基礎問題集
数学A 確率「期待値」の問題41 解説
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解説
方針・初手
最大値 $X$ がある値 $k$ になるためには、取り出した3枚のうち最大の番号が $k$ であり、残り2枚は $1,2,\ldots,k-1$ から選ばれる必要がある。
したがって、まず $P(X=k)$ を求め、それを用いて期待値を計算する。
解法1
3枚の札の選び方は全部で
$$ {}_{n}\mathrm{C}_{3}
$$
通りである。
$X=k$ となるのは、番号 $k$ の札を必ず含み、残り2枚を $1,2,\ldots,k-1$ の $k-1$ 枚から選ぶ場合である。したがって、$k=3,4,\ldots,n$ に対して
$$ P(X=k)=\frac{{}_{k-1}\mathrm{C}_{2}}{{}_{n}\mathrm{C}_{3}}
$$
である。
よって期待値は
$$ E(X)=\sum_{k=3}^{n} kP(X=k)
$$
であるから、
$$ E(X)=\sum_{k=3}^{n} k\frac{{}_{k-1}\mathrm{C}_{2}}{{}_{n}\mathrm{C}_{3}} =\frac{1}{{}_{n}\mathrm{C}_{3}}\sum_{k=3}^{n}k{}_{k-1}\mathrm{C}_{2}
$$
となる。
ここで
$$ k{}_{k-1}\mathrm{C}_{2} =k\cdot \frac{(k-1)(k-2)}{2} =3{}_{k}\mathrm{C}_{3}
$$
である。したがって
$$ \sum_{k=3}^{n}k{}_{k-1}\mathrm{C}_{2} =3\sum_{k=3}^{n}{}_{k}\mathrm{C}_{3}
$$
となる。
組合せの恒等式
$$ \sum_{k=3}^{n}{}_{k}\mathrm{C}_{3}={}_{n+1}\mathrm{C}_{4}
$$
を用いると、
$$ E(X)=\frac{3{}_{n+1}\mathrm{C}_{4}}{{}_{n}\mathrm{C}_{3}}
$$
である。
これを整理する。
$$ \begin{aligned} E(X) &=\frac{3\cdot \dfrac{(n+1)n(n-1)(n-2)}{24}}{\dfrac{n(n-1)(n-2)}{6}}\\ &=\frac{3(n+1)}{4} \end{aligned}
$$
よって
$$ E(X)=\frac{3(n+1)}{4}
$$
である。
解法2
最大値の期待値は、整数値確率変数の性質
$$ E(X)=\sum_{j=1}^{n}P(X\ge j)
$$
を用いて求めることもできる。
ここで
$$ P(X<j)=P(X\le j-1)
$$
である。$X\le j-1$ となるのは、取り出した3枚がすべて $1,2,\ldots,j-1$ の中にある場合であるから、
$$ P(X<j)=\frac{{}_{j-1}\mathrm{C}_{3}}{{}_{n}\mathrm{C}_{3}}
$$
と書ける。ただし、$j-1<3$ のときは ${}_{j-1}\mathrm{C}_{3}=0$ とみなす。
したがって
$$ P(X\ge j)=1-\frac{{}_{j-1}\mathrm{C}_{3}}{{}_{n}\mathrm{C}_{3}}
$$
であり、
$$ E(X)=\sum_{j=1}^{n}\left(1-\frac{{}_{j-1}\mathrm{C}_{3}}{{}_{n}\mathrm{C}_{3}}\right)
$$
となる。
よって
$$ E(X)=n-\frac{1}{{}_{n}\mathrm{C}_{3}}\sum_{j=1}^{n}{}_{j-1}\mathrm{C}_{3}
$$
である。
ここで $i=j-1$ とおくと、
$$ \sum_{j=1}^{n}{}_{j-1}\mathrm{C}_{3} =\sum_{i=0}^{n-1}{}_{i}\mathrm{C}_{3} ={}_{n}\mathrm{C}_{4}
$$
である。したがって
$$ E(X)=n-\frac{{}_{n}\mathrm{C}_{4}}{{}_{n}\mathrm{C}_{3}}
$$
となる。
さらに
$$ \begin{aligned} \frac{{}_{n}\mathrm{C}_{4}}{{}_{n}\mathrm{C}_{3}} &= \frac{\dfrac{n(n-1)(n-2)(n-3)}{24}}{\dfrac{n(n-1)(n-2)}{6}} \\ \frac{n-3}{4} \end{aligned} $$
であるから、
$$ E(X)=n-\frac{n-3}{4} =\frac{3n+3}{4} =\frac{3(n+1)}{4}
$$
である。
解説
この問題では、最大値 $X$ の分布を直接求めるのが最も自然である。$X=k$ となる条件は「$k$ を含み、残り2枚が $k$ 未満」という形に整理できるため、組合せで簡潔に数えられる。
また、最大値の期待値は
$$ E(X)=\sum P(X\ge j)
$$
を使って求める方法も有効である。最大値が $j$ 未満であることは「3枚すべてが $j$ 未満」という条件になり、こちらも組合せで扱いやすい。
どちらの解法でも、最終的には組合せの和の処理が中心になる。
答え
$$ \boxed{\frac{3(n+1)}{4}}
$$