基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題172 解説
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解説
方針・初手
$f(x)$ は積分で定義された関数であるから、まず微分積分の基本定理を用いて $f'(x)$ を求める。
つぎに $g(x)=f\left(\dfrac{1}{x}\right)$ は合成関数なので、連鎖律を用いて $g'(x)$ を求める。
最後は
$$ h(x)=f(x)+f\left(\frac{1}{x}\right)
$$
とおいて微分すると定数であることが分かるので、適当な $x$ の値を代入して定数を確定する。
解法1
まず
$$ f(x)=\int_0^x \frac{dt}{1+t^2}
$$
であるから、微分積分の基本定理より
$$ f'(x)=\frac{1}{1+x^2}
$$
である。よって (1) の答えは
$$ \frac{d}{dx}f(x)=\frac{1}{1+x^2}
$$
である。
つぎに
$$ g(x)=f\left(\frac{1}{x}\right)
$$
であるから、連鎖律より
$$ g'(x)=f'\left(\frac{1}{x}\right)\cdot \frac{d}{dx}\left(\frac{1}{x}\right)
$$
となる。ここで
$$ f'\left(\frac{1}{x}\right)=\frac{1}{1+\left(\frac{1}{x}\right)^2} =\frac{1}{1+\frac{1}{x^2}} =\frac{x^2}{x^2+1}
$$
であり、また
$$ \frac{d}{dx}\left(\frac{1}{x}\right)=-\frac{1}{x^2}
$$
であるから、
$$ g'(x)=\frac{x^2}{x^2+1}\cdot \left(-\frac{1}{x^2}\right) =-\frac{1}{x^2+1}
$$
となる。したがって (2) の答えは
$$ \frac{d}{dx}g(x)=-\frac{1}{1+x^2}
$$
である。
最後に
$$ h(x)=f(x)+f\left(\frac{1}{x}\right)
$$
とおくと、
$$ h'(x)=f'(x)+\frac{d}{dx}f\left(\frac{1}{x}\right) =\frac{1}{1+x^2}-\frac{1}{1+x^2}=0
$$
となる。よって $h(x)$ は定数である。
そこで $x=1$ を代入すると
$$ h(1)=f(1)+f(1)=2f(1)
$$
であり、
$$ f(1)=\int_0^1 \frac{dt}{1+t^2} =\left[\arctan t\right]_0^1 =\frac{\pi}{4}
$$
だから
$$ h(1)=2\cdot \frac{\pi}{4}=\frac{\pi}{2}
$$
となる。したがって、すべての $x>0$ について
$$ f(x)+f\left(\frac{1}{x}\right)=\frac{\pi}{2}
$$
である。
解説
この問題の要点は、積分で定義された関数の微分に微分積分の基本定理を使うことと、合成関数の微分に連鎖律を使うことである。
(3) は $f(x)$ を直接計算してもよいが、(1) と (2) の結果を使って和の微分が $0$ になると見るのが自然であり、計算も簡潔になる。定数と分かった後に $x=1$ を代入して値を決める流れが典型である。
答え
**(1)**
$$ \frac{d}{dx}f(x)=\frac{1}{1+x^2}
$$
**(2)**
$$ \frac{d}{dx}g(x)=-\frac{1}{1+x^2}
$$
**(3)**
$$ f(x)+f\left(\frac{1}{x}\right)=\frac{\pi}{2}
$$