$$

である。さらに $n!>0$ なので、

$$ \frac{1}{n!}\int_0^x (x-t)^n e^t,dt>0

$$

となる。

ゆえに上の等式から

$$ e^x>1+\sum_{p=1}^{n}\frac{1}{p!}x^p

$$

が従う。

解説

この問題の要点は、$e^x$ を多項式部分と積分による余りに分けることである。

(1) はその最初の形であり、(2) では余りの積分項を部分積分して次数を1つ上げることで一般形を得ている。これは $e^x$ のテイラー展開の余りの積分表示に対応している。

(3) では、余りの積分項が $x>0$ で正になることから、有限和が常に $e^x$ より小さいことが分かる。計算そのものよりも、余りの符号を見る視点が重要である。

答え

**(1)**

$$ \int_0^x (x-t)e^t,dt=e^x-1-x

$$

より、

$$ e^x=1+x+\int_0^x (x-t)e^t,dt

$$

が成り立つ。

**(2)**

すべての自然数 $n$ について、

$$ e^x=1+\sum_{p=1}^{n}\frac{1}{p!}x^p+\frac{1}{n!}\int_0^x (x-t)^n e^t,dt

$$

が数学的帰納法により成り立つ。

**(3)**

$x>0$ のとき、

$$ \int_0^x (x-t)^n e^t,dt>0

$$

であるから、すべての自然数 $n$ について

$$ e^x>1+\sum_{p=1}^{n}\frac{1}{p!}x^p

$$

が成り立つ。

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