基礎問題集
数学A 確率「数列・確率(数B)」の問題39 解説
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解説
方針・初手
白いボールは常に $1$ 個だけなので、「白いボールがどの箱に入っているか」だけを追えばよい。
箱 A と箱 C は初期状態でも対称であり、操作の規則も左右対称に対応しているので、各 $n$ について $a_n=c_n$ が成り立つ。この対称性を使って、確率の漸化式を $1$ 本に減らす。
解法1
$n$ 回の試行後に、白いボールが箱 A, B, C に入っている確率をそれぞれ $a_n,b_n,c_n$ とする。初めは白いボールは箱 B に入っているので、
$$ a_0=0,\quad b_0=1,\quad c_0=0
$$
である。
次に、$n$ 回後から $n+1$ 回後への推移を考える。
白いボールが箱 A にあるとき、表が出れば A と B を交換するので白いボールは箱 B に移り、裏が出れば B と C を交換するだけなので白いボールは箱 A に残る。
白いボールが箱 B にあるとき、表が出れば箱 A に移り、裏が出れば箱 C に移る。
白いボールが箱 C にあるとき、表が出れば A と B を交換するだけなので白いボールは箱 C に残り、裏が出れば箱 B に移る。
よって、コインの表裏がそれぞれ確率 $\dfrac12$ で出ることから、
$$ \begin{aligned} a_{n+1}&=\frac12 a_n+\frac12 b_n,\\ b_{n+1}&=\frac12 a_n+\frac12 c_n,\\ c_{n+1}&=\frac12 b_n+\frac12 c_n \end{aligned}
$$
が成り立つ。
ここで、初期値は $a_0=c_0=0$ であり、上の漸化式から $a_n=c_n$ ならば
$$ a_{n+1}=\frac12 a_n+\frac12 b_n
$$
かつ
$$ c_{n+1}=\frac12 b_n+\frac12 c_n
$$
より $a_{n+1}=c_{n+1}$ である。したがって、数学的帰納法によりすべての $n$ について
$$ a_n=c_n
$$
である。
そこで
$$ a_n=c_n=x_n
$$
とおく。確率の和は $1$ だから、
$$ b_n=1-2x_n
$$
である。
先ほどの漸化式
$$ a_{n+1}=\frac12 a_n+\frac12 b_n
$$
に代入すると、
$$ x_{n+1} =\frac12 x_n+\frac12(1-2x_n) =\frac{1-x_n}{2}
$$
となる。すなわち
$$ x_{n+1}=\frac12-\frac12x_n
$$
である。
この漸化式の定数解を求めると、$x=\dfrac12-\dfrac12x$ より
$$ x=\frac13
$$
である。したがって、
$$ x_{n+1}-\frac13=-\frac12\left(x_n-\frac13\right)
$$
となる。
初期値 $x_0=0$ より、
$$ \begin{aligned} x_n-\frac13 &= \left(-\frac12\right)^n\left(0-\frac13\right) \end{aligned} $$
である。よって、
$$ \begin{aligned} x_n &= \frac13-\frac13\left(-\frac12\right)^n \\ \frac13\left\{1-\left(-\frac12\right)^n\right\} \end{aligned} $$
となる。
したがって、
$$ a_n=c_n=\frac13\left\{1-\left(-\frac12\right)^n\right\}
$$
である。また、
$$ b_n=1-2x_n
$$
だから、
$$ \begin{aligned} b_n &=1-\frac23\left\{1-\left(-\frac12\right)^n\right\}\\ &=\frac13+\frac23\left(-\frac12\right)^n\\ &=\frac13\left\{1+2\left(-\frac12\right)^n\right\} \end{aligned}
$$
である。
解説
この問題では、赤いボールは $2$ 個あるが、求めるのは白いボールの位置だけである。したがって、赤いボール同士を区別する必要はない。
また、初期状態で箱 A と箱 C はどちらも赤いボールを持っており、操作規則も A と C に関して対称的に働く。そのため $a_n=c_n$ に気づけると、$3$ つの確率を追う問題が $1$ つの漸化式に帰着される。
得られる漸化式
$$ x_{n+1}=\frac{1-x_n}{2}
$$
は、定数解 $\dfrac13$ との差を取ると等比数列になる。最終的には、試行回数が増えるにつれて白いボールの位置は各箱にほぼ等確率で分布し、極限は
$$ a_n,b_n,c_n \to \frac13
$$
となる。
答え
$$ \boxed{ a_n=\frac13\left\{1-\left(-\frac12\right)^n\right\} }
$$
$$ \boxed{ b_n=\frac13\left\{1+2\left(-\frac12\right)^n\right\} }
$$
$$ \boxed{ c_n=\frac13\left\{1-\left(-\frac12\right)^n\right\} }
$$