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数学A 確率「確率」の問題74 解説

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解説

方針・初手

A 君の得点だけを追えばよい。表が出たときを $+1$、裏が出たときを $-1$ として、$k$ 回後の A 君の得点を $S_k$ とおく。

このとき B 君の得点は常に $-S_k$ であるから、A 君の得点が B 君の得点より多いことは

$$ S_k>-S_k

$$

すなわち

$$ S_k>0

$$

と同値である。

解法1

表が出る回数を $a$ 回、裏が出る回数を $b$ 回とする。A 君の得点は

$$ a-b

$$

であり、試行回数が $r$ 回なら

$$ a+b=r

$$

である。

**(1)**

$3$ 回後に A 君の得点が $1$ 点であるから、

$$ \begin{cases} a+b=3,\\ a-b=1 \end{cases}

$$

を満たせばよい。これを解くと

$$ a=2,\qquad b=1

$$

である。

したがって、$3$ 回のうち表が $2$ 回出ればよいので、場合の数は

$$ {}_{3}\mathrm{C}_{2}=3

$$

である。

**(2)**

$2n$ 回後に A 君の得点が $2m$ 点であるから、

$$ \begin{cases} a+b=2n,\\ a-b=2m \end{cases}

$$

を満たせばよい。これを解くと

$$ a=n+m,\qquad b=n-m

$$

である。

よって、$2n$ 回のうち表が $n+m$ 回出ればよいので、場合の数は

$$ {}_{2n}\mathrm{C}_{n+m}

$$

である。

ただし、$n-m<0$、すなわち $m>n$ のときはこのような場合は存在しないので、場合の数は $0$ である。

**(3)**

$2n$ 回後に A 君の得点が $2m$ 点であるとする。この条件のもとでは、表の回数と裏の回数は

$$ a=n+m,\qquad b=n-m

$$

である。

よって、全体の場合の数は

$$ {}_{2n}\mathrm{C}_{n+m}

$$

である。

ここで、試行開始後つねに A 君の得点が B 君の得点より多いことは、各時点で

$$ S_k>0 \qquad (1\leqq k\leqq 2n)

$$

が成り立つことと同じである。

これは、$+1$ が $n+m$ 回、$-1$ が $n-m$ 回並んだ列において、どの途中まで見ても $+1$ の個数が $-1$ の個数より多い、という条件である。

このような列の個数は、投票問題の結果より

$$ \frac{(n+m)-(n-m)}{(n+m)+(n-m)}{}_{2n}\mathrm{C}_{n+m}

$$

である。したがって

$$ \begin{aligned} \frac{2m}{2n}{}_{2n}\mathrm{C}_{n+m} &= \frac{m}{n}{}_{2n}\mathrm{C}_{n+m} \end{aligned} $$

である。

よって、求める確率は

$$ \begin{aligned} \frac{\dfrac{m}{n}{}_{2n}\mathrm{C}_{n+m}}{{}_{2n}\mathrm{C}_{n+m}} &= \frac{m}{n} \end{aligned} $$

である。

解説

この問題では、A 君と B 君の得点を別々に追う必要はない。A 君の得点を $S_k$ とすれば、B 君の得点は常に $-S_k$ である。

したがって、大小関係

$$ \text{A 君の得点}>\text{B 君の得点}

$$

$$ S_k>0

$$

に置き換えられる。

(3) は、最終的に $+1$ が $n+m$ 回、$-1$ が $n-m$ 回出るという条件のもとで、途中経過が常に正である確率を求める問題である。これは典型的な投票問題であり、最終的に $+1$ が多い場合に、途中でも常に $+1$ が多い並びの割合は

$$ \frac{(正の票数)-(負の票数)}{(正の票数)+(負の票数)}

$$

で与えられる。

答え

**(1)**

$$ 3

$$

**(2)**

$$ \begin{cases} {}_{2n}\mathrm{C}_{n+m} & (m\leqq n),\\ 0 & (m>n) \end{cases}

$$

**(3)**

$m\leqq n$ のとき、

$$ \frac{m}{n}

$$

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