基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題193 解説
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解説
方針・初手
与えられている
$$ x=\frac{e^t+e^{-t}}{2}\quad (t\geqq 0)
$$
は,双曲線 $x^2-y^2=1$ を表す典型的な媒介表示につながる形である。まず (1) では $t$ の関数としての増減と凹凸を調べ,(2) では $x^2-1$ を整理して $\sqrt{x^2-1}$ を求める。(3) では
$$ a=\frac{e^s+e^{-s}}{2}
$$
に対応する点 $P(a,b)$ の $b$ を求め,三角形の面積から双曲線の下の部分の面積を引く。
解法1
**(1)**
$$ x=\frac{e^t+e^{-t}}{2}
$$
を $t$ で微分すると,
$$ \frac{dx}{dt}=\frac{e^t-e^{-t}}{2}
$$
である。$t\geqq 0$ では $e^t\geqq e^{-t}$ であるから,
$$ \frac{dx}{dt}\geqq 0
$$
となり,$x$ は単調増加する。
さらに 2 回微分すると,
$$ \frac{d^2x}{dt^2}=\frac{e^t+e^{-t}}{2}>0
$$
であるから,グラフは下に凸である。
また,
$$ x(0)=\frac{1+1}{2}=1
$$
であり,$t\to \infty$ で $x\to \infty$ となる。したがって,$t$ 軸を横軸,$x$ 軸を縦軸とするグラフは,点 $(0,1)$ を通り,$t\geqq 0$ で単調増加する下に凸の曲線である。
**(2)**
$$ x=\frac{e^t+e^{-t}}{2}
$$
より,
$$ x^2-1=\frac{(e^t+e^{-t})^2}{4}-1 =\frac{e^{2t}+2+e^{-2t}-4}{4} =\frac{e^{2t}-2+e^{-2t}}{4} =\left(\frac{e^t-e^{-t}}{2}\right)^2
$$
となる。$t\geqq 0$ では $e^t-e^{-t}\geqq 0$ なので,
$$ \sqrt{x^2-1}=\frac{e^t-e^{-t}}{2}
$$
である。
**(3)**
点 $P(a,b)$ は双曲線 $x^2-y^2=1$ 上の第1象限内の点であり,
$$ a=\frac{e^s+e^{-s}}{2}\quad (s>0)
$$
であるから,(2) より
$$ b=\sqrt{a^2-1}=\frac{e^s-e^{-s}}{2}
$$
である。
求める面積を $S$ とする。これは三角形 $OAP$(ただし $A=(a,0)$)の面積から,双曲線 $x^2-y^2=1$ と $x$ 軸で囲まれる部分 $(1\leqq x\leqq a)$ の面積を引いたものになる。
まず三角形 $OAP$ の面積は,
$$ \frac{1}{2}ab =\frac{1}{2}\cdot \frac{e^s+e^{-s}}{2}\cdot \frac{e^s-e^{-s}}{2} =\frac{e^{2s}-e^{-2s}}{8}
$$
である。
次に,双曲線の下の面積を求める。(2) の結果から,双曲線上では
$$ y=\sqrt{x^2-1}=\frac{e^t-e^{-t}}{2},\qquad x=\frac{e^t+e^{-t}}{2}
$$
とおける。このとき
$$ \frac{dx}{dt}=\frac{e^t-e^{-t}}{2}
$$
であり,$x=1$ のとき $t=0$,$x=a$ のとき $t=s$ であるから,
$$ \begin{aligned} \int_1^a \sqrt{x^2-1},dx &= \int_0^s \frac{e^t-e^{-t}}{2}\cdot \frac{e^t-e^{-t}}{2},dt \end{aligned} $$
となる。よって,
$$ \begin{aligned} \int_1^a \sqrt{x^2-1},dx &= \int_0^s \frac{e^{2t}-2+e^{-2t}}{4},dt \\ &= \left[\frac{e^{2t}-e^{-2t}}{8}-\frac{t}{2}\right]_0^s \\ &= \frac{e^{2s}-e^{-2s}}{8}-\frac{s}{2} \end{aligned} $$
である。
したがって,
$$
S=\frac{e^{2s}-e^{-2s}}{8} -\left(\frac{e^{2s}-e^{-2s}}{8}-\frac{s}{2}\right) =\frac{s}{2}
$$
となる。
解説
この問題の要点は,
$$
x=\frac{e^t+e^{-t}}{2}
$$
とおくと
$$
\sqrt{x^2-1}=\frac{e^t-e^{-t}}{2}
$$
が自然に現れ,双曲線 $x^2-y^2=1$ の第1象限部分を媒介表示できることである。(3) は,この対応を用いて双曲線の下の面積を $t$ で積分すると計算が大きく簡単になる。三角形の面積と組み合わせると,指数関数の項がきれいに消えて $\dfrac{s}{2}$ だけが残る。
答え
**(1)**
グラフは点 $(0,1)$ を通り,$t\geqq 0$ で単調増加する下に凸の曲線である。
**(2)**
$$
\sqrt{x^2-1}=\frac{e^t-e^{-t}}{2}
$$
**(3)**
求める面積は
$$
\frac{s}{2}
$$
である。