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数学3 積分法「定積分・面積」の問題167 解説

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数学3積分法定積分・面積問題167
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数学3 積分法 定積分・面積 問題167の問題画像
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解説

方針・初手

まず,接線 $AP$ によってできる角 $\angle OAP$ を求める。すると,各直線 $l_k$ が直線 $AO$ となす角が分かる。

そのうえで,$l_k$ 上の点を点 $A$ からの距離で表し,円 $C$ との交点条件を立てると,$AQ_k,\ AR_k$ はある2次方程式の2つの解になる。したがって,解と係数の関係を用いれば $AR_k^2-AQ_k^2$ を求められる。

極限は,得られた式をリーマン和とみなして積分に直す。

解法1

円 $C$ の中心は $O(0,0)$,半径は $1$ であり,$A(-2,0)$ であるから

$$ OA=2,\quad OP=1

$$

である。接点 $P$ では $OP\perp AP$ なので,$\triangle AOP$ は $P$ を直角とする直角三角形である。よって

$$ \sin \angle OAP=\frac{OP}{OA}=\frac{1}{2}

$$

より

$$ \angle OAP=\frac{\pi}{6}

$$

である。

したがって,$l_k$ が直線 $AO$ となす角を $\theta_k$ とおくと

$$ \theta_k=\frac{k}{n}\cdot \frac{\pi}{6}=\frac{k\pi}{6n} \qquad (k=1,2,\dots,n-1)

$$

となる。

(1) $AR_k^2-AQ_k^2$ を求める

直線 $l_k$ 上で,点 $A$ からの距離を $t$ とする点を考える。この点の座標は

$$ (-2+t\cos\theta_k,\ t\sin\theta_k)

$$

である。

これが円 $C$ 上にあるための条件は

$$ (-2+t\cos\theta_k)^2+(t\sin\theta_k)^2=1

$$

であり,整理すると

$$ t^2-4(\cos\theta_k)t+3=0

$$

となる。

この2つの正の解がそれぞれ $AQ_k,\ AR_k$ である。したがって

$$ AQ_k+AR_k=4\cos\theta_k, \qquad AQ_k\cdot AR_k=3

$$

である。

よって

$$ AR_k^2-AQ_k^2 =(AR_k-AQ_k)(AR_k+AQ_k)

$$

であり,

$$ AR_k-AQ_k =\sqrt{(AQ_k+AR_k)^2-4AQ_k\cdot AR_k} =\sqrt{16\cos^2\theta_k-12} =2\sqrt{4\cos^2\theta_k-3}

$$

だから,

$$ AR_k^2-AQ_k^2 =4\cos\theta_k\cdot 2\sqrt{4\cos^2\theta_k-3} =8\cos\theta_k\sqrt{4\cos^2\theta_k-3}

$$

となる。

ここで $\theta_k=\dfrac{k\pi}{6n}$ を代入して

$$ \begin{aligned} AR_k^2-AQ_k^2 &= 8\cos\frac{k\pi}{6n}, \sqrt{4\cos^2\frac{k\pi}{6n}-3} \end{aligned} $$

を得る。

なお,

$$ 4\cos^2\theta-3=1-4\sin^2\theta

$$

であるから,

$$ \begin{aligned} AR_k^2-AQ_k^2 &= 8\cos\frac{k\pi}{6n}\sqrt{1-4\sin^2\frac{k\pi}{6n}} \end{aligned} $$

としてもよい。

(2) 極限値を求める

(1) より

$$ \begin{aligned} \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n-1}(AR_k^2-AQ_k^2) &= \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n-1}8\cos\frac{k\pi}{6n}\sqrt{1-4\sin^2\frac{k\pi}{6n}} \end{aligned} $$

である。

ここで

$$ f(x)=8\cos x\sqrt{1-4\sin^2 x} \qquad \left(0\le x\le \frac{\pi}{6}\right)

$$

とおくと,

$$ \begin{aligned} \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n-1}(AR_k^2-AQ_k^2) &= \frac{6}{\pi} \sum_{k=1}^{n-1}f\left(\frac{k\pi}{6n}\right)\frac{\pi}{6n} \end{aligned} $$

である。$f$ は $[0,\pi/6]$ で連続であるから,右辺はリーマン和となり,

$$ \begin{aligned} \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n-1}(AR_k^2-AQ_k^2) &= \frac{6}{\pi}\int_0^{\pi/6} 8\cos x\sqrt{1-4\sin^2 x}\,dx \end{aligned} $$

となる。

この積分を計算する。$u=2\sin x$ とおくと

$$ du=2\cos x,dx

$$

であり,$x=0$ のとき $u=0$,$x=\pi/6$ のとき $u=1$ である。したがって

$$ \begin{aligned} \int_0^{\pi/6} 8\cos x\sqrt{1-4\sin^2 x}\,dx &= 4\int_0^1 \sqrt{1-u^2}\,du \end{aligned} $$

となる。

$\displaystyle \int_0^1\sqrt{1-u^2},du$ は半径 $1$ の四分円の面積なので

$$ \int_0^1\sqrt{1-u^2},du=\frac{\pi}{4}

$$

である。よって

$$ \begin{aligned} \int_0^{\pi/6} 8\cos x\sqrt{1-4\sin^2 x}\,dx &= 4\cdot \frac{\pi}{4} \\ &= \pi \end{aligned} $$

であるから,

$$ \begin{aligned} \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n-1}(AR_k^2-AQ_k^2) &= \frac{6}{\pi}\cdot \pi \\ &= 6 \end{aligned} $$

となる。

解説

この問題の要点は,図形の情報を座標と距離に落とし込むことである。

まず,接線条件から $\triangle AOP$ が直角三角形になり,$\angle OAP=\pi/6$ がすぐに分かる。これにより,各 $l_k$ の傾きではなく「$AO$ となす角」が明確になる。

次に,$l_k$ 上の点を「点 $A$ からの距離 $t$」で表すと,円との交点条件がそのまま $t$ の2次方程式になる。この2つの解が $AQ_k,\ AR_k$ なので,解と係数の関係を使うのが自然である。

極限では,$k\pi/(6n)$ が $[0,\pi/6]$ を細かく分ける点になっているので,和を積分に読み替えるのが本質である。

答え

**(1)**

$$ \begin{aligned} AR_k^2-AQ_k^2 &= 8\cos\frac{k\pi}{6n}, \sqrt{4\cos^2\frac{k\pi}{6n}-3} \end{aligned} $$

**(2)**

$$ \lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n-1}(AR_k^2-AQ_k^2)=6

$$

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