基礎問題集
数学3 積分法「定積分・面積」の問題282 解説
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解説
方針・初手
$f(x)$ は指数関数と一次関数の和であるが,$e^x$ を文字で置くと極値条件が二次方程式に帰着する。
そこで
$$ u=e^{x-1}\ (>0)
$$
とおく。すると $e^x=eu,\ e^{2x}=e^2u^2,\ x=1+\ln u$ であり,$f'(x)$ は $u$ の二次式になる。極大値と極小値をそれぞれただ一つずつもつ条件は,この二次方程式が正の異なる2解をもつ条件に言い換えられる。
解法1
まず
$$ f(x)=e^{2x}+10se^{x+1}+2e^2x
$$
より,
$$ f'(x)=2e^{2x}+10se^{x+1}+2e^2
$$
である。ここで $u=e^{x-1}$ とおくと,
$$ f'(x)=2e^2(u^2+5su+1)
$$
となる。したがって極値を与える $x$ は,
$$ u^2+5su+1=0 \qquad (u>0)
$$
の解に対応する。
**(1)**
$f(x)$ が極大値と極小値をそれぞれただ一つずつとるためには,$f'(x)=0$ が異なる2つの実数解をもち,しかもそれらがともに正の $u$ に対応すればよい。
二次方程式
$$ u^2+5su+1=0
$$
が正の異なる2解をもつ条件は,
- 判別式が正:$25s^2-4>0$
- 解の和が正:$-5s>0$
である。解の積は $1>0$ なので,和が正なら2解はともに正である。
よって
$$ s<-\frac25
$$
が必要十分である。
次に
$$ s=\frac{t}{t^2+4t+9}
$$
より,
$$ s+\frac25 =\frac{5t+2(t^2+4t+9)}{5(t^2+4t+9)} =\frac{2t^2+13t+18}{5(t^2+4t+9)} =\frac{(2t+9)(t+2)}{5(t^2+4t+9)}
$$
である。分母は常に正だから,
$$ s<-\frac25 \iff (2t+9)(t+2)<0 \iff -\frac92<t<-2
$$
となる。
**(2)**
$u^2+5su+1=0$ の2解を $u_1,\ u_2$ とする。$u_1<u_2$ とすれば,対応する極値点は
$$ x_1=1+\ln u_1,\qquad x_2=1+\ln u_2
$$
である。
$f(x)$ を $u$ で表すと,
$$ f(x)=e^2u^2+10se^2u+2e^2(1+\ln u) =e^2\bigl(u^2+10su+2+2\ln u\bigr)
$$
である。ここで $u_i$ は $u_i^2+5su_i+1=0$ を満たすから,
$$ u_i^2=-5su_i-1
$$
より,
$$ u_i^2+10su_i+2=5su_i+1
$$
となる。したがって
$$ f(x_i)=e^2\bigl(5su_i+1+2\ln u_i\bigr)
$$
である。ゆえに
$$ L=f(x_1)+f(x_2) =e^2\Bigl(5s(u_1+u_2)+2+2\ln(u_1u_2)\Bigr)
$$
となる。
二次方程式の解と係数の関係から,
$$ u_1+u_2=-5s,\qquad u_1u_2=1
$$
なので,
$$ L=e^2\bigl(5s(-5s)+2+2\ln1\bigr) =e^2(2-25s^2)
$$
を得る。
**(3)**
(1) の範囲で $L=e^2(2-25s^2)$ を最小にするには,$s^2$ を最大にすればよい。
そこで $s(t)=\dfrac{t}{t^2+4t+9}$ の増減を調べる。
$$ s'(t)=\frac{(t^2+4t+9)-t(2t+4)}{(t^2+4t+9)^2} =\frac{9-t^2}{(t^2+4t+9)^2}
$$
であるから,$s(t)$ は $t=-3$ で最小となる。(1) の範囲 $-\dfrac92<t<-2$ の中にも $t=-3$ は含まれる。
このとき
$$ s(-3)=\frac{-3}{9-12+9}=-\frac12
$$
であるから,
$$ L_{\min}=e^2\left(2-25\cdot\frac14\right) =-\frac{17}{4}e^2
$$
となる。
**(4)**
$t=-3$ のとき $s=-\dfrac12$ であるから,極値条件は
$$ u^2-\frac52u+1=0
$$
すなわち
$$ 2u^2-5u+2=0
$$
であり,
$$ u=\frac12,\ 2
$$
を得る。したがって
$$ x_1=1-\ln2,\qquad x_2=1+\ln2
$$
である。
またこのとき
$$ f(x)=e^{2x}-5e^{x+1}+2e^2x
$$
なので,
$$ I=\int_{x_1}^{x_2}f(x),dx =\int_{1-\ln2}^{1+\ln2}\left(e^{2x}-5e^{x+1}+2e^2x\right),dx
$$
である。原始関数は
$$ \frac12e^{2x}-5e^{x+1}+e^2x^2
$$
だから,
$$ I=\left[\frac12e^{2x}-5e^{x+1}+e^2x^2\right]_{1-\ln2}^{1+\ln2}
$$
となる。計算すると,
$$ I=e^2\left(\frac{15}{8}-\frac{15}{2}+4\ln2\right) =e^2\left(4\ln2-\frac{45}{8}\right)
$$
を得る。
解説
極値の個数を調べるとき,$e^x$ を新しい文字で置くのが典型である。本問では $u=e^{x-1}$ とおくことで,$f'(x)=0$ が二次方程式になり,正の異なる2解をもつ条件に落とせる。
また,極値での関数値の和 $L$ は,各極値点を直接求めなくても,解と係数の関係 $u_1+u_2,\ u_1u_2$ を使えば簡潔に処理できる。ここが計算の要点である。
答え
**(1)**
$$ -\frac92<t<-2
$$
**(2)**
$$ L=e^2(2-25s^2)
$$
**(3)**
$$ t=-3,\qquad L_{\min}=-\frac{17}{4}e^2
$$
**(4)**
$$ I=e^2\left(4\ln2-\frac{45}{8}\right)
$$