基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題186 解説
数学3の積分法「定積分・面積」にある問題186の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
媒介変数表示された曲線では、まず
$$ \frac{dy}{dx}=\frac{dy/dt}{dx/dt}
$$
を求めるのが基本である。
また、$0<t<\pi$ では $\sin t>0$ であるから $x=1-\cos t$ は $t$ とともに単調増加する。したがって、$t$ の増加に沿って曲線上の点の動きを追えば、概形も面積も整理しやすい。
解法1
**(1)**
$\dfrac{dy}{dx}$ を $t$ の関数として表す。
$$ x=1-\cos t,\qquad y=2-\sin 2t
$$
より、
$$ \frac{dx}{dt}=\sin t,\qquad \frac{dy}{dt}=-2\cos 2t
$$
である。したがって、$0<t<\pi$ では $\sin t>0$ なので、
$$ \begin{aligned} \frac{dy}{dx} &= \frac{dy/dt}{dx/dt} \\ \frac{-2\cos 2t}{\sin t} \end{aligned} $$
となる。
**(2)**
$\dfrac{dy}{dx}=0$ を満たす $t$ と、そのときの $x$ を求める。
$0<t<\pi$ では $\sin t>0$ であるから、$\dfrac{dy}{dx}=0$ は
$$ -2\cos 2t=0
$$
すなわち
$$ \cos 2t=0
$$
と同値である。よって、
$$ 2t=\frac{\pi}{2},\ \frac{3\pi}{2}
$$
より、
$$ t=\frac{\pi}{4},\ \frac{3\pi}{4}
$$
を得る。
このときの $x$ は
$$ t=\frac{\pi}{4}\ のとき\ x=1-\cos\frac{\pi}{4}=1-\frac{\sqrt2}{2},
$$
$$ t=\frac{3\pi}{4}\ のとき\ x=1-\cos\frac{3\pi}{4}=1+\frac{\sqrt2}{2}
$$
である。
(3) 曲線 $C$ の概形を調べる。
まず端点を求めると、
$$ t=0\ のとき\ (x,y)=(0,2), \qquad t=\pi\ のとき\ (x,y)=(2,2)
$$
である。
さらに、
$$ t=\frac{\pi}{2}\ のとき\ (x,y)=(1,2)
$$
である。
また、(2) より、$\dfrac{dy}{dx}=0$ となる点は
$$ \left(1-\frac{\sqrt2}{2},1\right),\qquad \left(1+\frac{\sqrt2}{2},3\right)
$$
である。実際、
$$ t=\frac{\pi}{4}\ のとき\ y=2-\sin\frac{\pi}{2}=1,
$$
$$ t=\frac{3\pi}{4}\ のとき\ y=2-\sin\frac{3\pi}{2}=3
$$
となる。
次に増減を調べる。$0<t<\pi$ では $\sin t>0$ なので、$\dfrac{dy}{dx}$ の符号は $-\cos 2t$ の符号で決まる。
- (i) $0<t<\dfrac{\pi}{4}$ では $\cos 2t>0$ より $\dfrac{dy}{dx}<0$
- (ii) $\dfrac{\pi}{4}<t<\dfrac{3\pi}{4}$ では $\cos 2t<0$ より $\dfrac{dy}{dx}>0$
- (iii) $\dfrac{3\pi}{4}<t<\pi$ では $\cos 2t>0$ より $\dfrac{dy}{dx}<0$
したがって、曲線 $C$ は $t=0$ で $(0,2)$ から出発し、右下がりに進んで
$$ \left(1-\frac{\sqrt2}{2},1\right)
$$
で極小をとる。その後右上がりに進んで $(1,2)$ を通り、
$$ \left(1+\frac{\sqrt2}{2},3\right)
$$
で極大をとり、最後は再び右下がりに進んで $(2,2)$ に至る。
なお、$0<t<\pi$ では $\dfrac{dx}{dt}=\sin t>0$ であるから、$x$ は単調増加し、曲線は左から右へ一度だけたどられる。
(4) 曲線 $C$ と直線 $x=2$、$x$ 軸、および $y$ 軸で囲まれた図形の面積を求める。
曲線上では
$$ y=2-\sin 2t
$$
であり、$\sin 2t\le 1$ だから
$$ y\ge 1
$$
である。したがって曲線全体は $x$ 軸の上側にある。さらに $x$ は $0$ から $2$ まで単調増加するので、求める面積 $S$ は曲線の下側の面積
$$ S=\int_0^2 y,dx
$$
に等しい。これを媒介変数で表すと、
$$ S=\int_0^\pi y\frac{dx}{dt},dt =\int_0^\pi (2-\sin 2t)\sin t,dt
$$
である。
ここで $\sin 2t=2\sin t\cos t$ を用いると、
$$ S=\int_0^\pi \left(2\sin t-2\sin^2 t\cos t\right),dt
$$
となる。よって、
$$ \begin{aligned} \int_0^\pi 2\sin t,dt &= \left[-2\cos t\right]_0^\pi =4 \end{aligned} $$
であり、また
$$ \begin{aligned} \int_0^\pi 2\sin^2 t\cos t,dt &= \frac{2}{3}\left[\sin^3 t\right]_0^\pi =0 \end{aligned} $$
だから、
$$ S=4
$$
を得る。
解説
この問題の要点は、媒介変数表示のまま処理することである。
特に、$0<t<\pi$ で $\sin t>0$ だから $x$ が単調増加することが重要である。これにより、$\dfrac{dy}{dx}=0$ は単に $\dfrac{dy}{dt}=0$ と見てよく、曲線の概形も $t$ の増加順に追えば確実に描ける。
また、面積も無理に $y$ を $x$ の式に直さず、
$$ \int y,dx=\int y(t)x'(t),dt
$$
を使えば自然に求められる。媒介変数表示の典型問題として押さえておきたい。
答え
**(1)**
$$ \frac{dy}{dx}=\frac{-2\cos 2t}{\sin t} \qquad(0<t<\pi)
$$
**(2)**
$$ t=\frac{\pi}{4},\ \frac{3\pi}{4}
$$
そのとき
$$ x=1-\frac{\sqrt2}{2},\ 1+\frac{\sqrt2}{2}
$$
**(3)**
曲線は $(0,2)$ から出発し、右下がりに進んで
$$ \left(1-\frac{\sqrt2}{2},1\right)
$$
で極小をとり、その後右上がりに進んで $(1,2)$ を通り、
$$ \left(1+\frac{\sqrt2}{2},3\right)
$$
で極大をとって、最後に $(2,2)$ に至る。
**(4)**
求める面積は
$$ 4
$$