基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題178 解説
数学3の積分法「定積分・面積」にある問題178の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
放物線と直線の差をとると、領域の高さが簡単な平方の形になる。したがって、まず
$$ \left(-x^2+1-t^2\right)-2\sqrt{3}x
$$
を整理して、共有点をもつ条件を求める。その後、交点の $x$ 座標の間で「上側の曲線 $-$ 下側の曲線」を積分すれば面積 $S(t)$ が求まる。
解法1
放物線と直線の差を計算すると、
$$ \left(-x^2+1-t^2\right)-2\sqrt{3}x = -x^2-2\sqrt{3}x+1-t^2 = 4-t^2-(x+\sqrt{3})^2
$$
となる。
したがって、連立不等式
$$ \begin{cases} y\ge 2\sqrt{3}x\\ y\le -x^2+1-t^2 \end{cases}
$$
が表す領域は、
$$ 2\sqrt{3}x \le y \le -x^2+1-t^2
$$
を満たす点全体であり、そのためには
$$ 2\sqrt{3}x \le -x^2+1-t^2
$$
すなわち
$$ 4-t^2-(x+\sqrt{3})^2 \ge 0
$$
が必要である。
(1) $t$ のとり得る値の範囲
放物線と直線が共有点をもつためには、上の不等式を満たす $x$ が少なくとも1つ存在しなければならない。よって
$$ 4-t^2 \ge 0
$$
である必要がある。したがって
$$ t^2 \le 4
$$
より、
$$ -2 \le t \le 2
$$
である。
よって、$t$ のとり得る値の範囲は
$$ -2 \le t \le 2
$$
である。
(2) $S(t)$ を $t$ で表す
$-2\le t\le 2$ のとき、
$$ (x+\sqrt{3})^2 \le 4-t^2
$$
を満たす $x$ の範囲は
$$ -\sqrt{3}-\sqrt{4-t^2}\le x\le -\sqrt{3}+\sqrt{4-t^2}
$$
である。
したがって面積 $S(t)$ は
$$ S(t)=\int_{-\sqrt{3}-\sqrt{4-t^2}}^{-\sqrt{3}+\sqrt{4-t^2}} \left\{\left(-x^2+1-t^2\right)-2\sqrt{3}x\right\},dx
$$
である。
ここで $u=x+\sqrt{3}$ とおくと、積分区間は
$$ -\sqrt{4-t^2}\le u\le \sqrt{4-t^2}
$$
となり、被積分関数は
$$ 4-t^2-u^2
$$
となる。よって
$$ S(t)=\int_{-\sqrt{4-t^2}}^{\sqrt{4-t^2}} (4-t^2-u^2),du
$$
である。
$a=\sqrt{4-t^2}$ とおくと、
$$ S(t)=\int_{-a}^{a}(a^2-u^2),du
$$
であり、
$$ \begin{aligned} S(t) &=\left[a^2u-\frac{u^3}{3}\right]_{-a}^{a}\\ &=\left(a^3-\frac{a^3}{3}\right)-\left(-a^3+\frac{a^3}{3}\right)\\ &=\frac{4}{3}a^3 \end{aligned}
$$
となる。したがって
$$ S(t)=\frac{4}{3}(4-t^2)^{3/2} \qquad (-2\le t\le 2)
$$
である。
なお、$t=\pm 2$ のときは共有点が1点のみとなり、上式からも
$$ S(\pm 2)=0
$$
となって条件と一致する。
(3) $\displaystyle \int_{-2}^{2} S(t),dt$ を求める
(2) より、
$$ \begin{aligned} \int_{-2}^{2} S(t),dt &= \frac{4}{3}\int_{-2}^{2}(4-t^2)^{3/2},dt \end{aligned} $$
である。
ここで
$$ t=2\sin\theta \qquad \left(-\frac{\pi}{2}\le \theta \le \frac{\pi}{2}\right)
$$
とおくと、
$$ dt=2\cos\theta,d\theta, \qquad (4-t^2)^{3/2}=(4-4\sin^2\theta)^{3/2}=8\cos^3\theta
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} \int_{-2}^{2} S(t),dt &=\frac{4}{3}\int_{-\pi/2}^{\pi/2} 8\cos^3\theta \cdot 2\cos\theta,d\theta\\ &=\frac{64}{3}\int_{-\pi/2}^{\pi/2}\cos^4\theta,d\theta \end{aligned}
$$
となる。
さらに、
$$ \begin{aligned} \cos^4\theta &= \left(\frac{1+\cos 2\theta}{2}\right)^2 \\ \frac{3}{8}+\frac{1}{2}\cos 2\theta+\frac{1}{8}\cos 4\theta \end{aligned} $$
より、
$$ \begin{aligned} \int_{-\pi/2}^{\pi/2}\cos^4\theta,d\theta &= \frac{3}{8}\pi \end{aligned} $$
である。したがって
$$ \begin{aligned} \int_{-2}^{2} S(t),dt &= \frac{64}{3}\cdot \frac{3\pi}{8} \\ 8\pi \end{aligned} $$
となる。
解説
この問題の本質は、2曲線の差が
$$ 4-t^2-(x+\sqrt{3})^2
$$
という「上に凸な二次式」になることにある。これにより、共有点条件は $4-t^2\ge 0$ とただちに分かり、面積も左右対称な形の積分に落ちる。
無理に交点を先に解いて計算を進めるより、まず平方完成して形を見るのが最も自然である。
答え
$$ \textbf{(1)}\ -2\le t\le 2
$$
$$ \textbf{(2)}\ S(t)=\frac{4}{3}(4-t^2)^{3/2}\qquad (-2\le t\le 2)
$$
$$ \textbf{(3)}\ \int_{-2}^{2}S(t),dt=8\pi
$$