基礎問題集
数学A 場合の数「完全順列・攪乱順列・モンモール数」の問題2 解説
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解説
方針・初手
自分のコートを受け取った人を「固定されている人」と考える。
[ア] は「ちょうど2人が自分のコートを受け取り、残り3人は全員自分以外のコートを受け取る」場合である。したがって、まず自分のコートを受け取る2人を選び、残った3人について完全順列を数えればよい。
[イ] は5人全員が自分以外のコートを受け取る場合なので、5個の完全順列の個数を求めればよい。
解法1
まず、3人全員が自分以外のコートを受け取る場合を考える。
3人を $A,B,C$ とする。$A$ が受け取れるコートは $B$ または $C$ のコートである。
**(i)**
$A$ が $B$ のコートを受け取るとき、$B$ は $C$ のコート、$C$ は $A$ のコートを受け取るしかない。
**(ii)**
$A$ が $C$ のコートを受け取るとき、$C$ は $B$ のコート、$B$ は $A$ のコートを受け取るしかない。
よって、3人の完全順列は
$$ 2
$$
通りである。
したがって [ア] は、まず自分のコートを受け取る2人を5人から選び、残り3人を完全順列にすればよいから、
$$ {}_5C_2 \times 2 = 10 \times 2 = 20
$$
である。
次に [イ] を求める。5人全員が自分以外のコートを受け取る場合の数、すなわち5個の完全順列の個数を包除原理で求める。
5人のコートの渡され方全体は
$$ 5!
$$
通りである。
ここから「少なくとも1人が自分のコートを受け取る」場合を除く。特定の $k$ 人が自分のコートを受け取るように固定すると、残り $5-k$ 人への渡し方は $(5-k)!$ 通りである。
包除原理より、5人全員が自分以外のコートを受け取る場合の数は
$$ \begin{aligned} 5! - {}_5C_1 4! + {}_5C_2 3! - {}_5C_3 2! + {}_5C_4 1! - {}_5C_5 0! &= 120 - 5 \cdot 24 + 10 \cdot 6 - 10 \cdot 2 + 5 \cdot 1 - 1 \\ &= 120 - 120 + 60 - 20 + 5 - 1 \\ &= 44 \end{aligned}
$$
よって [イ] は
$$ 44
$$
である。
解法2
完全順列の漸化式を用いてもよい。$n$ 人全員が自分以外のコートを受け取る場合の数を $D_n$ とする。
よく知られた完全順列の漸化式
$$ D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})
$$
を用いる。
初期値は
$$ D_1=0,\qquad D_2=1
$$
である。したがって、
$$ D_3=2(D_2+D_1)=2(1+0)=2
$$
である。
[ア] では、自分のコートを受け取る2人を選び、残り3人を完全順列にすればよいから、
$$ {}_5C_2D_3=10 \cdot 2=20
$$
である。
また、
$$ D_4=3(D_3+D_2)=3(2+1)=9
$$
であり、
$$ D_5=4(D_4+D_3)=4(9+2)=44
$$
となる。
よって [イ] は
$$ 44
$$
である。
解説
この問題は「自分のコートを受け取らない」という条件を、完全順列として処理するのが基本である。
[ア] では「2人だけが自分のコートを受け取る」ので、最初にその2人を選ぶ必要がある。その後、残り3人については全員が自分以外のコートを受け取るため、3人の完全順列になる。
[イ] は5人全員の完全順列である。包除原理で数える方法が最も直接的であり、完全順列の漸化式を知っていればさらに短く計算できる。
答え
[ア]
$$ 20
$$
[イ]
$$ 44
$$