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数学A 確率「確率」の問題65 解説
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解説
方針・初手
取り出した数字の並びを $(a_1,a_2,\ldots,a_n)$ とする。各 $a_i$ は $1$ から $9$ までのいずれかであり、すべての並びは等確率で、全体は $9^n$ 通りである。
前半は和 $X=a_1+\cdots+a_n$ の合同類を数える。後半は最大値 $9n$ からどれだけ不足しているかを考える。
解法1
まず、$X$ が偶数となる確率を求める。
$n$ 回の記録後に、和が偶数である並びの個数を $E_n$、奇数である並びの個数を $O_n$ とする。$1$ から $9$ のうち偶数は $4$ 個、奇数は $5$ 個であるから、
$$ E_n+O_n=9^n
$$
である。
また、偶奇は奇数を足したときだけ反転するので、$E_n-O_n$ に着目すると、
$$ E_{n+1}-O_{n+1}=-(E_n-O_n)
$$
となる。$E_0=1,\ O_0=0$ とおけば、
$$ E_n-O_n=(-1)^n
$$
である。よって、
$$ E_n=\frac{9^n+(-1)^n}{2}
$$
となる。したがって、$X$ が偶数となる確率は
$$ \begin{aligned} \frac{E_n}{9^n} &= \frac{9^n+(-1)^n}{2\cdot 9^n} \end{aligned} $$
である。
次に、$X$ を $10$ で割った余りで分類する。
$n$ 回の記録後に、和が $10$ で割り切れる並びの個数を $A_n$、和が $10$ で割って $0$ でない各余りになる並びの個数をそれぞれ $B_n$ とする。数字 $1,2,\ldots,9$ は、$10$ を法として $0$ 以外の余りをちょうど1回ずつ表すので、対称性により $0$ でない各余りの個数は等しい。
したがって、
$$ A_n+9B_n=9^n
$$
である。
次に $A_n-B_n$ を調べる。和の余りが $0$ になるには、直前の余りが $0$ 以外で、それを打ち消す数字を引く必要があるから、
$$ A_{n+1}=9B_n
$$
である。また、和の余りがある固定された $0$ でない余りになるには、直前の余りが $0$ である場合が $A_n$ 通り、直前の余りがその余り以外の $0$ でない余りである場合が $8B_n$ 通りある。よって、
$$ B_{n+1}=A_n+8B_n
$$
である。したがって、
$$ A_{n+1}-B_{n+1}=9B_n-(A_n+8B_n)=-(A_n-B_n)
$$
となる。$A_0=1,\ B_0=0$ とおけば、
$$ A_n-B_n=(-1)^n
$$
である。
これと $A_n+9B_n=9^n$ を連立すると、
$$ A_n=\frac{9^n+9(-1)^n}{10},\qquad B_n=\frac{9^n-(-1)^n}{10}
$$
を得る。
$X$ が $10$ で割り切れる確率は
$$ \begin{aligned} \frac{A_n}{9^n} &= \frac{9^n+9(-1)^n}{10\cdot 9^n} \end{aligned} $$
である。
また、$X$ が $2$ でも $5$ でも割り切れないとは、$X$ を $10$ で割った余りが
$$ 1,\ 3,\ 7,\ 9
$$
のいずれかになることである。これらはすべて $0$ でない余りなので、それぞれ $B_n$ 通りである。よって、その確率は
$$ \begin{aligned} \frac{4B_n}{9^n} &= \frac{4}{9^n}\cdot \frac{9^n-(-1)^n}{10} \\ \frac{2{9^n-(-1)^n}}{5\cdot 9^n} \end{aligned} $$
である。
次に、和が $9n-2$ となる並びの個数を求める。
各 $a_i$ について
$$ b_i=9-a_i
$$
とおくと、$a_i$ は $1$ から $9$ まで動くので、$b_i$ は $0$ から $8$ まで動く。和が $9n-2$ であることは、
$$ a_1+\cdots+a_n=9n-2
$$
であり、これは
$$ (9-a_1)+\cdots+(9-a_n)=2
$$
すなわち
$$ b_1+\cdots+b_n=2
$$
と同値である。
右辺が $2$ なので、各 $b_i\leqq 8$ という上限は問題にならない。したがって、非負整数解の個数は
$$ \begin{aligned} {}_{n+2-1}\mathrm{C}_{2} &= {}_{n+1}\mathrm{C}_{2} \\ \frac{n(n+1)}{2} \end{aligned} $$
である。
最後に $n=3$ の場合を考える。和が $25$ 以上であることは、最大値 $27$ からの不足分が $2$ 以下であることと同値である。
つまり、
$$ b_1+b_2+b_3\leqq 2
$$
を満たす非負整数解の個数を数えればよい。これは
$$ \begin{aligned} {}_{3+2}\mathrm{C}_{2} &= {}_{5}\mathrm{C}_{2} \\ 10 \end{aligned} $$
通りである。
全体は $9^3=729$ 通りであるから、和が $24$ 以下である確率は、和が $25$ 以上である場合の余事象を考えて、
$$ \begin{aligned} 1-\frac{10}{729} &= \frac{719}{729} \end{aligned} $$
である。
解説
この問題では、同じ操作を繰り返しているので、記録される数字の並びを直接数えるのが基本である。
前半では、偶奇や $10$ で割った余りだけが問題になるため、数字そのものではなく合同類で分類すると処理しやすい。特に $1$ から $9$ は、$10$ を法として $0$ 以外の余りをすべて1回ずつ含むため、$10$ を法とする分類では対称性が強く使える。
後半では、和が最大値 $9n$ に近いので、各項を $9$ からどれだけ下げたかで考えるのが自然である。和が $9n-2$ や $25$ 以上のように最大値に近い条件では、不足分を使うと場合分けが少なくなる。
答え
$$ \boxed{\text{ハ}=\frac{9^n+(-1)^n}{2\cdot 9^n}}
$$
$$ \boxed{\text{ヒ}=\frac{2{9^n-(-1)^n}}{5\cdot 9^n}}
$$
$$ \boxed{\text{フ}=\frac{9^n+9(-1)^n}{10\cdot 9^n}}
$$
$$ \boxed{\text{ヘ}=\frac{n(n+1)}{2}}
$$
$$ \boxed{\text{ホ}=10}
$$
$$ \boxed{\text{マ}=\frac{719}{729}}
$$