基礎問題集
数学A 確率「数列・確率(数B)」の問題37 解説
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解説
方針・初手
袋 A の中の赤玉の個数だけに注目する。A には常に 2 個の玉が入っているので、A の赤玉の個数は $0,1,2$ のいずれかである。
$n$ 回の操作後に A の赤玉の個数を $X_n$ とおくと、
$$ p_n=P(X_n=2),\qquad q_n=P(X_n=1)
$$
である。状態 $X_{n-1}=0,1,2$ から次の状態へ移る確率を求めればよい。
解法1
A の中に赤玉が $i$ 個あるとする。ただし $i=0,1,2$ である。このとき A の白玉は $2-i$ 個である。
全体では赤玉が 2 個、白玉が 3 個あるので、B の中には赤玉が $2-i$ 個、白玉が $1+i$ 個ある。
まず A から 1 個取り出して B に入れる。
A から白玉を取り出すと、A の赤玉の個数は一時的に $i$ 個のままであり、B の赤玉は $2-i$ 個、B の玉の総数は 4 個になる。この後 B から赤玉を取り出して A に入れれば、A の赤玉は $i+1$ 個になる。よって
$$ P(i\to i+1)=\frac{2-i}{2}\cdot\frac{2-i}{4} =\frac{(2-i)^2}{8}
$$
である。
一方、A から赤玉を取り出すと、A の赤玉の個数は一時的に $i-1$ 個になり、B の白玉は $1+i$ 個、B の玉の総数は 4 個になる。この後 B から白玉を取り出して A に入れれば、A の赤玉は $i-1$ 個のままである。よって
$$ P(i\to i-1)=\frac{i}{2}\cdot\frac{i+1}{4} =\frac{i(i+1)}{8}
$$
である。
したがって各状態からの遷移は次のようになる。
$$ \begin{aligned} X_{n-1}=0&:\quad P(0\to 0)=\frac12,\quad P(0\to 1)=\frac12,\\ X_{n-1}=1&:\quad P(1\to 0)=\frac14,\quad P(1\to 1)=\frac58,\quad P(1\to 2)=\frac18,\\ X_{n-1}=2&:\quad P(2\to 1)=\frac34,\quad P(2\to 2)=\frac14. \end{aligned}
$$
最初、A には白玉が 2 個入っているので $X_0=0$ である。したがって 1 回操作した後は
$$ p_1=P(X_1=2)=0,\qquad q_1=P(X_1=1)=\frac12
$$
である。
次に、$n\geqq 2$ とする。
$X_n=2$ になるのは、前回 $X_{n-1}=2$ でそのまま 2 に残る場合、または前回 $X_{n-1}=1$ で 2 に移る場合である。よって
$$ p_n=\frac14p_{n-1}+\frac18q_{n-1}
$$
である。
また、$X_n=1$ になるのは、前回 $X_{n-1}=0,1,2$ のそれぞれから 1 に移る場合である。$P(X_{n-1}=0)=1-p_{n-1}-q_{n-1}$ だから、
$$ \begin{aligned} q_n &=\frac12(1-p_{n-1}-q_{n-1}) +\frac58q_{n-1} +\frac34p_{n-1}\\ &=\frac12+\frac14p_{n-1}+\frac18q_{n-1}. \end{aligned}
$$
したがって
$$ p_n=\frac14p_{n-1}+\frac18q_{n-1},\qquad q_n=\frac12+\frac14p_{n-1}+\frac18q_{n-1}
$$
である。
この 2 式を比較すると、$n\geqq 2$ に対して
$$ q_n-p_n=\frac12
$$
となる。また、$p_1=0,\ q_1=\frac12$ より、$n=1$ でも
$$ q_1-p_1=\frac12
$$
が成り立つ。よってすべての $n\geqq 1$ について
$$ q_n=p_n+\frac12
$$
である。
これを $p_n$ の漸化式に代入する。$n\geqq 2$ のとき、
$$ \begin{aligned} p_n &=\frac14p_{n-1}+\frac18q_{n-1}\\ &=\frac14p_{n-1}+\frac18\left(p_{n-1}+\frac12\right)\\ &=\frac38p_{n-1}+\frac1{16}. \end{aligned}
$$
定数項を消すために極限値にあたる定数 $a$ を求める。
$$ a=\frac38a+\frac1{16}
$$
より、
$$ \frac58a=\frac1{16}
$$
だから
$$ a=\frac1{10}
$$
である。したがって
$$ p_n-\frac1{10} =\frac38\left(p_{n-1}-\frac1{10}\right)
$$
となる。$p_1=0$ より、
$$ p_n-\frac1{10} =\left(p_1-\frac1{10}\right)\left(\frac38\right)^{n-1} =-\frac1{10}\left(\frac38\right)^{n-1}
$$
である。よって
$$ p_n=\frac1{10}\left\{1-\left(\frac38\right)^{n-1}\right\}
$$
である。
また、
$$ q_n=p_n+\frac12
$$
だから、
$$ q_n =\frac1{10}\left\{1-\left(\frac38\right)^{n-1}\right\}+\frac12 =\frac35-\frac1{10}\left(\frac38\right)^{n-1}
$$
である。
解説
この問題では、個々の玉の動きを追うよりも、A の中の赤玉の個数だけを状態として見るのが重要である。A には常に 2 個の玉があるため、状態は $0,1,2$ の 3 通りしかない。
遷移確率を求めるときは、A から取り出した玉を B に入れた後、B の中身が変化している点に注意する必要がある。特に、B から取り出す段階では B の玉の総数は 4 個である。
漸化式を立てた後は、$q_n-p_n=\frac12$ という関係を見つけると、2 変数の漸化式が 1 変数の漸化式に落ちる。この処理が最も効率的である。
答え
**(1)**
$$ p_1=0,\qquad q_1=\frac12
$$
**(2)**
$n\geqq 2$ のとき、
$$ p_n=\frac14p_{n-1}+\frac18q_{n-1}
$$
$$ q_n=\frac12+\frac14p_{n-1}+\frac18q_{n-1}
$$
**(3)**
$n\geqq 1$ のとき、
$$ p_n=\frac1{10}\left\{1-\left(\frac38\right)^{n-1}\right\}
$$
$$ q_n=\frac35-\frac1{10}\left(\frac38\right)^{n-1}
$$