基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題243 解説
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解説
方針・初手
共通接線をもつ共有点では、関数値が一致するだけでなく導関数の値も一致する。したがって、$y=e^{-x}$ と $y=k\sin x$ が接する条件を一般の定数 $k$ について立てる。
その後、得られた接点の候補を $a>b$ という条件によって、$a,b,p,q$ に対応させる。面積は、区間ごとに上側の曲線と下側の曲線を確認して積分で求める。
解法1
**(1)**
方程式
$$ \sin x+\cos x=0
$$
を解く。これは
$$ \sin x=-\cos x
$$
であり、$\cos x=0$ のときは成り立たないので、$\cos x\neq 0$ として割ると
$$ \tan x=-1
$$
である。
$0\leqq x\leqq 2\pi$ において、$\tan x=-1$ となるのは第2象限と第4象限なので、
$$ x=\frac{3\pi}{4},\frac{7\pi}{4}
$$
である。
**(2)**
$y=e^{-x}$ と $y=k\sin x$ が $x=t$ で接するとする。このとき、関数値と導関数がともに一致するので、
$$ e^{-t}=k\sin t
$$
かつ
$$ -e^{-t}=k\cos t
$$
である。
第1式で第2式を割ると、
$$ \frac{-e^{-t}}{e^{-t}}=\frac{k\cos t}{k\sin t}
$$
より、
$$ -1=\frac{\cos t}{\sin t}
$$
である。したがって、
$$ \sin t+\cos t=0
$$
となる。
(1)より、接点の $x$ 座標は
$$ t=\frac{3\pi}{4},\frac{7\pi}{4}
$$
のいずれかである。
まず $t=\dfrac{3\pi}{4}$ のとき、
$$ \sin \frac{3\pi}{4}=\frac{\sqrt{2}}{2}
$$
であるから、
$$ k=\frac{e^{-3\pi/4}}{\sin \frac{3\pi}{4}} =\sqrt{2}e^{-3\pi/4}
$$
である。
次に $t=\dfrac{7\pi}{4}$ のとき、
$$ \sin \frac{7\pi}{4}=-\frac{\sqrt{2}}{2}
$$
であるから、
$$ k=\frac{e^{-7\pi/4}}{\sin \frac{7\pi}{4}} =-\sqrt{2}e^{-7\pi/4}
$$
である。
ここで
$$ \sqrt{2}e^{-3\pi/4}>-\sqrt{2}e^{-7\pi/4}
$$
であり、問題の条件は $a>b$ である。よって、
$$ a=\sqrt{2}e^{-3\pi/4},\qquad b=-\sqrt{2}e^{-7\pi/4}
$$
である。
したがって、曲線 $C,D$ の接点 $P$ の $x$ 座標は
$$ p=\frac{3\pi}{4}
$$
であり、曲線 $C,E$ の接点 $Q$ の $x$ 座標は
$$ q=\frac{7\pi}{4}
$$
である。
**(3)**
求める図形は、$0\leqq x\leqq p$ では $x$ 軸と曲線 $D$ の間、$p\leqq x\leqq \pi$ では $x$ 軸と曲線 $C$ の間、$\pi\leqq x\leqq q$ では曲線 $E$ と曲線 $C$ の間にある。
したがって面積を $S$ とすると、
$$ S=\int_0^p a\sin x,dx+\int_p^\pi e^{-x},dx+\int_\pi^q {e^{-x}-b\sin x},dx
$$
である。これをまとめると、
$$ S=\int_0^p a\sin x,dx+\int_p^q e^{-x},dx-\int_\pi^q b\sin x,dx
$$
となる。
まず、
$$ \int_0^p a\sin x,dx =a[-\cos x]_0^p =a(1-\cos p)
$$
である。$p=\dfrac{3\pi}{4}$ より、
$$ \cos p=-\frac{\sqrt{2}}{2}
$$
なので、
$$ a(1-\cos p) =\sqrt{2}e^{-3\pi/4}\left(1+\frac{\sqrt{2}}{2}\right) =(\sqrt{2}+1)e^{-3\pi/4}
$$
である。
次に、
$$ \int_p^q e^{-x},dx =[-e^{-x}]_p^q =e^{-p}-e^{-q} =e^{-3\pi/4}-e^{-7\pi/4}
$$
である。
さらに、
$$ \int_\pi^q b\sin x,dx =b[-\cos x]_\pi^q =b(-\cos q+\cos \pi)
$$
である。$q=\dfrac{7\pi}{4}$ より、
$$ \cos q=\frac{\sqrt{2}}{2},\qquad \cos\pi=-1
$$
だから、
$$ -\cos q+\cos\pi =-\frac{\sqrt{2}}{2}-1
$$
である。したがって、
$$ \begin{aligned} \int_\pi^q b\sin x,dx &= \left(-\sqrt{2}e^{-7\pi/4}\right) \left(-\frac{\sqrt{2}}{2}-1\right) =(1+\sqrt{2})e^{-7\pi/4} \end{aligned} $$
である。
以上より、
$$ \begin{aligned} S &=(\sqrt{2}+1)e^{-3\pi/4} +\left(e^{-3\pi/4}-e^{-7\pi/4}\right) -(1+\sqrt{2})e^{-7\pi/4} \\ &=(\sqrt{2}+2)e^{-3\pi/4}-(\sqrt{2}+2)e^{-7\pi/4} \\ &=(\sqrt{2}+2)\left(e^{-3\pi/4}-e^{-7\pi/4}\right) \end{aligned}
$$
である。
解説
この問題の中心は、接する条件を「関数値の一致」と「導関数の一致」の2条件で表すことである。
$y=e^{-x}$ と $y=k\sin x$ が接するなら、
$$ e^{-x}=k\sin x,\qquad -e^{-x}=k\cos x
$$
が同時に成り立つ。この2式を割ることで $k$ を消去でき、接点の $x$ 座標が
$$ \sin x+\cos x=0
$$
に帰着される。
面積計算では、$x=\pi$ を境に下側の境界が変わる点に注意する。$0\leqq x\leqq \pi$ では下側が $x$ 軸であるが、$\pi\leqq x\leqq q$ では下側が曲線 $E$ になる。そのため、単に上側の曲線を積分するのではなく、最後の区間では $e^{-x}-b\sin x$ を積分する必要がある。
答え
**(1)**
$$ x=\frac{3\pi}{4},\frac{7\pi}{4}
$$
**(2)**
$$ a=\sqrt{2}e^{-3\pi/4},\qquad b=-\sqrt{2}e^{-7\pi/4}
$$
$$ p=\frac{3\pi}{4},\qquad q=\frac{7\pi}{4}
$$
**(3)**
$$ (\sqrt{2}+2)\left(e^{-3\pi/4}-e^{-7\pi/4}\right)
$$