基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題270 解説
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解説
方針・初手
積分区間の端に $x$ が入っているので、まず $f(x)$ を微分して増減を調べる。被積分関数の分母はいずれも常に正であるため、導関数の符号判定が簡単になる。
解法1
分母について、
$$ t^2-t+1=\left(t-\frac12\right)^2+\frac34>0
$$
$$ t^2+t+1=\left(t+\frac12\right)^2+\frac34>0
$$
であるから、$f(x)$ はすべての実数 $x$ で定義される。
微分すると、積分の上端・下端に $x$ があることから、
$$ f'(x)=\frac{1}{x^2-x+1}-\frac{1}{x^2+x+1}
$$
である。これを整理すると、
$$ \begin{aligned} f'(x) &=\frac{x^2+x+1-(x^2-x+1)}{(x^2-x+1)(x^2+x+1)}\\ &=\frac{2x}{(x^2-x+1)(x^2+x+1)} \end{aligned}
$$
となる。
分母は常に正であるから、$f'(x)$ の符号は $x$ の符号と一致する。したがって、
- $x<0$ で $f'(x)<0$
- $x=0$ で $f'(x)=0$
- $x>0$ で $f'(x)>0$
となる。
よって、$f(x)$ は $x<0$ で減少し、$x>0$ で増加するので、最小値は $x=0$ のときにとる。
したがって最小値は
$$ f(0)=\int_{-1}^{0}\frac{dt}{t^2-t+1}+\int_{0}^{1}\frac{dt}{t^2+t+1}
$$
である。
第1項で $t=-u$ とおくと、$dt=-du$ であり、
$$ \begin{aligned} \int_{-1}^{0}\frac{dt}{t^2-t+1} &= \int_{1}^{0}\frac{-du}{u^2+u+1} \\ \int_{0}^{1}\frac{du}{u^2+u+1} \end{aligned} $$
となる。よって、
$$ f(0)=2\int_{0}^{1}\frac{dt}{t^2+t+1}
$$
である。
ここで、
$$ t^2+t+1=\left(t+\frac12\right)^2+\frac34
$$
より、
$$ \begin{aligned} \int_{0}^{1}\frac{dt}{t^2+t+1} &=\int_{0}^{1}\frac{dt}{\left(t+\frac12\right)^2+\left(\frac{\sqrt3}{2}\right)^2}\\ &=\frac{2}{\sqrt3}\left[\arctan\frac{2t+1}{\sqrt3}\right]_{0}^{1}\\ &=\frac{2}{\sqrt3}\left(\arctan\sqrt3-\arctan\frac{1}{\sqrt3}\right)\\ &=\frac{2}{\sqrt3}\left(\frac{\pi}{3}-\frac{\pi}{6}\right)\\ &=\frac{\pi}{3\sqrt3} \end{aligned}
$$
となる。
したがって、
$$ f(0)=2\cdot \frac{\pi}{3\sqrt3}=\frac{2\pi}{3\sqrt3}
$$
である。
解説
この問題では、積分そのものを最初から計算するよりも、$x$ を含む積分端に注目して微分するのが自然である。
特に、
$$ f'(x)=\frac{1}{x^2-x+1}-\frac{1}{x^2+x+1}
$$
とすると、分母が常に正であるため、符号は分子の $2x$ だけで判定できる。これにより、$x=0$ で最小になることがすぐに分かる。
最小値の計算では、置換 $t=-u$ により2つの積分が同じ形になることを利用すると、計算量を減らせる。
答え
最小値は
$$ \frac{2\pi}{3\sqrt3}
$$
である。