基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題141 解説
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解説
方針・初手
$2e^x$ との大小比較では、両辺を正の量 $e^x$ で割って考える。すなわち
$$ f(x)-2e^x=e^x{(x+1)e^{x-1}-2}
$$
であるから、$(x+1)e^{x-1}$ と $2$ の大小を調べればよい。
解法1
関数
$$ g(x)=(x+1)e^{x-1}
$$
を考える。すると
$$ g'(x)=e^{x-1}+(x+1)e^{x-1}=(x+2)e^{x-1}
$$
である。$e^{x-1}>0$ なので、$x>-2$ において $g'(x)>0$ であり、$g(x)$ は $x>-2$ で増加する。
また、
$$ g(1)=2e^0=2
$$
である。
**(1)**
$x>1$ のとき、$x>-2$ の範囲で $g(x)$ は増加するから
$$ g(x)>g(1)=2
$$
である。よって
$$ (x+1)e^{x-1}>2
$$
であり、両辺に正の数 $e^x$ をかけて
$$ (x+1)e^{2x-1}>2e^x
$$
を得る。したがって
$$ f(x)>2e^x
$$
である。
**(2)**
$x<1$ のときを考える。
まず $x\leqq -1$ のとき、$x+1\leqq 0$ であり、$e^{2x-1}>0$ だから
$$ f(x)=(x+1)e^{2x-1}\leqq 0
$$
である。一方、$2e^x>0$ なので
$$ f(x)<2e^x
$$
が成り立つ。
次に $-1<x<1$ のとき、この範囲は $x>-2$ に含まれるので $g(x)$ は増加する。したがって
$$ g(x)<g(1)=2
$$
である。よって
$$ (x+1)e^{x-1}<2
$$
であり、両辺に正の数 $e^x$ をかけて
$$ (x+1)e^{2x-1}<2e^x
$$
を得る。したがって
$$ f(x)<2e^x
$$
である。
以上より、$x<1$ のすべてで
$$ f(x)<2e^x
$$
が成り立つ。
(3) 2つの曲線 $y=2e^x$ と $y=f(x)$ は、$x=1$ で交わる。実際、
$$ f(1)=(1+1)e^{2\cdot 1-1}=2e
$$
であり、
$$ 2e^1=2e
$$
である。
また、(2)より $x<1$ では
$$ f(x)<2e^x
$$
である。したがって、$y$ 軸すなわち $x=0$ と、交点 $x=1$ の間で、上側の曲線は $y=2e^x$、下側の曲線は $y=f(x)$ である。
求める面積を $S$ とすると、
$$ S=\int_0^1{2e^x-(x+1)e^{2x-1}},dx
$$
である。
まず
$$ \int_0^1 2e^x,dx=2(e-1)
$$
である。
次に
$$ \int (x+1)e^{2x-1},dx =e^{-1}\int (x+1)e^{2x},dx
$$
を計算する。
部分積分、または公式的な計算により
$$ \int (x+1)e^{2x},dx =e^{2x}\left(\frac{x}{2}+\frac14\right)
$$
である。したがって
$$ \int_0^1 (x+1)e^{2x-1},dx =e^{-1}\left[e^{2x}\left(\frac{x}{2}+\frac14\right)\right]_0^1
$$
となる。これを計算すると
$$ \begin{aligned} \int_0^1 (x+1)e^{2x-1},dx &=e^{-1}\left\{e^2\left(\frac12+\frac14\right)-\frac14\right\} \\ &=e^{-1}\left(\frac34e^2-\frac14\right) \\ &=\frac34e-\frac{1}{4e} \end{aligned}
$$
である。
よって
$$ \begin{aligned} S &=2(e-1)-\left(\frac34e-\frac{1}{4e}\right) \\ &=2e-2-\frac34e+\frac{1}{4e} \\ &=\frac54e-2+\frac{1}{4e} \end{aligned}
$$
となる。
解説
この問題の中心は、$f(x)$ と $2e^x$ を直接比較するのではなく、正の因子 $e^x$ をくくり出して
$$ (x+1)e^{x-1}
$$
と $2$ の大小比較に帰着する点である。
ただし、$g(x)=(x+1)e^{x-1}$ は全実数で単調増加ではない。$g'(x)=(x+2)e^{x-1}$ なので、単調増加といえるのは $x>-2$ の範囲である。そのため、$x<1$ の証明では $x\leqq -1$ と $-1<x<1$ に分けると条件漏れがない。
面積は、(1)(2)で得た大小関係により、$0\leqq x\leqq 1$ で上側が $y=2e^x$、下側が $y=f(x)$ と分かるので、差の積分で求めればよい。
答え
**(1)**
$x>1$ のとき、
$$ f(x)>2e^x
$$
である。
**(2)**
$x<1$ のとき、
$$ f(x)<2e^x
$$
である。
**(3)**
求める面積は
$$ \frac54e-2+\frac{1}{4e}
$$
である。