基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題214 解説
数学3の積分法「定積分・面積」にある問題214の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
$(2)$ は部分積分で $B(m,n)$ と $B(m+1,n-1)$ を結びつけるのが基本である。
$(3)$ はその漸化式を $n$ 回繰り返して $B(m+n,0)$ まで落とせばよい。
$(4)$ は区間 $[a,b]$ を $[0,1]$ に移す一次変換 $x=a+(b-a)t$ を用いると、定義そのものの形に帰着できる。
解法1
**(1)**
定義に従って計算すると、
$$ B(3,2)=\int_0^1 x^3(1-x)^2,dx =\int_0^1 (x^3-2x^4+x^5),dx
$$
である。よって、
$$ B(3,2)=\left[\frac{x^4}{4}-\frac{2x^5}{5}+\frac{x^6}{6}\right]_0^1 =\frac14-\frac25+\frac16 =\frac{15-24+10}{60} =\frac1{60}
$$
したがって、
$$ B(3,2)=\frac1{60}
$$
**(2)**
$n\geq 1$ とする。 $B(m,n)$ に対して部分積分を行う。
$$ u=(1-x)^n,\quad dv=x^m,dx
$$
とおくと、
$$ du=-n(1-x)^{n-1},dx,\quad v=\frac{x^{m+1}}{m+1}
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} B(m,n) &=\int_0^1 x^m(1-x)^n,dx \\ &=\left[\frac{x^{m+1}}{m+1}(1-x)^n\right]_0^1 +\frac{n}{m+1}\int_0^1 x^{m+1}(1-x)^{n-1},dx \end{aligned}
$$
ここで端点では $x=0$ で $x^{m+1}=0$、 $x=1$ で $(1-x)^n=0$ となるので境界項は $0$ である。したがって、
$$ B(m,n)=\frac{n}{m+1}B(m+1,n-1)
$$
**(3)**
$(2)$ の関係式を繰り返し用いる。
$$ B(m,n)=\frac{n}{m+1}B(m+1,n-1)
$$
さらに同様にして、
$$ B(m+1,n-1)=\frac{n-1}{m+2}B(m+2,n-2)
$$
であるから、これを続けると、
$$ B(m,n) =\frac{n(n-1)\cdots 1}{(m+1)(m+2)\cdots(m+n)}B(m+n,0)
$$
となる。
ここで、
$$ B(m+n,0)=\int_0^1 x^{m+n},dx=\frac1{m+n+1}
$$
であるから、
$$ B(m,n) =\frac{n!}{(m+1)(m+2)\cdots(m+n)}\cdot\frac1{m+n+1}
$$
よって、
$$ B(m,n)=\frac{n!}{(m+1)(m+2)\cdots(m+n+1)}
$$
分母を階乗で書き直すと、
$$ (m+1)(m+2)\cdots(m+n+1)=\frac{(m+n+1)!}{m!}
$$
なので、
$$ B(m,n)=\frac{m!,n!}{(m+n+1)!}
$$
**(4)**
求める積分を
$$ I=\int_a^b (x-a)^m(x-b)^n,dx
$$
とおく。
ここで、
$$ x=a+(b-a)t \qquad (0\leq t\leq 1)
$$
と変数変換すると、
$$ dx=(b-a),dt,\quad x-a=(b-a)t,\quad x-b=(a-b)(1-t)
$$
である。したがって、
$$ \begin{aligned} I &=\int_0^1 \bigl((b-a)t\bigr)^m\bigl((a-b)(1-t)\bigr)^n(b-a),dt \\ &=(b-a)^{m+1}(a-b)^n\int_0^1 t^m(1-t)^n,dt \\ &=(b-a)^{m+1}(a-b)^n B(m,n) \end{aligned}
$$
$(3)$ の結果を代入すれば、
$$ I=(b-a)^{m+1}(a-b)^n\frac{m!,n!}{(m+n+1)!}
$$
よって、
$$ \int_a^b (x-a)^m(x-b)^n,dx =\frac{m!,n!}{(m+n+1)!}(b-a)^{m+1}(a-b)^n
$$
解説
この問題の中心は、$B(m,n)$ をそのまま計算しようとするのではなく、部分積分で指数を1つずつ移していく点にある。
$(2)$ の関係式 $B(m,n)=\dfrac{n}{m+1}B(m+1,n-1)$ が得られると、$n$ を減らして最終的に $B(m+n,0)$ に帰着できる。ここまで進めば単なるべき積分になるので、一般式が自然に出る。
$(4)$ は新しい問題に見えるが、一次変換で区間 $[a,b]$ を $[0,1]$ に移せば、定義そのものに戻る。特殊な積分を見たら、標準形へ変形できないかを考えるのが重要である。
答え
$$ \text{(1)}\quad B(3,2)=\frac1{60}
$$
$$ \text{(2)}\quad B(m,n)=\frac{n}{m+1}B(m+1,n-1)\qquad (n\geq 1)
$$
$$ \text{(3)}\quad B(m,n)=\frac{m!,n!}{(m+n+1)!}
$$
$$ \text{(4)}\quad \int_a^b (x-a)^m(x-b)^n,dx =\frac{m!,n!}{(m+n+1)!}(b-a)^{m+1}(a-b)^n
$$