基礎問題集
数学A 確率「期待値」の問題20 解説
数学Aの確率「期待値」にある問題20の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
勝敗は「表の枚数」だけで決まるので、$A$ の表の枚数を $X$、$B$ の表の枚数を $Y$ とおく。すると
$$ X\sim B\left(4,\frac12\right),\qquad Y\sim B\left(3,\frac12\right)
$$
である。まず $X,Y$ の分布を表にし、$X>Y,\ X<Y,\ X=Y$ の確率を計算する。
解法1
$A$ の表の枚数 $X$ の分布は
$$ P(X=k)=\frac{{}_{4}\mathrm{C}_{k}}{2^4}\qquad (k=0,1,2,3,4)
$$
であるから、
$$ \begin{array}{c|ccccc} k&0&1&2&3&4\\ \hline P(X=k)&\frac1{16}&\frac4{16}&\frac6{16}&\frac4{16}&\frac1{16} \end{array}
$$
また、$B$ の表の枚数 $Y$ の分布は
$$ P(Y=k)=\frac{{}_{3}\mathrm{C}_{k}}{2^3}\qquad (k=0,1,2,3)
$$
であるから、
$$ \begin{array}{c|cccc} k&0&1&2&3\\ \hline P(Y=k)&\frac1{8}&\frac3{8}&\frac3{8}&\frac1{8} \end{array}
$$
まず、引き分けは $X=Y$ の場合である。ただし $Y$ は $0$ から $3$ までなので、
$$ \begin{aligned} P(X=Y) &=P(X=0,Y=0)+P(X=1,Y=1)+P(X=2,Y=2)+P(X=3,Y=3)\\ &=\frac1{16}\cdot\frac1{8} +\frac4{16}\cdot\frac3{8} +\frac6{16}\cdot\frac3{8} +\frac4{16}\cdot\frac1{8}\\ &=\frac{1+12+18+4}{128}\\ &=\frac{35}{128}. \end{aligned}
$$
次に、$A$ が勝つ確率は $X>Y$ の確率である。$X$ の値ごとに分けると、
$$ \begin{aligned} P(X>Y) &=P(X=1)P(Y=0)\\ &\quad +P(X=2)P(Y\leqq 1)\\ &\quad +P(X=3)P(Y\leqq 2)\\ &\quad +P(X=4)P(Y\leqq 3). \end{aligned}
$$
したがって、
$$ \begin{aligned} P(X>Y) &=\frac4{16}\cdot\frac1{8} +\frac6{16}\cdot\frac{1+3}{8} +\frac4{16}\cdot\frac{1+3+3}{8} +\frac1{16}\cdot 1\\ &=\frac4{128}+\frac{24}{128}+\frac{28}{128}+\frac8{128}\\ &=\frac{64}{128}\\ &=\frac12. \end{aligned}
$$
よって、$B$ が勝つ確率は、全確率から $A$ の勝つ確率と引き分けの確率を引けばよい。
$$ \begin{aligned} P(Y>X) &=1-P(X>Y)-P(X=Y)\\ &=1-\frac{64}{128}-\frac{35}{128}\\ &=\frac{29}{128}. \end{aligned}
$$
したがって、
$$ P(A\text{ の勝ち})=\frac12,\qquad P(B\text{ の勝ち})=\frac{29}{128},\qquad P(\text{引き分け})=\frac{35}{128}
$$
である。
次に、勝った方が相手の投げた硬貨をすべてもらえるとする。
$A$ が勝つと、$B$ の投げた $50$ 円硬貨 $3$ 枚、すなわち $150$ 円を得る。一方、$B$ が勝つと、$A$ の投げた $100$ 円硬貨 $4$ 枚、すなわち $400$ 円を得る。引き分けでは授受はないと考える。
$A$ の利益の期待値は
$$ \begin{aligned} 150\cdot P(A\text{ の勝ち})-400\cdot P(B\text{ の勝ち}) &=150\cdot\frac12-400\cdot\frac{29}{128}\\ &=75-\frac{11600}{128}\\ &=75-\frac{725}{8}\\ &=-\frac{125}{8}. \end{aligned}
$$
よって $A$ の期待利益は $-\frac{125}{8}$ 円である。
したがって、$B$ の期待利益はその反対で
$$ \frac{125}{8}
$$
円である。よって、この条件では $B$ の方が有利である。
解説
この問題では、硬貨の金額は勝敗判定には関係しない。勝敗は表の枚数だけで決まるため、まず二項分布で表の枚数の分布を作るのが自然である。
注意すべき点は、$A$ は $4$ 枚、$B$ は $3$ 枚投げるので、$A$ の方が勝つ確率は高いことである。しかし、賞金の条件を考えると、$A$ が勝って得る金額は $150$ 円であるのに対し、$B$ が勝って得る金額は $400$ 円である。したがって、勝率だけで有利不利を判断してはいけない。
期待値を計算すると、$A$ は平均的に損をし、$B$ は平均的に得をする。よって、確率としては $A$ が勝ちやすいが、金額まで含めると $B$ が有利である。
答え
**(1)**
$$ P(A\text{ の勝ち})=\frac12,\qquad P(B\text{ の勝ち})=\frac{29}{128},\qquad P(\text{引き分け})=\frac{35}{128}
$$
**(2)**
$A$ の期待利益は
$$ -\frac{125}{8}\text{ 円}
$$
である。したがって、$B$ の方が有利である。