基礎問題集
数学A 確率「確率(反復試行)」の問題9 解説
数学Aの確率「確率(反復試行)」にある問題9の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
各回の移動を確率変数として見ると、1回ごとに
$$ +1,\ -1,\ 0
$$
のいずれかをとる独立な試行である。カードは毎回戻すので、各回の確率は常に同じである。
「右」「左」「無地」の確率はそれぞれ
$$ \frac{1}{n+2},\quad \frac{1}{n+2},\quad \frac{n}{n+2}
$$
であるから、原点にいる条件は「右に動いた回数」と「左に動いた回数」が等しいことである。
解法1
1回のカード引きでの移動を考える。
右へ $1$ 移動する確率は $\dfrac{1}{n+2}$、左へ $1$ 移動する確率も $\dfrac{1}{n+2}$、動かない確率は $\dfrac{n}{n+2}$ である。
(1) 2枚引いたとき
2回の移動後に原点にいるのは、次の2通りである。
- 2回とも無地を引く。
- 「右」と「左」を1回ずつ引く。
したがって、求める確率は
$$ \left(\frac{n}{n+2}\right)^2 + 2\cdot \frac{1}{n+2}\cdot \frac{1}{n+2}
$$
である。よって
$$ \begin{aligned} \frac{n^2}{(n+2)^2}+\frac{2}{(n+2)^2} &= \frac{n^2+2}{(n+2)^2} \end{aligned} $$
となる。
(2) (1) の確率が最小となる $n$
(1) の確率を
$$ f(n)=\frac{n^2+2}{(n+2)^2}
$$
とおく。$n$ は $0$ または自然数である。
まず実数 $x\geqq 0$ に対して
$$ f(x)=\frac{x^2+2}{(x+2)^2}
$$
と考えると、
$$ \begin{aligned} f'(x) &= \frac{2x(x+2)^2-2(x+2)(x^2+2)}{(x+2)^4} \end{aligned} $$
である。整理すると
$$ \begin{aligned} f'(x) &= \frac{2(x+2){x(x+2)-(x^2+2)}}{(x+2)^4} \\ &= \frac{2(x+2)(2x-2)}{(x+2)^4} \\ &= \frac{4(x-1)}{(x+2)^3} \end{aligned}
$$
となる。
$x\geqq 0$ では、分母は正であるから、$f'(x)$ の符号は $x-1$ の符号で決まる。したがって、$f(x)$ は $0\leqq x<1$ で減少し、$x>1$ で増加する。
よって、$n$ が $0$ または自然数であるとき、最小となるのは
$$ n=1
$$
である。
このときの確率は
$$ \begin{aligned} \frac{1^2+2}{(1+2)^2} &= \frac{3}{9} \\ \frac{1}{3} \end{aligned} $$
である。
(3) 4枚引いたとき
4回の移動後に原点にいるには、右へ動いた回数と左へ動いた回数が等しければよい。
右を引いた回数を $a$、左を引いた回数も $a$ とすると、残りの $4-2a$ 回は無地である。ここで
$$ a=0,1,2
$$
である。
**(i)**
$a=0$ のとき、4回とも無地である。確率は
$$ \begin{aligned} \left(\frac{n}{n+2}\right)^4 &= \frac{n^4}{(n+2)^4} \end{aligned} $$
である。
**(ii)**
$a=1$ のとき、右1回、左1回、無地2回である。その並べ方は
$$ \frac{4!}{1!1!2!}=12
$$
通りであるから、確率は
$$ \begin{aligned} 12\left(\frac{1}{n+2}\right)^2\left(\frac{n}{n+2}\right)^2 &= \frac{12n^2}{(n+2)^4} \end{aligned} $$
である。
**(iii)**
$a=2$ のとき、右2回、左2回である。その並べ方は
$$ \frac{4!}{2!2!}=6
$$
通りであるから、確率は
$$ \begin{aligned} 6\left(\frac{1}{n+2}\right)^4 &= \frac{6}{(n+2)^4} \end{aligned} $$
である。
以上より、4枚引いた時点で点 $P$ が原点にある確率は
$$ \frac{n^4}{(n+2)^4} + \frac{12n^2}{(n+2)^4} + \frac{6}{(n+2)^4}
$$
である。したがって
$$ \frac{n^4+12n^2+6}{(n+2)^4}
$$
となる。
解説
この問題では、カードを毎回元に戻すため、各回の試行は独立であり、確率も毎回同じである。
原点に戻る条件は、「右に進んだ回数」と「左に進んだ回数」が等しいことである。無地カードは位置を変えないため、原点にいるかどうかには直接影響せず、右と左の回数のつり合いだけを見ればよい。
2回の場合は直接列挙できる。4回の場合は、右と左の回数を同じ数 $a$ とおき、残りを無地とすることで、重複なく場合分けできる。
答え
**(1)**
$$ \frac{n^2+2}{(n+2)^2}
$$
**(2)**
$$ n=1
$$
**(3)**
$$ \frac{n^4+12n^2+6}{(n+2)^4}
$$