基礎問題集
数学A 場合の数「場合の数」の問題30 解説
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解説
方針・初手
$S$ 型移動は $1$ 回だけで、これにより $x$ 座標と $y$ 座標がともに $1$ ずつ増える。
したがって、残りの $2n-2$ 回の $N$ 型移動では、右方向への移動を $n-1$ 回、上方向への移動を $n-1$ 回行う必要がある。
$S$ 型移動が何回目にあるかを固定すれば、残りの $2n-2$ 個の位置に、右方向の $N$ 型移動を $n-1$ 個入れるだけで経路が決まる。
解法1
$N$ 型移動のうち、点 $(x,y)$ から点 $(x+1,y)$ へ進むものを $H$、点 $(x,y+1)$ へ進むものを $V$ と書く。
$S$ 型移動は点 $(x,y)$ から点 $(x+1,y+1)$ へ進むので、原点から点 $(n,n)$ に到達するには、$N$ 型移動の中に $H$ が $n-1$ 回、$V$ が $n-1$ 回含まれなければならない。
よって、$S$ 型移動の位置を決めると、残りの $2n-2$ 個の位置に $H$ を $n-1$ 個入れることで経路が一意に決まる。
まず、$A(n)$ を求める。
全体の移動回数は
$$ (2n-2)+1=2n-1
$$
である。$S$ 型移動の位置は $2n-1$ 通りあり、その位置を決めた後、残りの $2n-2$ 個の位置から $H$ の位置を $n-1$ 個選べばよい。したがって、
$$ A(n)=(2n-1){}_{2n-2}\mathrm{C}_{n-1}
$$
である。
特に $n=3$ のとき、
$$ A(3)=5{}_{4}\mathrm{C}_{2}=5\cdot 6=30
$$
である。
次に $B(n,k)$ を求める。
$S$ 型移動が $k$ 回目であると固定する。このとき、残りの $2n-2$ 回はすべて $N$ 型移動であり、その中に $H$ が $n-1$ 回、$V$ が $n-1$ 回含まれればよい。
したがって、
$$ B(n,k)={}_{2n-2}\mathrm{C}_{n-1}
$$
である。これは $k$ によらない。
よって、
$$ B(4,1)={}_{6}\mathrm{C}_{3}=20
$$
であり、同様に
$$ B(4,2)={}_{6}\mathrm{C}_{3}=20
$$
である。
また、
$$ B(n,1)={}_{2n-2}\mathrm{C}_{n-1}
$$
である。
一般に、$k=2,3,\ldots,2n-1$ に対しても同じく
$$ B(n,k)={}_{2n-2}\mathrm{C}_{n-1}
$$
である。
解法2
$S$ 型移動の直前の点を用いて数えてもよい。
$S$ 型移動が $k$ 回目であるとする。$S$ 型移動の前には $k-1$ 回の $N$ 型移動がある。
そのうち右方向への移動が $i$ 回であるとすると、$S$ 型移動の直前の点は
$$ (i,\ k-1-i)
$$
である。
この後、$S$ 型移動によって点
$$ (i+1,\ k-i)
$$
へ移る。
点 $(n,n)$ に到達するには、$S$ 型移動の後の $N$ 型移動で、右方向へ $n-1-i$ 回進む必要がある。$S$ 型移動の後の $N$ 型移動は
$$ 2n-1-k
$$
回であるから、この場合の経路数は
$$ {}_{k-1}\mathrm{C}_{i}{}_{2n-1-k}\mathrm{C}_{n-1-i}
$$
である。
したがって、
$$ B(n,k)=\sum_i {}_{k-1}\mathrm{C}_{i}{}_{2n-1-k}\mathrm{C}_{n-1-i}
$$
となる。ただし、二項係数が意味をもつ範囲の $i$ について和をとる。
**(i)**
$k\leqq n$ のとき
このとき $k-1\leqq n-1$ なので、与えられた公式を
$$ p=k-1,\quad q=n-1,\quad r=2n-2
$$
として用いると、
$$ \begin{aligned} \sum_{i=0}^{k-1}{}_{k-1}\mathrm{C}_{i}{}_{2n-1-k}\mathrm{C}_{n-1-i} &= {}_{2n-2}\mathrm{C}_{n-1} \end{aligned} $$
である。
よって、
$$ B(n,k)={}_{2n-2}\mathrm{C}_{n-1}
$$
である。
**(ii)**
$k\geqq n$ のとき
今度は、$S$ 型移動の後の $N$ 型移動における右方向の移動回数を $j$ とする。
後半で右方向へ $j$ 回進むとき、前半では右方向へ $n-1-j$ 回進む必要がある。したがって、
$$ B(n,k)=\sum_j {}_{2n-1-k}\mathrm{C}_{j}{}_{k-1}\mathrm{C}_{n-1-j}
$$
である。
ここで
$$ p=2n-1-k,\quad q=n-1,\quad r=2n-2
$$
とすれば、$p\leqq q\leqq r$ が成り立つので、与えられた公式より
$$ B(n,k)={}_{2n-2}\mathrm{C}_{n-1}
$$
である。
以上より、すべての $k=1,2,\ldots,2n-1$ に対して
$$ B(n,k)={}_{2n-2}\mathrm{C}_{n-1}
$$
が成り立つ。
解説
この問題では、$S$ 型移動が一度だけ $x$ 座標と $y$ 座標を同時に $1$ ずつ増やすことが重要である。
そのため、残りの $N$ 型移動だけを見ると、結局は右方向に $n-1$ 回、上方向に $n-1$ 回進む通常の格子経路の数え上げになる。
$B(n,k)$ は一見すると $k$ に依存しそうだが、$S$ 型移動の位置を固定しても、残りの $N$ 型移動の並べ方は常に
$$ {}_{2n-2}\mathrm{C}_{n-1}
$$
通りである。ここが最も重要な点である。
答え
**(1)**
$$ A(3)=30
$$
**(2)**
$$ B(4,1)=20,\qquad B(4,2)=20
$$
**(3)**
$$ B(n,1)={}_{2n-2}\mathrm{C}_{n-1}
$$
**(4)**
$k=2,3,\ldots,2n-1$ に対して、
$$ B(n,k)={}_{2n-2}\mathrm{C}_{n-1}
$$