基礎問題集
数学A 確率「確率(反復試行)」の問題25 解説
数学Aの確率「確率(反復試行)」にある問題25の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
正八角形上の移動を、頂点 $A$ を $0$、反時計回りを正の向きとする周期 $8$ の移動として考える。
表を $+1$、裏を $-1$ の移動とし、$10$ 回後の整数としての移動量を $X_{10}$ とおく。点 $A$ にいることは
$$ X_{10}\equiv 0 \pmod 8
$$
であり、点 $E$ にいることは
$$ X_n\equiv 4 \pmod 8
$$
である。$10$ 回まででは $X_n$ は $-10$ 以上 $10$ 以下なので、点 $E$ にいることは $X_n=4$ または $X_n=-4$ と同じである。
解法1
全事象は $2^{10}$ 通りで、すべて同様に確からしい。
(1) 事象 $S$ の確率を求める。
表の出た回数を $r$ とする。このとき裏の出た回数は $10-r$ であるから、
$$ X_{10}=r-(10-r)=2r-10
$$
である。
点 $A$ にいる条件は
$$ 2r-10\equiv 0 \pmod 8
$$
すなわち
$$ 2r\equiv 2 \pmod 8
$$
である。したがって
$$ r\equiv 1 \pmod 4
$$
であり、$0\leqq r\leqq 10$ より
$$ r=1,5,9
$$
である。
よって、事象 $S$ が起こる場合の数は
$$ {}_{10}\mathrm{C}_{1}+{}_{10}\mathrm{C}_{5}+{}_{10}\mathrm{C}_{9} =10+252+10 =272
$$
である。したがって
$$ P(S)=\frac{272}{2^{10}}=\frac{272}{1024}=\frac{17}{64}
$$
となる。
(2) 事象 $S$ と事象 $T$ がともに起こる確率を求める。
事象 $S$ が起こるとき、
$$ X_{10}=-8,0,8
$$
のいずれかである。
まず、$X_{10}=8$ の場合、$0$ から $8$ まで $1$ ずつ増減して進むので、途中で必ず $X_n=4$ を通る。同様に、$X_{10}=-8$ の場合も途中で必ず $X_n=-4$ を通る。したがって、これらはすべて事象 $T$ を満たす。
その場合の数は
$$ {}_{10}\mathrm{C}_{9}+{}_{10}\mathrm{C}_{1}=10+10=20
$$
である。
次に、$X_{10}=0$ の場合を考える。この場合の総数は
$$ {}_{10}\mathrm{C}_{5}=252
$$
である。このうち、途中で $X_n=4$ または $X_n=-4$ に到達するものを数えたいので、補集合として、途中で $X_n=\pm4$ に一度も到達しないものを数える。
偶数回後だけを考える。$2m$ 回後に、それまで $X_n=\pm4$ に到達せず、かつ $X_{2m}=-2,0,2$ にいる場合の数をそれぞれ $a_m,b_m,c_m$ とする。
初期値は
$$ (a_0,b_0,c_0)=(0,1,0)
$$
である。$2$ 回の移動ごとに考えると、$-2$ から $-2$ へ戻る道は $2$ 通り、$0$ から $-2$ へ行く道は $1$ 通りである。同様にして
$$ \begin{aligned} a_{m+1}&=2a_m+b_m,\\ b_{m+1}&=a_m+2b_m+c_m,\\ c_{m+1}&=b_m+2c_m \end{aligned}
$$
を得る。
これを順に計算すると、次のようになる。
| $m$ | $a_m$ | $b_m$ | $c_m$ | | --: | ----: | ----: | ----: | | $0$ | $0$ | $1$ | $0$ | | $1$ | $1$ | $2$ | $1$ | | $2$ | $4$ | $6$ | $4$ | | $3$ | $14$ | $20$ | $14$ | | $4$ | $48$ | $68$ | $48$ | | $5$ | $164$ | $232$ | $164$ |
したがって、$X_{10}=0$ であり、途中で点 $E$ に一度も到達しない場合の数は $232$ 通りである。
よって、$X_{10}=0$ であり、途中で点 $E$ に少なくとも一度到達する場合の数は
$$ 252-232=20
$$
である。
以上より、事象 $S$ と事象 $T$ がともに起こる場合の数は
$$ 20+20=40
$$
である。したがって
$$ P(S\cap T)=\frac{40}{2^{10}}=\frac{40}{1024}=\frac{5}{128}
$$
である。
解説
この問題では、正八角形の頂点をそのまま図形として扱うよりも、周期 $8$ の整数の移動として見るのが有効である。
点 $A$ に戻る条件は $X_{10}\equiv 0\pmod 8$ であり、点 $E$ に到達する条件は $X_n\equiv 4\pmod 8$ である。$10$ 回以内では $X_n$ の範囲が限られるため、点 $E$ にいることは $X_n=4$ または $X_n=-4$ と言い換えられる。
特に、$X_{10}=\pm8$ の場合は途中で必ず $\pm4$ を通る。一方、$X_{10}=0$ の場合は点 $E$ を通るとは限らないため、「通らない場合」を数えて補集合を取るのが自然である。
答え
**(1)**
$$ \frac{17}{64}
$$
**(2)**
$$ \frac{5}{128}
$$