基礎問題集
数学A 確率「数列・確率(数B)」の問題27 解説
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解説
方針・初手
袋の中の赤玉の個数は、試行を行うたびに増えることはなく、赤玉を取り出したときだけ $1$ 個減る。
そこで、$n$ 回目の試行直前に赤玉が $1$ 個ある場合と $2$ 個ある場合を分けて考える。袋の中の玉の総数は常に $N+2$ 個である。
解法1
$n$ 回目の試行直前に袋の中に赤玉が $2$ 個ある場合、袋の中の白玉は $N$ 個である。この状態から $n+1$ 回目の試行直前にも赤玉が $2$ 個であるためには、$n$ 回目に白玉を取り出す必要がある。
したがって、
$$ \begin{aligned} P''_{n+1} &= \frac{N}{N+2}P''_n \end{aligned} $$
である。
次に、$n+1$ 回目の試行直前に赤玉が $1$ 個あり、かつ $n+1$ 回目に赤玉を取り出す確率 $P'_{n+1}$ を考える。
$n+1$ 回目の試行直前に赤玉が $1$ 個ある場合は、次の $2$ 通りである。
**(i)**
$n$ 回目の試行直前に赤玉が $1$ 個あり、$n$ 回目に白玉を取り出す。
このとき、$n$ 回目の試行直前には白玉が $N+1$ 個あるので、$n$ 回目に白玉を取り出す確率は $\dfrac{N+1}{N+2}$ である。
**(ii)**
$n$ 回目の試行直前に赤玉が $2$ 個あり、$n$ 回目に赤玉を取り出す。
この場合は、まさに $P''_n$ に対応する。
ただし、$P'_{n+1}$ は「$n+1$ 回目の試行直前に赤玉が $1$ 個あり、かつ $n+1$ 回目に赤玉を取り出す確率」であるから、最後に $\dfrac{1}{N+2}$ を掛ける形になる。
$n$ 回目の試行直前に赤玉が $1$ 個ある確率を $A_n$ とすると、
$$ P'_n=\frac{1}{N+2}A_n
$$
であるから、
$$ A_n=(N+2)P'_n
$$
である。
よって、$n+1$ 回目の試行直前に赤玉が $1$ 個ある確率は、
$$ \begin{aligned} \frac{N+1}{N+2}A_n+P''_n &= (N+1)P'_n+P''_n \end{aligned} $$
である。したがって、
$$ \begin{aligned} P'_{n+1} &= \frac{(N+1)P'_n+P''_n}{N+2} \end{aligned} $$
を得る。
以上より、求める漸化式は
$$ \begin{cases} P'_{n+1}=\dfrac{(N+1)P'_n+P''*n}{N+2},\\ P''*{n+1}=\dfrac{N}{N+2}P''_n \end{cases}
$$
である。
次に、
$$ P_n=P'_n+P''_n
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} P_{n+1} &=P'*{n+1}+P''*{n+1}\\ &=\frac{(N+1)P'_n+P''_n}{N+2} +\frac{N}{N+2}P''_n\\ &=\frac{(N+1)P'_n+(N+1)P''_n}{N+2}\\ &=\frac{N+1}{N+2}(P'_n+P''_n)\\ &=\frac{N+1}{N+2}P_n \end{aligned}
$$
となる。
初回の試行では、袋の中に赤玉が $2$ 個あるので、
$$ P_1=\frac{2}{N+2}
$$
である。よって、$P_n$ は初項 $\dfrac{2}{N+2}$、公比 $\dfrac{N+1}{N+2}$ の等比数列である。
したがって、
$$ \begin{aligned} P_n &= \frac{2}{N+2} \left(\frac{N+1}{N+2}\right)^{n-1} \end{aligned} $$
である。
解法2
$n$ 回目の試行直前に袋の中にある赤玉の個数の期待値を $E_n$ とする。
袋の中の玉の総数は常に $N+2$ 個であるから、$n$ 回目に赤玉を取り出す確率は
$$ P_n=\frac{E_n}{N+2}
$$
である。
$n$ 回目の試行で赤玉を取り出すと、袋の中の赤玉の個数は $1$ 減る。白玉を取り出した場合、赤玉の個数は変わらない。
したがって、期待値について
$$ \begin{aligned} E_{n+1} &= E_n-P_n \end{aligned} $$
が成り立つ。ここで $P_n=\dfrac{E_n}{N+2}$ だから、
$$ \begin{aligned} E_{n+1} &= E_n-\frac{E_n}{N+2} \\ \frac{N+1}{N+2}E_n \end{aligned} $$
である。
初めは赤玉が $2$ 個あるので、
$$ E_1=2
$$
である。よって、
$$ \begin{aligned} E_n &= 2\left(\frac{N+1}{N+2}\right)^{n-1} \end{aligned} $$
となる。
したがって、
$$ \begin{aligned} P_n &= \frac{E_n}{N+2} \\ \frac{2}{N+2} \left(\frac{N+1}{N+2}\right)^{n-1} \end{aligned} $$
である。
また、この結果から直接
$$ \begin{aligned} P_{n+1} &= \frac{N+1}{N+2}P_n \end{aligned} $$
も従う。
解説
この問題では、赤玉を取り出すと赤玉が $1$ 個減り、白玉を取り出すと赤玉の個数が変わらない。したがって、赤玉の個数に注目して状態を分けるのが自然である。
$P'_n$ と $P''*n$ は単なる状態確率ではなく、「その状態で、さらに赤玉を取り出す確率」まで含んでいる点に注意する必要がある。特に $P'*{n+1}$ を作るとき、$n+1$ 回目に赤玉を取り出す確率 $\dfrac{1}{N+2}$ を最後に掛けることを忘れやすい。
一方、$P_n$ だけを求めるなら、赤玉の個数の期待値に注目する解法2が簡潔である。赤玉を取り出す確率は「赤玉の個数の期待値を $N+2$ で割ったもの」と見れば、すぐに等比数列が現れる。
答え
**(1)**
$$ \begin{cases} P'_{n+1}=\dfrac{(N+1)P'_n+P''*n}{N+2},\\ P''*{n+1}=\dfrac{N}{N+2}P''_n \end{cases}
$$
**(2)**
$$ \begin{aligned} P_{n+1} &= \frac{N+1}{N+2}P_n \end{aligned} $$
また、
$$ \begin{aligned} P_n &= \frac{2}{N+2} \left(\frac{N+1}{N+2}\right)^{n-1} \end{aligned} $$