基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題262 解説
数学3の積分法「定積分・面積」にある問題262の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
まず $f(x)=g(x)$ を解いて交点の $x$ 座標 $a,b$ を求める。
次に $f'(x),g'(x)$ を計算すると,$f,g$ が互いの一次結合で表せる。これを用いると,面積
$$ \int_a^b |f(x)-g(x)|,dx
$$
を端点の値だけで処理できる。
解法1
**(1)**
$a,b$ を求める。
$f(x)=g(x)$ より
$$ e^{-x}\sin 3x=e^{-x}\cos 3x
$$
である。$e^{-x}>0$ だから,
$$ \sin 3x=\cos 3x
$$
すなわち
$$ \tan 3x=1
$$
となる。したがって,
$$ 3x=\frac{\pi}{4}+n\pi \quad (n\in\mathbb{Z})
$$
より,
$$ x=\frac{\pi}{12}+\frac{n\pi}{3}
$$
である。
このうち,負で最大のものは $n=-1$ のときで
$$ a=\frac{\pi}{12}-\frac{\pi}{3}=-\frac{\pi}{4}
$$
正で最小のものは $n=0$ のときで
$$ b=\frac{\pi}{12}
$$
である。
**(2)**
$f'(x),g'(x)$ を求める。
$f(x)=e^{-x}\sin 3x$ を微分すると,
$$ f'(x)=-e^{-x}\sin 3x+3e^{-x}\cos 3x=-f(x)+3g(x)
$$
同様に $g(x)=e^{-x}\cos 3x$ を微分すると,
$$ g'(x)=-e^{-x}\cos 3x-3e^{-x}\sin 3x=-3f(x)-g(x)
$$
となる。
さらに $f$ を $f',g'$ で表す。 $f'(x)=-f(x)+3g(x)$ から
$$ g(x)=\frac{f'(x)+f(x)}{3}
$$
である。これを $g'(x)=-3f(x)-g(x)$ に代入すると,
$$ g'(x)=-3f(x)-\frac{f'(x)+f(x)}{3} =-\frac{10f(x)+f'(x)}{3}
$$
よって,
$$ 10f(x)=-f'(x)-3g'(x)
$$
となるから,
$$ f(x)=-\frac{1}{10}f'(x)-\frac{3}{10}g'(x)
$$
である。
(3) 面積を求める。
区間 $a\le x\le b$,すなわち
$$ -\frac{\pi}{4}\le x\le \frac{\pi}{12}
$$
において,例えば $x=0$ を代入すると
$$ f(0)=0,\quad g(0)=1
$$
だから,この区間では $g(x)\ge f(x)$ である。したがって面積 $S$ は
$$ S=\int_a^b {g(x)-f(x)},dx
$$
で与えられる。
ここで $g-f$ を $f',g'$ の一次結合で表すため,
$$ g(x)-f(x)=\alpha f'(x)+\beta g'(x)
$$
とおく。 $f'(x)=-f(x)+3g(x)$,$g'(x)=-3f(x)-g(x)$ を用いると,
$$ \alpha(-f+3g)+\beta(-3f-g)=g-f
$$
より係数比較して
$$ -\alpha-3\beta=-1,\quad 3\alpha-\beta=1
$$
を得る。これを解くと
$$ \alpha=\frac{2}{5},\quad \beta=\frac{1}{5}
$$
である。よって,
$$ g(x)-f(x)=\frac{2}{5}f'(x)+\frac{1}{5}g'(x)
$$
したがって,
$$ S=\int_a^b \left(\frac{2}{5}f'(x)+\frac{1}{5}g'(x)\right),dx =\left[\frac{2}{5}f(x)+\frac{1}{5}g(x)\right]_a^b
$$
となる。
$a,b$ はともに $f(x)=g(x)$ を満たすので,
$$ S=\frac{3}{5}{f(b)-f(a)}
$$
である。
ここで
$$ f\left(\frac{\pi}{12}\right)=e^{-\pi/12}\sin\frac{\pi}{4} =\frac{e^{-\pi/12}}{\sqrt{2}}
$$
また
$$ f\left(-\frac{\pi}{4}\right)=e^{\pi/4}\sin\left(-\frac{3\pi}{4}\right) =-\frac{e^{\pi/4}}{\sqrt{2}}
$$
だから,
$$ S=\frac{3}{5}\left(\frac{e^{-\pi/12}}{\sqrt{2}}+\frac{e^{\pi/4}}{\sqrt{2}}\right) =\frac{3}{5\sqrt{2}}\left(e^{-\pi/12}+e^{\pi/4}\right)
$$
さらに $e^{-\pi/12}$ をくくると,
$$ S=\frac{3\sqrt{2}}{10}e^{-\pi/12}\left(1+e^{\pi/3}\right)
$$
である。
解説
この問題の要点は,交点条件 $f(x)=g(x)$ では $e^{-x}>0$ なので指数関数部分を消して
$$ \sin 3x=\cos 3x
$$
に直せることである。
また,(2) で導関数を求めさせているのは,(3) の面積計算を楽にするためである。実際,
$$ g-f=\frac{2}{5}f'+\frac{1}{5}g'
$$
と表せるので,積分が端点値の差に変わる。これがこの問題の狙いである。
答え
**(1)**
$$ a=-\frac{\pi}{4},\qquad b=\frac{\pi}{12}
$$
**(2)**
$$ f'(x)=-f(x)+3g(x),\qquad g'(x)=-3f(x)-g(x)
$$
$$ f(x)=-\frac{1}{10}f'(x)-\frac{3}{10}g'(x)
$$
**(3)**
$$ \frac{3\sqrt{2}}{10}e^{-\pi/12}\left(1+e^{\pi/3}\right)
$$