基礎問題集
数学A 確率「確率」の問題58 解説
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解説
方針・初手
各カードの数字を $3$ で割った余りで分類する。$1$ から $3n$ までの整数には、余り $0,1,2$ のものがそれぞれ $n$ 個ずつある。
また、$3$ 枚を同時に取り出すと考えてよいので、全事象は
$$ {}_{3n}\mathrm{C}_{3}
$$
通りである。
解法1
$1$ から $3n$ までの整数のうち、$3$ の倍数は
$$ 3,6,9,\ldots,3n
$$
の $n$ 個である。
(1)
$3$ 枚のカードの数字がすべて $3$ の倍数であるには、この $n$ 枚の中から $3$ 枚を選べばよい。
したがって、求める確率は
$$ \frac{{}_{n}\mathrm{C}_{3}}{{}_{3n}\mathrm{C}_{3}}
$$
である。
これを整理すると、
$$ \begin{aligned} \frac{{}_{n}\mathrm{C}_{3}}{{}_{3n}\mathrm{C}_{3}} &= \frac{\frac{n(n-1)(n-2)}{6}}{\frac{3n(3n-1)(3n-2)}{6}} \\ \frac{(n-1)(n-2)}{3(3n-1)(3n-2)} \end{aligned} $$
である。
(2)
$3$ 枚の数字の和が $3$ の倍数になるのは、余りの組が次のいずれかの場合である。
$$ (0,0,0),\quad (1,1,1),\quad (2,2,2),\quad (0,1,2)
$$
余り $0,1,2$ のカードはそれぞれ $n$ 枚ずつある。
余りがすべて同じ場合は、それぞれ
$$ {}_{n}\mathrm{C}_{3}
$$
通りであり、これが $3$ 種類ある。
また、余りが $0,1,2$ である場合は、それぞれの余りから $1$ 枚ずつ選ぶので、
$$ n^3
$$
通りである。
したがって、和が $3$ の倍数になる選び方は
$$ 3{}_{n}\mathrm{C}_{3}+n^3
$$
通りである。
よって、求める確率は
$$ \frac{3{}_{n}\mathrm{C}_{3}+n^3}{{}_{3n}\mathrm{C}_{3}}
$$
である。
これを整理する。
$$ \begin{aligned} 3{}_{n}\mathrm{C}_{3}+n^3 &= \frac{n(n-1)(n-2)}{2}+n^3 \\ \frac{n(3n^2-3n+2)}{2} \end{aligned} $$
また、
$$ \begin{aligned} {}_{3n}\mathrm{C}_{3} &= \frac{3n(3n-1)(3n-2)}{6} \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} \frac{3{}_{n}\mathrm{C}_{3}+n^3}{{}_{3n}\mathrm{C}_{3}} &= \frac{3n^2-3n+2}{(3n-1)(3n-2)} \end{aligned} $$
となる。
(3)
まず、$3$ 枚のカードの数字の積が $3$ の倍数である確率を求める。
積が $3$ の倍数であることは、少なくとも $1$ 枚が $3$ の倍数であることと同値である。
その余事象は、$3$ 枚とも $3$ の倍数でないことである。$3$ の倍数でないカードは、余り $1,2$ のカードなので合計 $2n$ 枚ある。
したがって、積が $3$ の倍数である確率は
$$ 1-\frac{{}_{2n}\mathrm{C}_{3}}{{}_{3n}\mathrm{C}_{3}}
$$
である。
一方、(2)より、和が $3$ の倍数でない確率は
$$ 1-\frac{3{}_{n}\mathrm{C}_{3}+n^3}{{}_{3n}\mathrm{C}_{3}}
$$
である。
この $2$ つを比較する。
積が $3$ の倍数である確率から、和が $3$ の倍数でない確率を引くと、
$$ \begin{aligned} \left(1-\frac{{}_{2n}\mathrm{C}_{3}}{{}_{3n}\mathrm{C}_{3}}\right) &= \left(1-\frac{3{}_{n}\mathrm{C}_{3}+n^3}{{}_{3n}\mathrm{C}_{3}}\right) \\ \frac{3{}_{n}\mathrm{C}_{3}+n^3-{}_{2n}\mathrm{C}_{3}}{{}_{3n}\mathrm{C}_{3}} \end{aligned} $$
である。
分子を計算すると、
$$ \begin{aligned} 3{}_{n}\mathrm{C}_{3}+n^3-{}_{2n}\mathrm{C}_{3} &= \frac{n(n-1)(n-2)}{2}+n^3-\frac{2n(2n-1)(2n-2)}{6} \\ &= \frac{3n^3-3n^2+2n}{2}-\frac{4n^3-6n^2+2n}{3} \\ &= \frac{n^3+3n^2+2n}{6} \\ &= \frac{n(n+1)(n+2)}{6} \end{aligned}
$$
ここで $n \geqq 3$ であるから、
$$ \frac{n(n+1)(n+2)}{6}>0
$$
である。
したがって、
$$ \text{積が }3\text{ の倍数である確率}
>
\text{和が }3\text{ の倍数でない確率}
$$
である。
解説
この問題では、実際の数字そのものではなく、$3$ で割った余りだけが重要である。
$1$ から $3n$ までには、余り $0,1,2$ の数がそれぞれ同数の $n$ 個ずつ存在する。この対称性を使うと、和が $3$ の倍数になる条件を余りの組だけで処理できる。
(3)では、確率をそれぞれ直接整理してもよいが、差を取ると比較が簡単になる。差の分子が
$$ \frac{n(n+1)(n+2)}{6}
$$
となり正であることから、大小関係が確定する。
答え
**(1)**
$$ \begin{aligned} \frac{{}_{n}\mathrm{C}_{3}}{{}_{3n}\mathrm{C}_{3}} &= \frac{(n-1)(n-2)}{3(3n-1)(3n-2)} \end{aligned} $$
**(2)**
$$ \begin{aligned} \frac{3{}_{n}\mathrm{C}_{3}+n^3}{{}_{3n}\mathrm{C}_{3}} &= \frac{3n^2-3n+2}{(3n-1)(3n-2)} \end{aligned} $$
**(3)**
$$ \text{積が }3\text{ の倍数である確率の方が大きい}
$$