基礎問題集
数学A 確率「確率(反復試行)」の問題6 解説
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解説
方針・初手
さいころの目をそのまま区別するより、点 $P$ の移動の種類でまとめる。
$1,2,3$ のいずれかが出る確率は
$$ \frac{1}{6}+\frac{1}{6}+\frac{1}{6}=\frac{1}{2}
$$
であり、このとき移動は $(1,0)$ である。
また、$4$ が出る確率は $a$ で移動は $(0,1)$、$5,6$ のいずれかが出る確率は
$$ 2\left(\frac{1}{4}-\frac{a}{2}\right)=\frac{1}{2}-a
$$
であり、このとき移動は $(-1,-1)$ である。
よって、$k$ 回後に $(2,1)$ にいるためには、これら3種類の移動回数を数えればよい。
解法1
移動 $(1,0)$ の回数を $r$、移動 $(0,1)$ の回数を $s$、移動 $(-1,-1)$ の回数を $t$ とする。
$k$ 回さいころを振るので
$$ r+s+t=k
$$
である。また、最終位置が $(2,1)$ である条件は
$$ (r-t,\ s-t)=(2,1)
$$
である。したがって
$$ r=t+2,\qquad s=t+1
$$
となる。
これを $r+s+t=k$ に代入すると
$$ (t+2)+(t+1)+t=k
$$
より
$$ k=3t+3
$$
である。
したがって、$k$ 回後に $(2,1)$ にいるためには、$k$ が $3$ の倍数で、さらに $k\geqq 3$ でなければならない。
**(1)**
$p_1,p_2,p_3$ を求める。
$k=1,2$ のときは $k=3t+3$ を満たす非負整数 $t$ が存在しないので、
$$ p_1=0,\qquad p_2=0
$$
である。
$k=3$ のときは
$$ 3=3t+3
$$
より $t=0$ である。したがって
$$ r=2,\qquad s=1,\qquad t=0
$$
である。
つまり、$3$ 回のうち、移動 $(1,0)$ が $2$ 回、移動 $(0,1)$ が $1$ 回起こればよい。その確率は
$$ \frac{3!}{2!1!}\left(\frac{1}{2}\right)^2 a
$$
であるから、
$$ p_3=3\cdot \frac{1}{4}a=\frac{3a}{4}
$$
となる。
**(2)**
$p_6$ を求める。
$k=6$ のときは
$$ 6=3t+3
$$
より $t=1$ である。したがって
$$ r=3,\qquad s=2,\qquad t=1
$$
である。
よって、$6$ 回のうち、移動 $(1,0)$ が $3$ 回、移動 $(0,1)$ が $2$ 回、移動 $(-1,-1)$ が $1$ 回起こればよい。
その確率は
$$ \frac{6!}{3!2!1!}\left(\frac{1}{2}\right)^3 a^2\left(\frac{1}{2}-a\right)
$$
である。
ここで
$$ \frac{6!}{3!2!1!}=60
$$
だから、
$$ p_6=60\cdot \frac{1}{8}a^2\left(\frac{1}{2}-a\right)
$$
すなわち
$$ p_6=\frac{15}{2}a^2\left(\frac{1}{2}-a\right)
$$
である。
**(3)**
$p_6$ が最大になるときの $a$ を求める。
$$ p_6=\frac{15}{2}a^2\left(\frac{1}{2}-a\right)
$$
であり、定数倍は最大値を与える $a$ に影響しないので、
$$ f(a)=a^2\left(\frac{1}{2}-a\right)
$$
を $0\leqq a\leqq \frac{1}{2}$ で最大にすればよい。
展開すると
$$ f(a)=\frac{1}{2}a^2-a^3
$$
であるから、
$$ f'(a)=a-3a^2=a(1-3a)
$$
となる。
よって、区間 $0\leqq a\leqq \frac{1}{2}$ における停留点は
$$ a=0,\qquad a=\frac{1}{3}
$$
である。
端点と停留点で調べると、
$$ f(0)=0,\qquad f\left(\frac{1}{2}\right)=0
$$
であり、
$$ f\left(\frac{1}{3}\right)=\frac{1}{9}\left(\frac{1}{2}-\frac{1}{3}\right)=\frac{1}{54}>0
$$
である。
したがって、$p_6$ は
$$ a=\frac{1}{3}
$$
のとき最大となる。
解説
この問題では、さいころの各目を個別に扱う必要はない。点 $P$ の移動は3種類だけなので、それぞれの移動が何回起こるかを数えるのが本質である。
特に、移動回数を $r,s,t$ とおくと、最終位置の条件から
$$ r=t+2,\qquad s=t+1
$$
が得られる。これにより、到達可能な回数 $k$ が
$$ k=3t+3
$$
に限られることが分かる。この条件から $p_1,p_2$ がただちに $0$ になる。
$p_6$ では、移動回数が $(r,s,t)=(3,2,1)$ に一意に決まるため、あとは多項分布の形で数えればよい。最後の最大化は、$a$ の範囲 $0\leqq a\leqq \frac{1}{2}$ を忘れずに、端点も含めて確認する必要がある。
答え
**(1)**
$$ p_1=0,\qquad p_2=0,\qquad p_3=\frac{3a}{4}
$$
**(2)**
$$ p_6=\frac{15}{2}a^2\left(\frac{1}{2}-a\right)
$$
**(3)**
$$ a=\frac{1}{3}
$$