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数学3 積分法「定積分・面積」の問題273 解説

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数学3積分法定積分・面積問題273
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解説

方針・初手

(1) は $\sin(\pi-x)=\sin x$ という対称性を用いる。

(2) は (1) の結果をそのまま利用して、$x$ を含む定積分を $x$ を含まない形に直す。

(3) は積の微分法

$$ \frac{d}{dx}\bigl(e^x f(x)\bigr)=e^x f(x)+e^x f'(x)

$$

を確認すればよい。

(4) は被積分関数の三角式を整理すると、(3) と同じ形に帰着する。

解法1

**(1)**

$$ I=\int_0^\pi x f(\sin x),dx

$$

とおく。

ここで $x=\pi-t$ と置換すると、$dx=-dt$ より

$$ I=\int_\pi^0 (\pi-t)f(\sin(\pi-t))(-dt) =\int_0^\pi (\pi-t)f(\sin t),dt

$$

となる。$\sin(\pi-t)=\sin t$ を用いた。

変数名を再び $x$ に戻すと

$$ I=\int_0^\pi (\pi-x)f(\sin x),dx

$$

である。これを最初の式と加えると

$$ 2I=\int_0^\pi {x+(\pi-x)}f(\sin x),dx =\pi\int_0^\pi f(\sin x),dx

$$

したがって

$$ I=\frac{\pi}{2}\int_0^\pi f(\sin x),dx

$$

となるので、求める定数は

$$ A=\frac{\pi}{2}

$$

である。

**(2)**

(1) において

$$ f(t)=\frac{t}{8+t^2}

$$

とおけば

$$ f(\sin x)=\frac{\sin x}{8+\sin^2 x}

$$

であるから、

$$ \int_0^\pi \frac{x\sin x}{8+\sin^2 x},dx =\frac{\pi}{2}\int_0^\pi \frac{\sin x}{8+\sin^2 x},dx

$$

となる。

そこで

$$ J=\int_0^\pi \frac{\sin x}{8+\sin^2 x},dx

$$

を計算する。$u=\cos x$ とおくと、$du=-\sin x,dx$ であり、$x=0$ のとき $u=1$、$x=\pi$ のとき $u=-1$ だから

$$ J=\int_1^{-1}\frac{-du}{8+(1-u^2)} =\int_{-1}^1\frac{du}{9-u^2}

$$

となる。

さらに

$$ \frac{1}{9-u^2} =\frac{1}{(3-u)(3+u)}

$$

より、

$$ \int\frac{du}{9-u^2} =\frac{1}{6}\log\frac{3+u}{3-u}

$$

である。したがって

$$ J=\left[\frac{1}{6}\log\frac{3+u}{3-u}\right]_{-1}^1 =\frac{1}{6}\log 2-\frac{1}{6}\log\frac{1}{2} =\frac{1}{3}\log 2

$$

ゆえに

$$ \int_0^\pi \frac{x\sin x}{8+\sin^2 x},dx =\frac{\pi}{2}\cdot \frac{1}{3}\log 2 =\frac{\pi}{6}\log 2

$$

である。

**(3)**

積の微分法より

$$ \frac{d}{dx}\bigl(e^x f(x)\bigr) =e^x f(x)+e^x f'(x) =e^x\bigl(f(x)+f'(x)\bigr)

$$

である。したがって $e^x\bigl(f(x)+f'(x)\bigr)$ の原始関数は $e^x f(x)$ であるから、

$$ \int e^x\bigl(f(x)+f'(x)\bigr),dx=e^x f(x)+C

$$

が成り立つ。

**(4)**

まず三角式を整理する。

$$ 1+\sin 2x =1+2\sin x\cos x =(\sin x+\cos x)^2

$$

また

$$ 1+\cos 2x=2\cos^2 x

$$

である。区間 $0\le x\le \frac{\pi}{4}$ では $\sin x+\cos x>0$ なので

$$ \sqrt{1+\sin 2x}=\sin x+\cos x

$$

となる。よって被積分関数は

$$ e^x\frac{\sqrt{1+\sin 2x}}{1+\cos 2x} =e^x\frac{\sin x+\cos x}{2\cos^2 x} =\frac{1}{2}e^x\left(\frac{\sin x}{\cos^2 x}+\frac{1}{\cos x}\right)

$$

である。

ここで

$$ \frac{\sin x}{\cos^2 x}=\sec x\tan x,\qquad \frac{1}{\cos x}=\sec x

$$

より

$$ e^x\frac{\sqrt{1+\sin 2x}}{1+\cos 2x} =\frac{1}{2}e^x\bigl(\sec x\tan x+\sec x\bigr)

$$

となる。さらに

$$ (\sec x)'=\sec x\tan x

$$

であるから、(3) において $f(x)=\sec x$ とみれば

$$ \frac{1}{2}e^x\bigl(\sec x\tan x+\sec x\bigr) =\frac{1}{2}\frac{d}{dx}\bigl(e^x\sec x\bigr)

$$

である。したがって

$$ \int_0^{\pi/4} e^x\frac{\sqrt{1+\sin 2x}}{1+\cos 2x},dx =\frac{1}{2}\left[e^x\sec x\right]_0^{\pi/4}

$$

$$ =\frac{1}{2}\left(e^{\pi/4}\sec\frac{\pi}{4}-e^0\sec 0\right) =\frac{1}{2}\left(\sqrt{2},e^{\pi/4}-1\right)

$$

である。

解説

(1) の本質は、$\sin x$ が $x$ と $\pi-x$ で同じ値をとることである。この対称性により、$x$ の平均値が区間 $[0,\pi]$ の中央 $\frac{\pi}{2}$ になる。

(2) はその対称性を具体的な積分計算に使う典型例である。最初から直接計算しようとすると煩雑であるが、(1) を使えば $x$ が消え、置換積分だけで済む。

(3) は積の微分法をそのまま不定積分に読み替えたものである。

(4) は三角式を整理して $\sec x$ を見抜けるかが要点であり、その後は (3) の公式がそのまま使える。

答え

**(1)**

$$ A=\frac{\pi}{2}

$$

**(2)**

$$ \int_0^\pi \frac{x\sin x}{8+\sin^2 x},dx=\frac{\pi}{6}\log 2

$$

**(3)**

$$ \int e^x\bigl(f(x)+f'(x)\bigr),dx=e^x f(x)+C

$$

**(4)**

$$ \int_0^{\pi/4} e^x\frac{\sqrt{1+\sin 2x}}{1+\cos 2x},dx =\frac{\sqrt{2},e^{\pi/4}-1}{2}

$$

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