基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題263 解説
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解説
方針・初手
まず導関数 $f'(x)$ を求めて因数分解し,その符号から増減と極値を調べる。次に $f''(x)$ の符号から凹凸と変曲点を求める。
定積分は,そのまま部分積分を2回行うと素直に計算できる。
解法1
関数
$$ f(x)=x{(\log x)^2-3}\qquad (x>0)
$$
を考える。
(1) 接線の方程式
まず $f(1)$ を確認すると,
$$ f(1)=1{(\log 1)^2-3}=1(0-3)=-3
$$
であり,確かに点 $(1,-3)$ は曲線上にある。
次に微分すると,
$$ f'(x)={(\log x)^2-3}+x\cdot 2\log x\cdot \frac{1}{x} =(\log x)^2+2\log x-3
$$
となる。
したがって,
$$ f'(1)=(\log 1)^2+2\log 1-3=-3
$$
であるから,点 $(1,-3)$ における接線の傾きは $-3$ である。
よって接線の方程式は,
$$ y+3=-3(x-1)
$$
すなわち
$$ y=-3x
$$
である。
(2) 増減,極値,凹凸,変曲点
まず,
$$ f'(x)=(\log x)^2+2\log x-3 =(\log x-1)(\log x+3)
$$
と因数分解できる。
ここで $\log x$ の値に注目すると,
$$ \log x=-3 \iff x=e^{-3},\qquad \log x=1 \iff x=e
$$
である。
したがって $f'(x)$ の符号は次のようになる。
$$ \begin{array}{c|ccc} x & 0<x<e^{-3} & e^{-3}<x<e & x>e \\ \hline f'(x) & + & - & + \end{array}
$$
ゆえに,$f(x)$ は
$$ 0<x<e^{-3}\ \text{で増加},\qquad e^{-3}<x<e\ \text{で減少},\qquad x>e\ \text{で増加}
$$
する。
よって $x=e^{-3}$ で極大,$x=e$ で極小となる。
その値は,
$$ f(e^{-3})=e^{-3}{(-3)^2-3}=6e^{-3}=\frac{6}{e^3}
$$
$$ f(e)=e(1-3)=-2e
$$
である。
次に2階微分を求めると,
$$ f''(x)=\frac{2\log x}{x}+\frac{2}{x} =\frac{2(\log x+1)}{x}
$$
となる。
$x>0$ であるから,$f''(x)$ の符号は $\log x+1$ の符号で決まる。したがって,
$$ \log x=-1 \iff x=e^{-1}=\frac{1}{e}
$$
より,
$$ \begin{array}{c|cc} x & 0<x<e^{-1} & x>e^{-1} \\ \hline f''(x) & - & + \end{array}
$$
となる。
よって曲線 $y=f(x)$ は
$$ 0<x<\frac{1}{e}\ \text{で上に凸},\qquad x>\frac{1}{e}\ \text{で下に凸}
$$
であり,$x=\dfrac{1}{e}$ で変曲点をもつ。
その座標は,
$$ f\left(\frac{1}{e}\right) =\frac{1}{e}\left\{\left(\log \frac{1}{e}\right)^2-3\right\} =\frac{1}{e}(1-3) =-\frac{2}{e}
$$
より,
$$ \left(\frac{1}{e},-\frac{2}{e}\right)
$$
である。
(3) 定積分 $I=\displaystyle\int_1^e f(x),dx$
$$ I=\int_1^e x{(\log x)^2-3},dx =\int_1^e x(\log x)^2,dx-3\int_1^e x,dx
$$
と分ける。
まず
$$ \int_1^e x(\log x)^2,dx
$$
を部分積分する。 $u=(\log x)^2,\ dv=x,dx$ とおくと,
$$ du=\frac{2\log x}{x},dx,\qquad v=\frac{x^2}{2}
$$
であるから,
$$ \int_1^e x(\log x)^2,dx =\left[\frac{x^2}{2}(\log x)^2\right]_1^e-\int_1^e x\log x,dx
$$
となる。
次に
$$ \int_1^e x\log x,dx
$$
を部分積分する。 $u=\log x,\ dv=x,dx$ とおくと,
$$ du=\frac{1}{x},dx,\qquad v=\frac{x^2}{2}
$$
より,
$$ \int_1^e x\log x,dx =\left[\frac{x^2}{2}\log x\right]_1^e-\frac12\int_1^e x,dx
$$
である。ここで
$$ \left[\frac{x^2}{2}\log x\right]_1^e=\frac{e^2}{2},\qquad \int_1^e x,dx=\left[\frac{x^2}{2}\right]_1^e=\frac{e^2-1}{2}
$$
だから,
$$ \int_1^e x\log x,dx =\frac{e^2}{2}-\frac12\cdot \frac{e^2-1}{2} =\frac{e^2+1}{4}
$$
となる。
したがって,
$$ \int_1^e x(\log x)^2,dx =\frac{e^2}{2}-\frac{e^2+1}{4} =\frac{e^2-1}{4}
$$
である。
また,
$$ 3\int_1^e x,dx=3\cdot \frac{e^2-1}{2}
$$
なので,
$$ I=\frac{e^2-1}{4}-3\cdot \frac{e^2-1}{2} =-\frac{5}{4}(e^2-1)
$$
となる。
解説
この問題の中心は,$f'(x)$ を
$$ (\log x-1)(\log x+3)
$$
と因数分解できることにある。これにより増減と極値はすぐに決まる。
また,凹凸は $f''(x)=\dfrac{2(\log x+1)}{x}$ の符号を見るだけでよい。$x>0$ なので分母の符号を気にしなくてよい点が重要である。
定積分は置換積分でも求められるが,高校数学としては部分積分を2回使うのが標準的である。
答え
**(1)**
接線の方程式は
$$ y=-3x
$$
である。
**(2)**
増減は
$$ 0<x<e^{-3}\ \text{で増加},\qquad e^{-3}<x<e\ \text{で減少},\qquad x>e\ \text{で増加}
$$
である。
極大は $x=e^{-3}$ のときで,極大値は
$$ \frac{6}{e^3}
$$
である。
極小は $x=e$ のときで,極小値は
$$ -2e
$$
である。
凹凸は
$$ 0<x<\frac1e\ \text{で上に凸},\qquad x>\frac1e\ \text{で下に凸}
$$
であり,変曲点は
$$ \left(\frac1e,-\frac2e\right)
$$
である。
**(3)**
$$ I=\int_1^e f(x),dx=-\frac54(e^2-1)
$$
である。