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数学3 積分法「定積分・面積」の問題192 解説

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数学3積分法定積分・面積問題192
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解説

方針・初手

$f(x)$ は $\dfrac{1}{1+t^2}$ の積分で定義されているので、基本的には $f'(x)=\dfrac{1}{1+x^2}$ を使う。

特に $g(x)=f\left(\dfrac{1}{x}\right)$ は合成関数として微分し、$f(x)+g(x)$ が定数になることを示す。無限大での極限は、$x\to\infty$ のとき $\dfrac{1}{x}\to 0$ となることを利用する。

解法1

まず、

$$ f(x)=\int_0^x \frac{1}{t^2+1},dt

$$

であるから、微分積分学の基本定理より

$$ f'(x)=\frac{1}{x^2+1}

$$

である。

**(1)**

$f(1)$ を求める。

$t=\tan\theta$ とおくと、$dt=\dfrac{1}{\cos^2\theta},d\theta$ であり、

$$ t^2+1=\tan^2\theta+1=\frac{1}{\cos^2\theta}

$$

である。$t=0$ のとき $\theta=0$、$t=1$ のとき $\theta=\dfrac{\pi}{4}$ であるから、

$$ \begin{aligned} f(1) &=\int_0^1 \frac{1}{t^2+1},dt\\ &=\int_0^{\pi/4} \frac{1}{1/\cos^2\theta}\cdot \frac{1}{\cos^2\theta},d\theta\\ &=\int_0^{\pi/4}1,d\theta\\ &=\frac{\pi}{4} \end{aligned}

$$

となる。

**(2)**

$x>0$ に対して

$$ g(x)=f\left(\frac{1}{x}\right)

$$

とおく。

合成関数の微分により、

$$ \begin{aligned} g'(x) &=f'\left(\frac{1}{x}\right)\left(-\frac{1}{x^2}\right)\\ &=\frac{1}{\left(\frac{1}{x}\right)^2+1}\left(-\frac{1}{x^2}\right)\\ &=\frac{1}{\frac{1+x^2}{x^2}}\left(-\frac{1}{x^2}\right)\\ &=-\frac{1}{1+x^2} \end{aligned}

$$

である。

一方、

$$ f'(x)=\frac{1}{1+x^2}

$$

なので、

$$ {f(x)+g(x)}'=f'(x)+g'(x)=\frac{1}{1+x^2}-\frac{1}{1+x^2}=0

$$

となる。したがって、$x>0$ において $f(x)+g(x)$ は定数である。

この定数を求めるために $x=1$ を代入すると、

$$ f(1)+g(1)=f(1)+f(1)=2f(1)=2\cdot\frac{\pi}{4}=\frac{\pi}{2}

$$

である。よって、$x>0$ に対して

$$ f(x)+g(x)=\frac{\pi}{2}

$$

すなわち

$$ f(x)+f\left(\frac{1}{x}\right)=\frac{\pi}{2}

$$

が成り立つ。

(3) (2)より、$x>0$ に対して

$$ f(x)=\frac{\pi}{2}-f\left(\frac{1}{x}\right)

$$

である。

$x\to\infty$ のとき $\dfrac{1}{x}\to 0$ であり、$f$ は連続であるから、

$$ \lim_{x\to\infty}f\left(\frac{1}{x}\right)=f(0)

$$

である。ここで

$$ f(0)=\int_0^0 \frac{1}{t^2+1},dt=0

$$

だから、

$$ \alpha=\lim_{x\to\infty}f(x) =\frac{\pi}{2}-0 =\frac{\pi}{2}

$$

である。

(4) (3)より $\alpha=\dfrac{\pi}{2}$ である。また、(2)より

$$ \frac{\pi}{2}-f(x)=f\left(\frac{1}{x}\right)

$$

であるから、

$$ x{\alpha-f(x)} =x\left\{\frac{\pi}{2}-f(x)\right\} =xf\left(\frac{1}{x}\right)

$$

となる。

ここで $u=\dfrac{1}{x}$ とおくと、$x\to\infty$ のとき $u\to 0+$ であり、$x=\dfrac{1}{u}$ だから、

$$ xf\left(\frac{1}{x}\right)=\frac{f(u)}{u}

$$

である。したがって、

$$ \begin{aligned} \lim_{x\to\infty}x{\alpha-f(x)} &= \lim_{u\to 0+}\frac{f(u)}{u} \end{aligned} $$

となる。

$f(0)=0$ であるから、

$$ \begin{aligned} \lim_{u\to 0+}\frac{f(u)}{u} &= \lim_{u\to 0+}\frac{f(u)-f(0)}{u-0} =f'(0) \end{aligned} $$

である。さらに、

$$ f'(0)=\frac{1}{0^2+1}=1

$$

なので、

$$ \lim_{x\to\infty}x{\alpha-f(x)}=1

$$

である。

解説

この問題の中心は、$f(x)$ を直接計算しきることではなく、$f(x)$ と $f\left(\dfrac{1}{x}\right)$ の関係を微分で見抜く点にある。

$g(x)=f\left(\dfrac{1}{x}\right)$ とおくと、$g'(x)=-f'(x)$ になるため、$f(x)+g(x)$ が定数になる。この定数を $x=1$ で求めることで、無限大での極限も簡潔に求められる。

最後の極限では、

$$ \alpha-f(x)=f\left(\frac{1}{x}\right)

$$

と変形できる点が重要である。これにより、無限大の極限が $0$ 付近での微分係数

$$ \lim_{u\to 0+}\frac{f(u)-f(0)}{u-0}

$$

に変換される。

答え

**(1)**

$$ f(1)=\frac{\pi}{4}

$$

**(2)**

$$ g'(x)=-\frac{1}{1+x^2}

$$

また、$x>0$ に対して

$$ f(x)+g(x)=\frac{\pi}{2}

$$

**(3)**

$$ \alpha=\frac{\pi}{2}

$$

**(4)**

$$ \lim_{x\to\infty}x{\alpha-f(x)}=1

$$

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