基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題237 解説
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解説
方針・初手
積分関数
$$ F(x)=\int_0^x f(t),dt
$$
を明示的に求める。すると条件は $F(a)=a$ という固定点の問題になる。
また、(2)(3)では $f(x)$ が単調減少であることと、$F(a)=a$ を利用する。
解法1
まず
$$ F(x)=\int_0^x \frac{3}{e^t+1},dt
$$
を計算する。
$$ \int \frac{1}{e^t+1},dt =t-\log(e^t+1)
$$
であるから、
$$ F(x) =3\left[t-\log(e^t+1)\right]_0^x =3\left(x-\log(e^x+1)+\log 2\right)
$$
すなわち
$$ F(x)=3\log\frac{2e^x}{e^x+1}
$$
である。
(1)
$F(a)=a$ とおくと、
$$ 3\log\frac{2e^a}{e^a+1}=a
$$
である。ここで $y=e^a$ とおく。$a>0$ であるから $y>1$ である。
上の式は
$$ \left(\frac{2y}{y+1}\right)^3=y
$$
と同値である。したがって
$$ 8y^3=y(y+1)^3
$$
であり、$y>0$ より両辺を $y$ で割ると
$$ 8y^2=(y+1)^3
$$
となる。整理すると
$$ (y+1)^3-8y^2=0
$$
すなわち
$$ y^3-5y^2+3y+1=0
$$
である。因数分解して
$$ y^3-5y^2+3y+1=(y-1)(y^2-4y-1)
$$
となるから、
$$ y=1,\quad y=2+\sqrt5,\quad y=2-\sqrt5
$$
を得る。
このうち $y>1$ を満たすものは
$$ y=2+\sqrt5
$$
だけである。よって
$$ a=\log(2+\sqrt5)
$$
がただ1つ存在する。
また $2+\sqrt5>2$ であるから、
$$ a=\log(2+\sqrt5)>\log 2
$$
である。
(2)
$f(x)$ の導関数は
$$ f'(x)=-\frac{3e^x}{(e^x+1)^2}<0
$$
である。したがって $f(x)$ は単調減少である。
$b\leqq x\leqq a$ のとき、
$$ \int_0^a f(t),dt-\int_0^x f(t),dt =\int_x^a f(t),dt
$$
である。$f(t)>0$ だから
$$ 0\leqq \int_x^a f(t),dt
$$
が成り立つ。
また、$t\in[x,a]$ ならば $b\leqq x\leqq t$ である。$f$ は単調減少なので
$$ f(t)\leqq f(b)
$$
である。よって
$$ \int_x^a f(t),dt \leqq \int_x^a f(b),dt =f(b)(a-x)
$$
となる。
したがって
$$ 0\leqq \int_0^a f(t),dt-\int_0^x f(t),dt\leqq f(b)(a-x)
$$
が示された。
(3)
再び
$$ F(x)=\int_0^x f(t),dt
$$
とおく。このとき数列は
$$ x_{n+1}=F(x_n)
$$
で定められている。
まず
$$ h(x)=F(x)-x
$$
とおくと、
$$ h'(x)=F'(x)-1=f(x)-1 =\frac{3}{e^x+1}-1 =\frac{2-e^x}{e^x+1}
$$
である。したがって $x>\log 2$ において $h'(x)<0$ であり、$h(x)$ は単調減少する。
(1)より $h(a)=F(a)-a=0$ であるから、$\log2<x<a$ において
$$ h(x)>h(a)=0
$$
である。すなわち
$$ F(x)>x
$$
が成り立つ。
ここで $x_1=b$ であり、$\log2<b<a$ である。$b\leqq x_n\leqq a$ と仮定する。
$F$ は増加関数であるから、
$$ x_{n+1}=F(x_n)\leqq F(a)=a
$$
である。また $x_n<a$ ならば $F(x_n)>x_n\geqq b$ であり、$x_n=a$ ならば $x_{n+1}=a$ である。したがって
$$ b\leqq x_{n+1}\leqq a
$$
が成り立つ。
よって数学的帰納法により、すべての $n$ について
$$ b\leqq x_n\leqq a
$$
である。
次に、(2)を $x=x_n$ に適用する。$F(a)=a$ であるから、
$$ 0\leqq a-x_{n+1} =F(a)-F(x_n) \leqq f(b)(a-x_n)
$$
である。
ここで $b>\log2$ より $e^b>2$ なので、
$$ 0<f(b)=\frac{3}{e^b+1}<1
$$
である。$r=f(b)$ とおくと $0<r<1$ であり、
$$ 0\leqq a-x_{n+1}\leqq r(a-x_n)
$$
を得る。
これを繰り返すと、
$$ 0\leqq a-x_n\leqq r^{n-1}(a-b)
$$
である。$0<r<1$ より
$$ \lim_{n\to\infty}r^{n-1}(a-b)=0
$$
だから、はさみうちの原理により
$$ \lim_{n\to\infty}(a-x_n)=0
$$
である。
したがって
$$ \lim_{n\to\infty}x_n=a
$$
が示された。
解説
この問題の中心は、積分をそのまま扱うのではなく、$F(x)=\int_0^x f(t),dt$ という関数を導入して、$F(a)=a$ という固定点の問題に変換することである。
(1)では $F(x)$ を明示的に計算すれば、$a$ は代数方程式から求まる。(2)では $f$ が単調減少であることを使い、区間 $[x,a]$ 上の積分を長方形の面積で上から評価する。(3)では (2) の評価がそのまま収束の評価になっており、$f(b)<1$ が縮小率として働く。
答え
**(1)**
条件を満たす正の数 $a$ はただ1つ存在し、
$$ a=\log(2+\sqrt5)
$$
である。
**(2)**
$\log2<b<a$ かつ $b\leqq x\leqq a$ のとき、
$$ 0\leqq \int_0^a f(t),dt-\int_0^x f(t),dt\leqq f(b)(a-x)
$$
である。
**(3)**
数列 ${x_n}$ は
$$ \lim_{n\to\infty}x_n=a
$$
を満たす。