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数学3 積分法「定積分・面積」の問題272 解説

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数学3積分法定積分・面積問題272
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数学3 積分法 定積分・面積 問題272の問題画像
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解説

方針・初手

$\sin t=s$ とおくと,$0\le t\le \dfrac{\pi}{2}$ に対して $0\le s\le 1$ であり,

$$ f(t)=2\sin t+\cos 2t=1+2s-2s^2

$$

となるので,$f$ は $s$ の2次式として扱える。

また,

$$ g(t)=2\cos t+\sin 2t=2\cos t(1+\sin t)

$$

より,

$$ g(t)^2=4(1-s^2)(1+s)^2=4(1-s)(1+s)^3

$$

と書ける。したがって,(1) は $s$ の式に直して最大値を調べればよい。(2) は $f(t_1)=f(t_2)$ から $\sin t_1,\sin t_2$ の関係を求め,それを $g(t)^2$ に代入して示す。(3) は,$C$ が直線 $x=1$ の右側にあり,両者で単純閉曲線ができることを確認したうえで,線積分で面積を求める。

解法1

**(1)**

$f(t)$ と $g(t)$ の最大値

$s=\sin t$ とおくと,

$$ f(t)=1+2s-2s^2=-2\left(s-\frac12\right)^2+\frac32

$$

であるから,$0\le s\le 1$ における最大値は

$$ \frac32

$$

であり,これは $s=\dfrac12$,すなわち $t=\dfrac{\pi}{6}$ のときにとる。

次に,

$$ g(t)^2=4(1-s)(1+s)^3

$$

とおく。右辺を

$$ h(s)=(1-s)(1+s)^3

$$

とすると,

$$ h'(s)=-(1+s)^3+3(1-s)(1+s)^2

$$

$$ =(1+s)^2{-(1+s)+3(1-s)} =2(1+s)^2(1-2s)

$$

となる。よって $h(s)$ は $s=\dfrac12$ で最大となる。

したがって,

$$ g_{\max}^2=4\left(1-\frac12\right)\left(1+\frac12\right)^3 =4\cdot \frac12\cdot \left(\frac32\right)^3 =\frac{27}{4}

$$

より,

$$ g_{\max}=\frac{3\sqrt3}{2}

$$

である。これも $t=\dfrac{\pi}{6}$ のときにとる。

**(2)**

$f(t_1)=f(t_2)$ ならば $g(t_1)^2-g(t_2)^2>0$ を示す

$s_1=\sin t_1,\ s_2=\sin t_2$ とおく。$0\le t_1<t_2\le \dfrac{\pi}{2}$ より,$\sin t$ はこの区間で単調増加であるから,

$$ 0\le s_1<s_2\le 1

$$

である。

$f(t_1)=f(t_2)$ より,

$$ 1+2s_1-2s_1^2=1+2s_2-2s_2^2

$$

すなわち,

$$ 2(s_1-s_2)-2(s_1^2-s_2^2)=0

$$

$$ 2(s_1-s_2){1-(s_1+s_2)}=0

$$

となる。ここで $s_1\ne s_2$ であるから,

$$ s_1+s_2=1

$$

を得る。

一方,

$$ g(t)^2=4(1-\sin t)(1+\sin t)^3

$$

であるから,

$$ g(t_1)^2-g(t_2)^2 =4{(1-s_1)(1+s_1)^3-(1-s_2)(1+s_2)^3}

$$

ここで $s_2=1-s_1$ を代入すると,

$$ g(t_1)^2-g(t_2)^2 =4{(1-s_1)(1+s_1)^3-s_1(2-s_1)^3}

$$

$$ =4(1-2s_1)^3

$$

となる。

さらに $s_1<s_2,\ s_1+s_2=1$ より $s_1<\dfrac12$ であるから,

$$ 1-2s_1>0

$$

したがって,

$$ g(t_1)^2-g(t_2)^2=4(1-2s_1)^3>0

$$

が成り立つ。

**(3)**

$C$ と直線 $x=1$ が囲む領域の面積 $S$

まず,

$$ f(t)-1=2\sin t+\cos 2t-1 =2\sin t-2\sin^2 t =2\sin t(1-\sin t)\ge 0

$$

である。しかも等号成立は $\sin t=0,1$,すなわち

$$ t=0,\ \frac{\pi}{2}

$$

のときに限る。よって曲線 $C$ は直線 $x=1$ の右側にあり,$(1,2)$ と $(1,0)$ で直線 $x=1$ と交わる。

さらに (2) より,同じ $x$ 座標を与える2点では $y$ 座標の大小関係が一意に決まり,曲線は自分自身と交わらない。したがって,$C$ と直線 $x=1$ は1つの単純閉曲線で囲まれた領域をつくる。

ここで,境界を

ととると,これは正の向きである。よって Green の定理より,

$$ S=\frac12\oint (x,dy-y,dx)

$$

である。

曲線 $C$ 上では $x=f(t),\ y=g(t)$ なので,

$$ f'(t)=2\cos t-2\sin 2t,\qquad g'(t)=-2\sin t+2\cos 2t

$$

である。したがって,

$$ f(t)g'(t)-g(t)f'(t) =2\sin 3t-2

$$

となる。

よって曲線部分の積分は,

$$ \int_{\pi/2}^{0}\bigl(f(t)g'(t)-g(t)f'(t)\bigr),dt =-\int_{0}^{\pi/2}(2\sin 3t-2),dt

$$

であり,

$$ \int_{0}^{\pi/2}(2\sin 3t-2),dt =\left[-\frac23\cos 3t-2t\right]_{0}^{\pi/2} =\frac23-\pi

$$

だから,

$$ \int_{\pi/2}^{0}\bigl(f(t)g'(t)-g(t)f'(t)\bigr),dt =\pi-\frac23

$$

を得る。

また,直線 $x=1$ 上では $dx=0$ で,$y:2\to 0$ であるから,

$$ \int_{(1,2)}^{(1,0)}(x,dy-y,dx) =\int_{2}^{0}1,dy=-2

$$

となる。

したがって,

$$ S=\frac12\left\{-2+\left(\pi-\frac23\right)\right\} =\frac12\left(\pi-\frac83\right) =\frac{\pi}{2}-\frac43

$$

である。

解説

この問題の要点は,媒介変数 $t$ をそのまま追うよりも,$\sin t=s$ とおいて式の構造を見ることである。

$f(t)=1+2s-2s^2$ は下に凸の2次式なので最大値はすぐに分かる。また,$f(t_1)=f(t_2)$ から $s_1+s_2=1$ を引き出せるのが (2) の核心であり,これによって同じ $x$ に対する2点の $y$ の上下関係が決まる。(3) ではその事実により領域が1つに定まることが保証され,あとは Green の定理で面積を一気に処理できる。

答え

**(1)**

$$ \max f(t)=\frac32,\qquad \max g(t)=\frac{3\sqrt3}{2}

$$

**(2)**

$$ g(t_1)^2-g(t_2)^2>0

$$

**(3)**

$$ S=\frac{\pi}{2}-\frac43

$$

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