基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題227 解説
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解説
方針・初手
曲線 $C$ は媒介変数表示 $x=\tan t,\ y=\dfrac{1}{\cos t}$ を満たしているので, 三角恒等式 $1+\tan^2 t=\dfrac{1}{\cos^2 t}$ を用いれば $x,\ y$ の関係式に直せる。
また,$0\le t<\dfrac{\pi}{2}$ より $\cos t>0$ であるから, $y=\dfrac{1}{\cos t}$ は常に正であり,$C$ は双曲線の上側の枝である。 これにより交点も面積も $x$ を用いて処理できる。
解法1
まず曲線 $C$ の方程式を求める。
$$ x=\tan t,\qquad y=\frac{1}{\cos t}
$$
より,
$$ y^2-x^2=\frac{1}{\cos^2 t}-\tan^2 t =\left(1+\tan^2 t\right)-\tan^2 t=1
$$
したがって $C$ は
$$ y^2-x^2=1,\qquad y>0
$$
すなわち
$$ y=\sqrt{x^2+1}
$$
である。
(1) 交点
直線 $\ell$ の方程式は
$$ 2x-\sqrt{3},y=0
$$
すなわち
$$ y=\frac{2}{\sqrt{3}}x
$$
である。
これを $C$ の式 $y=\sqrt{x^2+1}$ に代入すると,
$$ \sqrt{x^2+1}=\frac{2}{\sqrt{3}}x
$$
両辺を2乗して,
$$ x^2+1=\frac{4}{3}x^2
$$
よって
$$ 1=\frac{1}{3}x^2,\qquad x^2=3
$$
ここで $0\le t<\dfrac{\pi}{2}$ より $x=\tan t\ge 0$ であるから,
$$ x=\sqrt{3}
$$
したがって
$$ y=\frac{2}{\sqrt{3}}\cdot \sqrt{3}=2
$$
ゆえに交点は
$$ (\sqrt{3},2)
$$
である。
(2) 面積
求める部分は,$x=0$ から交点の $x=\sqrt{3}$ までの間で, 上側が曲線 $C$,下側が直線 $\ell$ となる部分である。
したがって面積 $S$ は
$$ S=\int_0^{\sqrt{3}}\left(\sqrt{x^2+1}-\frac{2}{\sqrt{3}}x\right),dx
$$
である。
まず,
$$ \int \sqrt{x^2+1},dx =\frac{1}{2}\left(x\sqrt{x^2+1}+\log\left(x+\sqrt{x^2+1}\right)\right)
$$
を用いると,
$$ \int_0^{\sqrt{3}}\sqrt{x^2+1},dx =\frac{1}{2}\left[, x\sqrt{x^2+1}+\log\left(x+\sqrt{x^2+1}\right) \right]_0^{\sqrt{3}}
$$
$$ =\frac{1}{2}\left( \sqrt{3}\cdot 2+\log(\sqrt{3}+2)-0 \right) =\sqrt{3}+\frac{1}{2}\log(2+\sqrt{3})
$$
また,
$$ \int_0^{\sqrt{3}}\frac{2}{\sqrt{3}}x,dx =\frac{1}{\sqrt{3}}x^2\Big|_0^{\sqrt{3}} =\frac{3}{\sqrt{3}}=\sqrt{3}
$$
よって,
$$ S=\left(\sqrt{3}+\frac{1}{2}\log(2+\sqrt{3})\right)-\sqrt{3} =\frac{1}{2}\log(2+\sqrt{3})
$$
したがって求める面積は
$$ \frac{1}{2}\log(2+\sqrt{3})
$$
である。
解説
この問題の要点は,媒介変数表示をそのまま扱い続けるのではなく, まず曲線 $C$ を通常の方程式に直すことである。
$x=\tan t,\ y=\dfrac{1}{\cos t}$ から $y^2-x^2=1$ を得れば,$C$ が双曲線の上側の枝だと分かる。 すると交点は連立方程式で処理でき,面積も通常の定積分として素直に計算できる。
また,$0\le t<\dfrac{\pi}{2}$ という条件から $x\ge 0,\ y>0$ であることを忘れないことが重要である。 交点の計算で $x=-\sqrt{3}$ を除く理由もここにある。
答え
**(1)**
交点は
$$ (\sqrt{3},2)
$$
である。
**(2)**
面積は
$$ \frac{1}{2}\log(2+\sqrt{3})
$$
である。