基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題254 解説
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解説
方針・初手
(1) はそのままでは計算しにくいので,それぞれ $t=\sqrt{x}$,$t=\log y$ と置換して初等的な積分に直す。
(2),(3) は「関数とその逆関数の積分」の形である。単調増加な関数 $y=f(x)$ に対して
$$ \int_a^b f(x),dx+\int_{f(a)}^{f(b)} f^{-1}(y),dy=b f(b)-a f(a)
$$
が成り立つので,これを用いるのが最も速い。
解法1
**(1)**
まず
$$ I_1=\int_0^1 e^{\sqrt{x}},dx
$$
とおく。ここで $t=\sqrt{x}$ とおくと,$x=t^2,\ dx=2t,dt$ であり,$x=0,1$ に対応して $t=0,1$ であるから,
$$ I_1=2\int_0^1 t e^t,dt
$$
となる。さらに
$$ \int t e^t,dt=(t-1)e^t
$$
より,
$$ I_1=2\left[(t-1)e^t\right]_0^1 =2{0-(-1)} =2
$$
である。
次に
$$ I_2=\int_1^e (\log y)^2,dy
$$
とおく。ここで $t=\log y$ とおくと,$y=e^t,\ dy=e^t,dt$ であり,$y=1,e$ に対応して $t=0,1$ であるから,
$$ I_2=\int_0^1 t^2 e^t,dt
$$
となる。ここで
$$ \frac{d}{dt}\left(e^t(t^2-2t+2)\right)=t^2 e^t
$$
より,
$$ I_2=\left[e^t(t^2-2t+2)\right]_0^1 =e-2
$$
したがって求める値は
$$ I_1+I_2=2+(e-2)=e
$$
である。
**(2)**
$$ I=\int_0^{\pi/4}\tan x,dx,\qquad J=\int_0^1 f^{-1}(y),dy
$$
とおく。ここで $f(x)=\tan x$ であり,$-\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{\pi}{2}$ では単調増加なので,
$$ f^{-1}(y)=\arctan y
$$
である。
まず,$y=f(x)=\tan x$ とおくと $dy=\sec^2 x,dx$ であるから,
$$ J=\int_0^{\pi/4} x\sec^2 x,dx
$$
となる。これを部分積分すると,
$$ J=\left[x\tan x\right]_0^{\pi/4}-\int_0^{\pi/4}\tan x,dx =\frac{\pi}{4}-I
$$
よって,
$$ I+J=\frac{\pi}{4}
$$
である。
次に $I$ を求めると,
$$ I=\int_0^{\pi/4}\tan x,dx =\left[-\log(\cos x)\right]_0^{\pi/4} =-\log\frac{\sqrt2}{2} =\frac12\log2
$$
したがって,
$$ J=\frac{\pi}{4}-\frac12\log2
$$
となる。
**(3)**
$$ f(x)=e^{x^2}\qquad (0\le x\le 1)
$$
とおくと,$f$ は単調増加であり,
$$ f(0)=1,\qquad f(1)=e
$$
である。また $y=e^{x^2}$ を $x$ について解くと,
$$ x=\sqrt{\log y}
$$
となるので,$1\le y\le e$ において
$$ f^{-1}(y)=\sqrt{\log y}
$$
である。
したがって,(2) と同じ公式を用いれば,
$$ \int_0^1 e^{x^2},dx+\int_1^e \sqrt{\log y},dy =1\cdot f(1)-0\cdot f(0) =e
$$
である。
解説
この問題の中心は,**関数と逆関数の積分の関係**である。
単調増加な関数 $y=f(x)$ に対し,置換 $y=f(x)$ を用いると
$$ \int_{f(a)}^{f(b)} f^{-1}(y),dy =\int_a^b x f'(x),dx =\left[x f(x)\right]_a^b-\int_a^b f(x),dx
$$
となる。したがって
$$ \int_a^b f(x),dx+\int_{f(a)}^{f(b)} f^{-1}(y),dy =\left[x f(x)\right]_a^b
$$
が従う。(2) と (3) はこの形を見抜けるかが要点である。
一方,(1) は逆関数ではなく,素直な置換積分で処理する問題である。見た目に惑わされず,$\sqrt{x}$ や $\log y$ を新しい文字に置けばよい。
答え
**(1)**
$$ \int_0^1 e^{\sqrt{x}},dx+\int_1^e (\log y)^2,dy=e
$$
**(2)**
$$ \int_0^{\pi/4}\tan x,dx+\int_0^1 f^{-1}(y),dy=\frac{\pi}{4}
$$
$$ \int_0^1 f^{-1}(y),dy=\frac{\pi}{4}-\frac12\log2
$$
**(3)**
$$ \int_0^1 e^{x^2},dx+\int_1^e \sqrt{\log y},dy=e
$$