基礎問題集
数学A 場合の数「場合の数」の問題34 解説
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解説
方針・初手
桁ごとの寄与を考える。各位に現れる数字の回数を数え、その位の位取りを掛けて合計する。
特に、$0,1,2$ だけを使う $n$ 桁以下の整数は、先頭に $0$ を補って $n$ 桁の列として考えると重複なく数えられる。
解法1
(1)
各桁が $1$ または $2$ である $n$ 桁の整数は全部で $2^n$ 個ある。
ある特定の位に注目すると、その位の数字が $1$ であるものは $2^{n-1}$ 個、$2$ であるものも $2^{n-1}$ 個ある。したがって、その位に現れる数字の総和は
$$ 1\cdot 2^{n-1}+2\cdot 2^{n-1}=3\cdot 2^{n-1}
$$
である。
位取りの和は
$$ 1+10+10^2+\cdots+10^{n-1}=\frac{10^n-1}{9}
$$
であるから、求める総和 $T_n$ は
$$ T_n=3\cdot 2^{n-1}\cdot \frac{10^n-1}{9}
$$
となる。よって
$$ T_n=\frac{2^{n-1}(10^n-1)}{3}
$$
である。
(2)
各桁が $0,1,2$ のいずれかである $n$ 桁以下の整数を考える。先頭に $0$ を補って $n$ 桁の列として表すと、すべての整数を重複なく数えられる。
例えば $12$ は $0012$ のように補って考える。$0$ はすべての桁が $0$ の列に対応する。
よって、そのような整数は全部で $3^n$ 個ある。
ある特定の位に注目すると、その位に $0,1,2$ はそれぞれ $3^{n-1}$ 回ずつ現れる。したがって、その位に現れる数字の総和は
$$ 0\cdot 3^{n-1}+1\cdot 3^{n-1}+2\cdot 3^{n-1}=3^n
$$
である。
したがって、総和 $S_n$ は
$$ S_n=3^n\left(1+10+10^2+\cdots+10^{n-1}\right)
$$
より、
$$ S_n=3^n\cdot \frac{10^n-1}{9}
$$
である。
ここで、$S_n$ が $T_n$ の $15$ 倍以上になる条件を調べる。
$$ S_n\ge 15T_n
$$
に、上で求めた式を代入すると、
$$ 3^n\cdot \frac{10^n-1}{9} \ge 15\cdot \frac{2^{n-1}(10^n-1)}{3}
$$
である。$10^n-1>0$ なので両辺を割ってよい。すると
$$ \frac{3^n}{9}\ge 5\cdot 2^{n-1}
$$
となる。これは
$$ 3^{n-1}\ge 15\cdot 2^{n-1}
$$
すなわち
$$ \left(\frac{3}{2}\right)^{n-1}\ge 15
$$
と同値である。
ここで、
$$ \left(\frac{3}{2}\right)^6=\frac{729}{64}<15
$$
であり、
$$ \left(\frac{3}{2}\right)^7=\frac{2187}{128}>15
$$
である。
したがって、$n-1\ge 7$ のとき、すなわち
$$ n\ge 8
$$
のときである。
解説
この問題では、整数を直接すべて書き出すのではなく、各位ごとに数字の出現回数を数えるのが基本方針である。
(1) では各位に $1,2$ が同じ回数だけ現れるため、各位の数字の総和は $3\cdot 2^{n-1}$ になる。
(2) では「$n$ 桁以下」という条件を、先頭に $0$ を補って $n$ 桁の列として扱うのが重要である。これにより、各位に $0,1,2$ が均等に現れることが分かり、同じ方法で総和を求められる。
最後は $S_n$ と $T_n$ の比を取ると、位取りの和 $\dfrac{10^n-1}{9}$ が消える。したがって、本質的には
$$ \left(\frac{3}{2}\right)^{n-1}
$$
が $15$ 以上になるかどうかの判定に帰着する。
答え
**(1)**
$$ T_n=\frac{2^{n-1}(10^n-1)}{3}
$$
**(2)**
$$ S_n=3^n\cdot \frac{10^n-1}{9}
$$
また、$S_n$ が $T_n$ の $15$ 倍以上になるのは
$$ n\ge 8
$$
のときである。