基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題127 解説
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解説
方針・初手
$\sin(x-t)$ の形をそのまま扱うより、$u=x-t$ とおいて $x$ と積分変数を分離するのが自然である。
すると左辺は $(x-u)^2\sin u$ の積分になり、展開して基本的な積分に帰着できる。
解法1
左辺を
$$ I(x)=\int_0^x t^2\sin(x-t),dt
$$
とおく。
ここで $u=x-t$ とおくと、$t=x-u$ $dt=-du$ であり、$t=0$ のとき $u=x$ $t=x$ のとき $u=0$ であるから、
$$ I(x)=\int_x^0 (x-u)^2\sin u\,(-du)=\int_0^x (x-u)^2\sin u\,du $$
となる。したがって
$$ I(x)=x^2\int_0^x \sin u,du-2x\int_0^x u\sin u,du+\int_0^x u^2\sin u,du
$$
である。
各積分を順に求める。
まず
$$ \int_0^x \sin u,du=1-\cos x
$$
である。
次に部分積分より
$$ \int_0^x u\sin u,du =\left[-u\cos u+\sin u\right]_0^x =-x\cos x+\sin x
$$
である。
さらにもう一度部分積分を用いると、
$$ \begin{aligned} \int_0^x u^2\sin u,du &=\left[-u^2\cos u\right]_0^x+2\int_0^x u\cos u,du \\ &=-x^2\cos x+2\left[u\sin u+\cos u\right]_0^x \\ &=-x^2\cos x+2x\sin x+2\cos x-2 \end{aligned}
$$
となる。
以上をまとめると、
$$ \begin{aligned} I(x) &=x^2(1-\cos x)-2x(-x\cos x+\sin x) \\ &\qquad +\left(-x^2\cos x+2x\sin x+2\cos x-2\right) \\ &=x^2+2\cos x-2 \end{aligned}
$$
を得る。
よって与えられた等式
$$ \int_0^x t^2\sin(x-t),dt=x^2
$$
は
$$ x^2+2\cos x-2=x^2
$$
すなわち
$$ \cos x=1
$$
に同値である。
したがって
$$ x=2n\pi \quad (n\in\mathbb{Z})
$$
である。
解法2
別法として、左辺を
$$ I(x)=\int_0^x t^2\sin(x-t),dt
$$
とおき、$x$ で微分して求めてもよい。
Leibniz の公式より
$$ I'(x)=\int_0^x t^2\cos(x-t),dt
$$
であり、さらに微分すると
$$ I''(x)=x^2-\int_0^x t^2\sin(x-t),dt=x^2-I(x)
$$
となる。したがって $I(x)$ は
$$ I''(x)+I(x)=x^2
$$
を満たす。
また
$$ I(0)=0,\qquad I'(0)=0
$$
である。
この微分方程式の一般解は
$$ I(x)=x^2-2+C_1\sin x+C_2\cos x
$$
であり、初期条件から
$$ C_2=2,\qquad C_1=0
$$
となる。ゆえに
$$ I(x)=x^2+2\cos x-2
$$
である。
あとは解法1と同様に
$$ x^2+2\cos x-2=x^2
$$
より
$$ \cos x=1
$$
だから
$$ x=2n\pi \quad (n\in\mathbb{Z})
$$
を得る。
解説
この問題の要点は、積分の中にある $\sin(x-t)$ をそのまま眺めず、畳み込み型の積分として処理することである。
解法1は置換して展開するだけで確実に解ける標準解法である。解法2は、積分で定義された関数を微分方程式に持ち込む見方であり、こうした形の積分では有効である。
どちらの方法でも、左辺が最終的に $x^2+2\cos x-2$ に簡約されることが本質である。
答え
$$ x=2n\pi \quad (n\in\mathbb{Z})
$$